雨の七夕です。
長くなりますが引用します。
私はこの話を聞いて非常に不愉快になった。全体を見ずにただ作中の一人物の会話のはしばしだけを捕えて難くせをつけるということは、なんという事だろうを思った。すぐさま私は雑誌社を通じて、こちらの意向を述べてもらったけれども、もとより通るはずもなかった。じつをいうと、そのとき私は投げ出してしまいたかったのであるが、それでは、しめきりを目の前にひかえている雑誌社が困るだろうと思って、涙をのんで、命ぜられた点をけずり、そのために意味の通じなくなった点は、一応通じるようにして、校正ずりを雑誌社に返したのであった。そのあとで、私は一週間ほど考えた。考えたあげく、ついに「ペンを折る」を書いて「路傍の石」を中絶してしまったのである。(山本有三『路傍の石』)
これは山本有三氏の路傍の石が「軍国主義の暴走」で検閲を受け、連載を中断したときの話ですが、政治家が一言口をすべらしただけで謝罪され、辞任に追いこまれる今の時代も大差ないとおもいます。
・真摯な反省がない
・言葉に重みがない
・何と軽率で不見識な発言か
・心からの反省が伝わらない
・閣僚失格等
「難くせをつける」立場が変わっただけ。
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