TV放送を録画して観ました。
本当の家族ではない訳ありな5人が共同生活をしています。
祖母は年金暮らし、父と母は細々と仕事をしているのですが、生活の足しに子供を連れて万引きを重ねています。
それぞれに社会との関わりをうまく持てない部分があり、日本の社会問題が凝縮された様な家族でもあります。
そこに親から見放された5歳の女の子が拾われて来て、彼女を中心に6人の生活と新たな絆が生まれて行きます。
しかし、徐々にその生活は破綻を始めます。
彼らが生活する日本家屋は、雑然と散らかって不衛生で物に溢れています。でも、食事の風景はとても明るく一家団欒に見えます。彼らは家族になろうとしているけど、いつまでも家族になれない、そんなジレンマも彼らが他人だからと言ってしまえばそれまでですが、本当に家族として生活をしていても、そこに絆があるのかという現代の問題もあるように思います。
家族それぞれの抱える問題が、それぞれの視点で見えたときに、絆のはかなさも見えてきます。
失業、祖母の死、誘拐事件報道によって、彼らの生活は追い詰められ、ついに警察に連行されることとなります。
一人一人の取り調べの様子も丁寧に描いていて、そこで彼らの本音が見えてきます。
それもほんの少しのズレだと思いますが、修正できないズレなんですね。
所詮は他人と言ってしまえばそうなのかもしれませんが、家族になることは難しかったけど、不器用な彼らなりにお互いを思い合っていることも分かります。
重厚なテーマを描いているとは言え、コミカルなテンポの良さもあり、暗く息が詰まる様な映像ではないと思います。
最後にまた、ネグレクトを受ける女の子が出てきますが、彼女が見つけた何かが明るい未来であることを願うばかりです。