蛇口が取れた

4年半の杭州生活を終え、ついに帰国。現在、中国人化後遺症に悩まされ、好評リハビリ中。

本気のお付き合い、求む!

2009-06-28 11:15:41 | テレビ・映画
こちらでも話題になった『非誠勿擾』を観た。
訓読すると、「誠にあらずば、擾することなかれ」となるけど、
まあ、意味としては、タイトルに書いたようなもんでしょう。

監督さんは馮小剛(フォン・シャオガン)。
主演は、葛優(グーヨー)と舒淇(スーチー)。
共に売れっ子の人たちがタッグを組んだ恋愛劇。

葛優は50歳近い独身男。
アメリカで仕事をしていたが、とあることがあって帰国。
なんだかよくわからない発明品を売って、お金だけはある。
そんな彼が、インターネットで結婚相手募集の記事を載せる。
いろんな人たちと会っていたが、3人目がスーチーだった。
「なんでこんな人が?」と思って、尋ねるとやっぱりわけあり。
彼女は妻子ある男性と不倫関係になっていたのだ。
はじめは、なんだか気の合わない感じだったが、
徐々に本当に徐々にだが二人の距離が縮まっていって・・・・。

と書くと甘い甘いロマンスを思い浮かべるかもしれないけど、
そんな単純な話ではない。
かといって、重苦しい話でもない。
適度に軽く、適度に考えさせられる。

この映画の見所は、舞台となった場所の風景。
とにかく風景が素晴らしい映画だろう。
しかも、とてもゆかりのある場所が出てくる。

そう、まずは杭州。
そして、続いて北海道。
しかも、夏の北海道である。
この映画のおかげで中国での北海道人気が再燃したという。
(ちなみに、岩井俊二の『ラブレター』も若者には人気です)

杭州もなかなか素晴らしい。
杭州というと、すぐ「西湖」と思うが、
この監督さんは一癖あり。
撮影場所に西湖ではなく、西渓湿地を選んでいる。

日本にいる方はピンと来ないと思うが、
杭州市の西側に大きな湿地帯がある。
ここには、今でも様々な植物が生い茂り、
現在は公園となっていて、誰でも見ることができる(ただし、有料)。

ここを選ぶなんざ、なかなかの通。
もちろん、西湖も映っていた。
だけど、これもまた一癖あり。
観光客が行く場所ではないところを映している。

蘇東坡が造った有名な蘇堤をさらに西に行くと、
三台山路、という道がある。
これは山に入っていく道なのだが、
ここの途中にある西湖のはずれが、水墨画の世界のように美しい。
ボクもこの場所はとても好きな場所の一つ。
映画ではまさにここの場所が使われていた。
あっぱれ、である。

それにしても、
北海道より杭州のがなじみ深いのは、
当然といえば当然だが、やや複雑な感じもするなあ。

あ、映画はホントに面白いですよ。
日本で公開されたら、是非見て下さい。
オススメです。

悲しみの記憶

2009-06-25 16:14:07 | 日本・東京
さて、山口からの帰り、
移動が1日あったので、広島に寄った。

広島は高校の修学旅行以来なので、
実際に十年ぶりとなる。
1日しかないのでそんなに多くの所へは行けない。
というわけで、まずは未踏の地、厳島へ。

早朝に新幹線で山口から移動し、
荷物をロッカーに預け、
電車・フェリーを乗り継ぎ厳島上陸。

もちろん、まず目指すは厳島神社
すでにフェリーの上から鳥居は眺めていた。
今度は陸上から眺めなくてはならない。

いやあ、想像通りの感じ。
でかいねえ、あの鳥居。

当日は結婚式が一組入っていたようだ。
新婦がきれいな着物を着て写真撮影をしていた。
晴れたのはいいけど、暑かったから大変だったはず。
そういえば、ここで結婚式を挙げた知人がいたような。

鹿を眺めながら島をぷらぷらしていると、
ちょうど昼時になったので、昼食を取った。
はじめは市内に出てお好み焼きをと思っていたものの、
そこら中にある「かき」の文字にいてもたってもいられず、
「かき釜飯」なんぞを注文してしまった。
いやあ、おいしかったねえ。
さすが、「かきの宮島」。

かきを堪能した後はフェリーで市内へ。
目指すは、平和記念公園近辺。
ここは一度修学旅行できたことがあるものの、
やはり、今一度行くべき所であろう。

しかし、どうしたことであろう。
公園内にはいり、慰霊碑近辺に近づいていくと、
なぜか、非常に悲しい気持ちになっていった。
体全体に悲しみがまとわりつく感じで、
涙がこぼれそうになってきた。

