蛇口が取れた

4年半の杭州生活を終え、ついに帰国。現在、中国人化後遺症に悩まされ、好評リハビリ中。

なんでもないことだけど

2011-05-16 15:50:52 | ちびりんこ
仕事帰りに保育園に行った。
一日、保育園で遊んでいたちびりんこが、
ボクの顔を見て、キョトンとしながらも、
ハイハイしながら寄ってきた。

ようやく事情を飲み込んだちびりんこは、
嬉しいのか悲しいのか、
なぜか泣きそうな顔になる。
それを見てボクも何だか複雑な気分になる。

最近は日も長くなり、5時台で夕日が見えることはないが、
それでも外に出ると、空気は夕暮れのにおいがした。
その日は、一週間続いた雨がようやく止み、
より一層、外の雰囲気が華やいで見えた。

帰り道、ベビーカーに乗ったちびりんこが、
「うー、うー」と奇声を発しながら空を指さす。
「そうだね、空だね」とボクは返事をする。
「あー、あー」とまた叫ぶ。
「そうだね、犬だね」とまたボクは返事をする。

なんでもないことだけど、
あんな事があった後だけに、
なおさら、なんでもないことこそを強く抱きしめたくなる。

その日は、ちびりんこの誕生日。
1年間、無事に成長してくれたことが心から嬉しい。


*写真はいろんな人からもらった誕生日プレゼント。

ちびりんこ、旅にでる。

2010-10-11 23:07:57 | ちびりんこ
かれこれ半月ほど前のお話ではある。
個人的に久しぶりに杭州へ渡った。
仕事関係一切なく、完全プライベートで渡った。

しかし、今回はいつもとは違う。
杭州なんて自分の庭のようにわかってはいるが、
そんなこととは関係なく、
気を緩めることが出来ない事情があった。
それは、わずか4ヶ月のちびりんこを連れて行くという使命である。

これまで電車に乗って遠出をしたことがない「箱入りちびりんこ」が、
成田空港までスカイライナーに乗り、50分近い長旅をするどころか、
飛行機に乗って、外国へと行こうというのだから無理もなかろう。

その日は、朝から雨が降っていた。
朝5時半に起き、
早々にミルクを飲ませ、
万全の体制をとるために、
上野駅までは贅沢にもタクシーを使った。
ベビーカーを含め、荷物が多いのだから仕方あるまい。

無理矢理起こして連れて行ったため、
幸い、スカイライナーの中では熟睡だった。
車内では騒ぐどころか、声すら上げなかった。
なんて、いい子なんだろう。

成田空港に着き、荷物を預け(この時、持参したベビーカーも預けた)、
ひとまず、乗り心地の悪そうな空港仕様のベビーカーに乗せて、
金属探知機や税関を通り抜け、搭乗口へ向かった。

まもなく、優先登場が始まり、
優先登場の権利を有していた我々は、
颯爽と機内へ足を踏み入れた。

その日は空いていたこともあり、
航空会社の計らいで、
最後列の席で、しかも前列にも誰もいないという席を準備してくれた。
これなら多少泣いたとしても、最小限度の迷惑ですむはずである。

しかし、本当の心配はこれからだ。
離陸時は気圧の変化により、
耳がぶわ~んとなる。
大人ですら気持ちが悪いのだから、
況んやちびりんこをや、である。

私はちびりんこが泣き叫ぶことを覚悟し、
ちびりんこを抱っこしたまま、離陸に備えた。
天候の都合上、出発時刻よりやや遅れて出発することとなった。
私としては、さっさと飛んでほしかったが、それは致し方ない。

しかし、天は我に味方せり。
待っている間に、ちびりんこが寝始めたのである。

それでも安心は出来ない。
気圧の変化で耳がぶわ~んとなり、
ぐずり出す可能性があるからだ。

ついに、離陸の時がやってきた。
飛行機が滑走路をスピードを上げて進む。
前方が浮き、ついに機体が宙に舞った。
ぐんぐんと高度を上げていく飛行機。
それとともに、私の耳もぶわ~んとなっていった。
さぞかし、ちびりんこも苦しかろう。

・・・ん?
寝てる。
すやすやと気持ちよさそうに寝てる。
安心しきった顔で、熟睡している。

結局、彼が再び起きたのは、
高度も安定し、機内食が運ばれるようになった頃であった。

その後もCAさんやトイレにやってきた乗客に対し、
笑顔を振りまき、皆を和ませるという、
高等外交術を難なく使いこなし、
一切騒ぐことなく、平穏無事なまま杭州へ到着した。

う~ん、なんて手間のかからないいい子なんだろう。
一体、誰に似たのだろうか。

というわけで、ちびりんこは今杭州滞在中である。


*杭州の国際便ロビーが変わっていた。びっくり。

初参った

2010-06-22 17:12:01 | ちびりんこ
梅雨の真っ最中のため、
天候が心配だったが、
何とか雨が降らずに、無事初参った。

場所は、写真のここ。
普通の狛犬は犬だが、
ここは狛虎となっている。
それは、ここの守護仏が、
寅年・寅月・寅日・寅刻に生まれたからだそうだ。

住職は一見不愛想で、やる気も感じない。
予約をした時から、やな感じだなあ、と思っていた。
当日も何だか愛想が悪く、気持ちむかついた。

しかし、時間が経つにつれ、
どうやら、それはちょっと違うことに気づいた。
不愛想なのではなく、気さくなのかもしれない。
口調も別に嫌みがあったりするのではなく、
普通に親切で話しやすい。

色々な説明を丁寧にしてくれるし、
最後には住職自ら写真を撮ってくれた。
さらには、なんと、服までくれた。
しかも、GAP KIDSの。

う~ん、何かいい感じ。
第一印象があれだったため、
尚更株が急上昇した。

ちびりんこも泣かず、
まずまずの初参ったであった。