先日、何となく映画を見た。
『
色、戒』(邦題:『
ラスト、コーション』)を。
監督は李安(
アン・リー)。
ヴェネチア国際映画祭で金獅子賞を取った作品。
物語は1940年前後の上海・香港を舞台としている。
梁朝偉(
トニー・レオン)演じる易先生は汪精衛政府のお偉いさん。
早い話が日本人の狗。
中国人の憎き裏切り者。
だけど、権力とお金はもっている。
そんな彼が香港に来ていると知った演劇グループ。
彼らは愛国心バリバリの演劇を上演していた熱血大学生たち。
(グループのリーダーは
王力宏;ワン・リーホン)
彼らは香港の実業家麦先生になりすまし易先生に近づこうとする。
麦夫人になりすましたヒロイン王佳芝(湯唯;タン・ウェイ)が、
見事、易夫人のマージャン仲間になり、
それを通じ彼らは易先生の暗殺の機をうかがうが、失敗。
王佳芝は彼らと袂を分かち上海へ。
3年後、彼らは再会。
再び麦夫人となり易先生に近づいた王佳芝は、
しかし、易先生に次第に惹かれていき・・・・・。
というような感じ。
でも、この映画はそんなストーリーを追っても意味がない。
暗殺が成功するかどうかなんてのは実はそれほど重要ではない。
なにせ、易先生と王佳芝との愛情愛憎劇がメインなのだから。
なので、この映画の見所は、
なんといっても、濃厚なラブシーン。
・・・のはず。
間違いなく、そう
・・・だと思う。
もう、お気づきですね。
そうです、カットされてます。
きわどいシーンは全てカット。
総計7分間もバッサリと。
もう、どうかしているよ。
映画の肝になる部分を7分もだよ。
これがなければ、
最後の王佳芝の笑みや易先生の涙が理解できない。
・・・はず。
今一度ノーカット版で見てみたい。
この映画が面白いのか否かを確認したい。
香港版はノーカットらしいけど。
当然、
日本人が出てたりや日本的な場面があるけど、
これがよくあるインチキ日本人ではなく、
きちんとしていたよ。
だからこそ、しっかりと確認したいんだよね。
だって、こうした細部をきっちり作っているんだから。
まあ、こちらさんも結構苦慮したみたいだけど。
そもそも9月末の国慶節休み直前公開だったのが、
10月下旬にのび、さらに11月1日まで伸びたのだから。
だからといってねえ、
せっかく、世界的に認められた自国の映画監督作品なのにねえ。
これじゃあ、自国の映画文化もなかなか発展できないんじゃないの。
*写真はこちらから拝借
http://www.cinemacafe.net/movies/cgi/18598/