それは広島平和記念資料館に入ってからも続く。
様々な展示、特に遺品などを見ていると、
どうしようもなく泣きたくなってきた。
周りに小学生がたくさんいたから、
何とか踏ん張っていたが、
じっくり展示品を見ることができない。

広島、特にここはどうやら悲しみで満ちているようだ。
アメリカや日本政府に対する「怒り」のようなものは感じられない。
資料館の展示でも、そういった種類の「怒り」は感じ取れない。
ただただ、そこには「悲しみ」だけが存在している。
そんな感じを強く受けた。

南京に行くと、日本人だから過剰に感じてしまうのかもしれないが、
やはり「悲しみ」よりも日本や日本人に対する「怒り」を強く感じる。

どちらがいい、という問題ではない。
「悲しみ」であれ「怒り」であれ、
死者を悼む気持ちは変わらないはず。

戦争は、やはり悲劇しか生まないのかもしれない。

だから、それは微熱だろ

2009-06-22 00:15:09 | 杭州・杭州周辺
20日、ついに梅雨入りとなった杭州。
とはいえ、午前中はとってもいい天気。
というより、もの凄く暑かった。

自転車に乗っていても、
何だか呼吸するたびに暑い。
アスファルトの照り返しのせいかと思っていた。

もちろん、それもあった。
しかし、そもそも気温が尋常じゃない。
翌日(21日)の新聞によると、
20日の杭州市の最高気温はなんと、37.4度!!

夏じゃん。
そりゃ、体温じゃん。
しかも、ちょっとした風邪じゃん。

今からこんな状態。
勘弁して下さい。


*写真はご存じ厳島神社の鳥居。

松陰づくし

2009-06-21 11:25:08 | 日本・東京
すでに書いているが、
先日日本に行った。
目的地は山口県。

実は私、長州は初めて。
いずれは行かなくてはと思っていた場所だけに、
いいチャンスをいただいたと思っている。

1日予定が空いたので、萩へ。
新山口駅からバスで揺られること1時間半。
東萩駅へ到着。
そこからレンタサイクルで、そこかしこを見学。

まず向かったのは、松陰神社
ご存じの通り、吉田松陰が生まれたのがこの萩。
松陰神社は安政の大獄で無念の死を遂げた松陰を祀った神社。
東京の世田谷区にも松陰神社があるが、
こちらは明治23年の松下村塾改修の時、
松陰実家の杉家が自家の私祠として建立したのがはじまり。
その後、明治40年に門人であった伊藤博文らが中心となり、
山口金に神社創設の請願書が出され正式に神社として許可されたのであった。

世田谷の松陰神社よりも広く、
また、観光客も多い感じがする。
さすが地元である。
敷地内には蝋人形で松陰の生涯を物語る
「吉田松陰歴史館」なんてものもある。
まずは、ここでしっかりとお参りをし見学のスタートを切った。

続いて向かったのは、伊藤博文旧宅。
松陰神社から自転車で2分程度の場所。
松下村塾がホントにご近所の塾であったことがよくわかる。

さらに、松陰誕生の地へ向かう。
ここは隣に久坂玄瑞ら松陰はじめゆかりの人たちの墓所もある。
ちなみに写真がその誕生地から眺めた萩の景色。
非常に見晴らしのいい場所であった。

その後、黄檗宗の寺院、東光寺を見学し、
品川弥次郎の誕生地を石碑を写真に納め、
木戸孝允(桂小五郎)旧宅へ足を運んだ。
ちなみに、品川も松下村塾出身。
すごいぜ、松陰。

さて、木戸孝允旧邸は改修されているせいか、
非常にこざっぱりした感じを受けた。
しかし、ここでいい話を聞いた。

観覧者もボク以外はおらず、
時間もたっぷりあったので、
受付のおばちゃんとちょっぴり長話。
というよりも、おばちゃんの独演会。

テーマは、木戸、そして松陰がどれほど素晴らしい人物であったか。
特に、松陰の教育はどんだけ人々の気持ちを動かしたか。
これを、実に30分くらい熱弁してくれた。
いやあ、おばちゃん、実際に松陰に学んだかのような熱弁。
そして返す刀で現在の政治家達の体たらくにカツを入れる。

