眠りたい

疲れやすい僕にとって、清潔な眠りは必要不可欠なのです。

哀しみに

2008-03-29 | 
人は哀しみだけでは走れない
 追いつきたい肖像を求めた日々は
  かすれた布地の心地よさに似て
   甘い快楽を妥協する

    辿り着けない地平
     霧の立ち込める街並みを彷徨った
      暮らしの論理は
       夢の名残を
        まるで優しく腐ってゆく
         机の上の林檎の如くに
          芳香す

         「愛している」

         ドウシテ
         コノ クルシミ ノ ハイ ヲ
         トリノゾイテハ
         クレナイノデスカ?

        水割り一杯で
       記憶の断片を消去する
      割れた鏡のかけらの様な
     戻れないね

    人口密度の高い街のカウンターは
   やけにざわめき
  息苦しい
 呼吸をするのにも
銀貨一枚が必要らしい

  甘えた声で
   誰かが誰かにまとわりつく
    うんざりさ

     一人で飲みたい

     それでも
      人は哀しみだけでは走れない
       どんなに埋め合わせを求めてみても

        コケッティシュな嬌態も
         甘い誘惑にも
          くだらないのさ

         だから

          今夜も街のノイズに
           一人包まれ夢を見る

           ただ
  
            走りたいのだ




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