肉が肉屋で

今日のことである。

会社帰り、肉でも焼いて食べるかと思い肉屋へ。
何人か並んでいる列の一番後ろへ。
並びながらケースをみる。
何を食べようか。

ケースの上に、お買得商品としてアメリカンドックが置かれている。
1本50円、安い！
ヨメもアメリカンドックは好きである。
50円なら4本買っても200円だ。
これは買わないわけにはいくまい。

この時点で、肉はどうでもよくなっていた。
アメリカンドックさえ買えればよかった。

が、私の2人前に並んでいたオバハンがアメリカンドックを買っている。
この時点で後ろから見た感じでアメリカンドックは残り2本となってしまっている。
これはマズイ状況だ。
私の前にはまだ1人並んでいる。
その人が2本買ってしまったら、私のアメリカンドックがなくなってしまうではないか。

私の前の人がアメリカンドックを買わないように祈る。
ショウケースに写る自分の姿に向かって祈る。

が、その祈りの最中に、とんでもない声が耳に届く。
先ほどの、私の2人前に並んでいたオバハンである。
『あ、その残りのアメリカンドックももらっちゃうわ。』

ああああああ～？？？
なんだ、その“ついでに買っちゃえ”というような、全く計画的と思えない買い方は！
後ろに並ぶ、その2本を虎視眈々と狙っていた私の立場がないではないか！

こうして私の狙っていたアメリカンドックは心無いオバハンの気まぐれによってなくなってしまった。