実に感動した。
松陰は今なお萩の人々の心に、
みずみずしくも生き続けていることに。
いやあ、ホントに色々と勉強になるな~。

そして、松陰没後150年ということで、
萩博物館では「至誠の人 吉田松陰展」を開催していたため、
それも当然見学。

帰りには、途中にあった野山獄跡岩倉獄跡を見学。
ここは、松陰が幽囚されていた獄のあった場所。

とにもかくにも、松陰づくしの充実した萩見学だった。

自分中国化計画

2009-06-19 00:26:02 | 日本・東京
どんどん中国人になっていく。

もともとボクはお腹が弱い。
驚くほどにお腹が弱い。

なので、中国に来て一番の心配事はそれ。
なにせ、中国の厠事情は芳しくない。
だから、いつも注意をしながら過ごしている。

食べ過ぎない。
飲み過ぎない。
冷たいものに関わらない。

とにかく、注意を払っている。
それでも、ダメな時だってある。
それはもう、仕方がないことだ。

しかし、どうやらボクは中国の水が合うのかもしれない。
いや、どんどんどんどん中国に適合した体になっているのかも。

今回日本に行った時のこと。
中国を出発する時から、少々様子はおかしかった。
まあ、なんとかかんとか飛行機などは乗りきった。

しかし、日本に着いてから様子はさらにおかしくなった。
あっという間におかしくなっていった。

ホテルの部屋に入るや否や厠へ直行。
荷物を解くこともなく、はばかりへ。

それからというもの、
毎日毎日僕らは鉄板の、
いや、毎日毎日厠と仲良し。

即効性のある薬を買って、
ちょくちょく飲んではいたのだが、
一時期は何とかなるものの、
やはり完全に治癒はしない。

都合5泊したのだが、
全ての日程でこんな状態。
思い切って食事もできない。
折角の日本なのに堪能できない。
非常に忸怩たる思いで過ごした。

ところが、である。
中国に帰ってくると、
やや弱っている感じがするが、
すぐに通常の状態にもどっていった。

もういまや何ともない。
普通に油で炒めたものだって食べられる。
昨日だって暑いからアイスも食べてしまった。
でも、大丈夫。

なんだ?
中国の水が合うのか?
中国の水じゃなきゃだめなのか?
日本の水はボクの体には繊細すぎるのか?

ああ、行動様式だけでなく、肉体までもが中国化・・・・・。


*厳島にいたタヌキ。

冷やし物忌はじめました

2009-06-17 00:04:20 | 杭州・杭州周辺
実は先週から今週にかけて日本に行ってました。

目的地は山口だったんですが、
関空から入り、新幹線で移動というルート。
つまり、新型インフルで話題になった
大阪・神戸を通過しての山口入りとなったわけです。

もちろん帰りはその逆。
関空から杭州へ。

こちらにいる時に見たニュースですと、
大阪中でマスクマンがあふれていて、
ちょっと怖いという感じがあったのですが、
実際行ってみるとマスクをしている人はほとんどいない。

しかし、あのイメージは凄い影響力があります。
日本人から見たら、当然だろ、って所があると思いますが、
海外からその様子を眺めると、かなり異質な感じを受けます。
日本はそんなにまでインフルエンザが蔓延しているのかと。

そして中国はSARSでの失敗があるため、
今回のインフルには大変神経質になっています。
杭州でもそれは例外ではありません。

飛行機が空港に到着してもすぐには外に出られません。
マスクをして白衣を着たお医者さんが機内検疫にきます。
一人一人おでこに体温計を当て、ピッとはかる。
なんだか元気なのにちょっと緊張します。

空港内に入ってもやや厳重。
かなり詳細に健康カードをチェックされます。
連絡先もきちんと書かないと書き直させられます。
もちろん、空港職員はマスクをして対応。
関空よりもかなり厳しく感じました。

そして、さらに私はしばらく仕事に出られません。
大阪から戻ってきた私は、インフル発症候補生。
そのため、公式に出勤停止状態になりました。

というわけで、本日からしばらく物忌です。

とかいいながら、明日は人と会う約束があるのですが。


*写真は萩の松陰神社に立っていたのぼり。松蔭没後150年だそうです。

第6回 スターバックスカフェの巻

2009-06-11 00:26:24 | 杭州カフェ探訪
ネタがないわけではない。
結構行っているのに紹介しないなんて、ひどい、
と、匿名の投書があったからでもない。

実際、一番行っているのがスタバ。
杭州にはいろんなところにスタバがある。
2005年に来た時には数えられるくらいだったが、
今ではかなり増殖していて、
ボクもいろいろな場所のスタバに行ったことがある。
今ぱっと思い出すだけで7カ所のスタバに行ったことがある。

注文するものは大抵決まっている。
ラテのトールである。
日本にいてもそれを頼む。

中国ではラテトールは25元。
昔は高い!と思ったけど、
今はいろいろなカフェが出来てきて、
まあ、そこそこの値段っていう感覚になった。
中国もやはり裕福になってきているのが実感できる。

とはいえ、スタバの客は外国人が多い。
そのせいか、店員は英語を話せるようだ。
ボクも初めのうちは英語で対応された。
最近は、基本的に中国語で対応してくる。

さて、味だが当然日本と同じ、
と思ったら、さにあらん。
日本の方が絶対においしい。
ミルクが日本の方が滑らかなのだ。
どうも中国のミルクはいかん。
どの店で飲んでもそうなんだから、
作り方・材料は中国基準なんだろう。

不満ではあるが、
かといって、不味いわけではない。
だから、よく行っているわけで。

時間と場所によって混み具合は異なるが、
座れれば大体日本の雰囲気と同じ。
おしゃべりをしている人もいれば、
パソコンを開いて仕事をしている人もいる。
外国人も安心して入れるはず。

だけど、やっぱり食べ物は高いけどね。

と、ここまで書いて、ふと思い出した。
この企画が始まる前に一度紹介したことがあったことを!!
でも、ま、いいか。
折角書いたし。

*写真はある日の昼食。結構高かった。

中国では臨機応変が身上さ

2009-06-06 01:50:44 | 杭州・杭州周辺
とはいえ、
モノには限度ってものがある。

先日、ジムに行った時のことである。
いつものように、様々な器具を使って汗を流していた。

最近は天気がいいととても暑い。
これはもう夏だってくらい暑い。
この間乗った同僚の車の中は44度だった。
ここはエジプトか?ってぐらいな夏度100%。
サザンを聞いて海にドライブな夏が来ている。

というわけで、ジムで流す汗も増えてきている。
ちょっと軽く動いただけで汗が流れてくることもある。

だから、終わった後のシャワーは欠かせない。
シャワーの爽快感を考えただけで嬉しくなってくる。
たぶん他のみんなも同じ気持ちだろう。
奇妙な感じの一体感がそこには!!

・・・生まれてはいないな。
そりゃ大げさだ。

そんなことはともかく、
ボクはシャワーが楽しみ。

先日、いつものように終わってシャワーへ向かおうとすると、
来たばかりの人に声を掛けられた。

「あれ、今日、断水だよ。シャワー浴びれないよ」、と。

え?
ええ?
聞いてないよ~。
なんだよそれ~。

どうやら、後から来た人たちには入り口のところで「断水」を告げているようだが、
ボクが来た時にはそんなことは一言も言われなかった。
見るとボクと同じようにシャワーへ向かい戻ってきた人がいる。
どうやら彼もボクと同様に情報弱者だったようだ。
一瞬合う目と目。
その瞬間情報弱者である我々の間に目に見えない強い絆が!!

だから、生まれていないって!

渋々、汗を軽くふき取って着替えて外に出た。
確かに、入り口で新たに来た人には「断水」を伝えていた。

しばらくすると、携帯にメールが届いた。
今行ったばかりのジムからであった。

「本日は断水ですので、そのつもりで」

・・・・・

遅いよ。

微妙な人たちの宴

2009-06-02 02:25:58 | テレビ・映画
いやはや微妙だ。

台湾ドラマ『放羊的星星』を観た。

主人公(男;林志穎)は大金持ちのボンボンで次男。
彼はF1レーサーなのだが、いろいろあってフランスから帰国。
しかし帰国してみると元カノがあろうことか自分の兄貴と結婚するってことに。
しかも、実家の宝石店が経営危機を乗り越えるために、
死んだ母親の形見である宝石を持ち出して融資をもらおうなんて計画が発覚。
怒った主人公はそれをまんまと奪い取り、逃走を図る。

その逃走途中で、主人公(女;洪小玲)とぶつかってしまう。
しかもひょんなことから、この二人が一緒に逃走することに。
この女主人公、実はもともと詐欺師で服役を終えたばかり。
しかし、そうこうしているうちに二人は恋に落ち・・・・。

まあ、簡単に言えば身分違いの恋物語。
それに当然、元カノ、兄貴、さらには彼らの親などなど
様々な人が絡み合い、くんずほぐれつの物語進行。
涙あり、笑いあり、怒りありのがちゃがちゃした進行。

にしても、微妙だ。
何がって、登場人物が。
どうみてもすんごいイケメンじゃない。

男主人公はTOKIOの山口くんにどことなく似ている。
横顔のときに、時折見せる二重あごがまた似ている。
他に、大スターの役で出てくる俳優も微妙すぎる。
歯並びが役者にしては悪いし、
正直言ってあんまりイケメンじゃない。

女優人だってそうだ。
女主人公もなんだかのっぺりしている。
プロポーションだってよくはない。
劇中で「飛行場」って言われているし。
トリックの山田奈緒子を思い出してくれれば問題ない。

元カノもひどい。
なぜあれを取り合う。
ちっとも良さが分からない。

う~ん、台湾人好みなのか、
はたまた、台湾人でもだめなのか。

判断に困るところだが、
話はそこそこ面白いので許したる。