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人間に期待しない時代『つながっているのに孤独』

2019-05-06 08:02:24 | 人生を「生かす」には

@「人間に期待しない社会・時代」はすでに始まっていると言う。それは常時接続のネット社会とその周辺に纏わるロボットによるものだと言う。時代とともに「電話」より「テキスト・動画配信」で繋がり、現実の人との交流も「摩擦を避ける」社会で「出会い」がネットに代わり、老若男女問わず人々は外出もしなくなっているのが現状は、この先何が起こるのか。「孤独」であると言う。これからの技術を考えるとAI/AR(人工知能〜現実世界)など人はコンピューター・携帯で会話し、生身の人間をなるべく避け、自分の思いのままに答え、反応し、支持してくれる心地よさの「マシン」(自分を高く評価し、感情もこもった姿勢を示してくれる)を求めていくのか。自己満足型マシン時代は既に人間に期待しない社会「自立AIマシン対応社会」を現実化しようとしているのか。癒してくれるのは人ではなくなるのか!

『つながっているのに孤独』シェリー・タークル

  • 「人生を豊かにするはずのインターネットの正体」
  •             もはや「使わない時代」には戻れない。だが、ロボットは、人の代わりになれるのか。ネットは、コミュニケーションの代わりになれるのか。テクノロジーと人間の関係を問い続けてきた「今そこにある危機」とは?
  • 「変わる人間とコンピュータの関係」
  •             80年代の初頭、人間の思考、記憶、理解に新たな認識をするコンピュータが登場、将来「自分の脳」になると認識。さらに「人の心を掴む力」への懸念を感じた。ネットワークとロボットの進化により「接続された心」、テクノロジーに多くを期待し、人間同士の関係に多くを期待しなくなっている。それは交流型ヒューマノイド(人間型ロボット・ペット)の出現、たまごっちから始まり、Furby 、AIBO、  My Real Baby、  Kissmet、  Cog、  Paro癒し系、介護まで出現した。ニールセンの調査(2010年)十代は1ヶ月に3000件のテキストを送り、Chatrouletteなどではユーザー数が1500万人で映像をお互いに見て話したりする。今後、人間の本質について「つながり」で人間同士どんな意味を持っていくのか・・・
  • 「ロボット時代」
  •             孤独の中に新たな親密さを求める時代。それはコンピュータと交わす秘密の会話を探し求め、「生きている」ロボットを疑似体験するようになる。子供とロボットとの出会いは「世話をする関係」を築き倫理的な問題(生きる・過食・自信喪失・怒り・虐待)も創出することになる。高齢者にとっても「癒しを求めるケア」ロボットから介護までペット的なものから実際の介護補助まで人は期待するようになる。特に「会話」による結びつきは「愛情」表現を持つように世話することで「自分への世話・介護」補助する役割に変わる。
  • 「ネットワーク時代」
  •             「いつも繋がっている人生」自由な空間、自在に思うままに操作できる空間から「距離・時間」をも操作することで外出がなくなり、現実の人間との交流もテキスト・画面交流が盛んになる。それは人間同士の付き合いが面倒で思い道理にならないことを嫌うからだ。ネットでは「処理・削除」が思いのままにできる点もあるが、生涯プライバシーが表面上に残り、それを削除することは不可能となる。また、 「ネット」からひと時も離れることができない状態になることは精神的な苦痛を感じながらも拒絶できない。「友達」との交流では電話よりむしろテキストベースを好み複数のプロファイル作りに必死になる。「声」のコミュニケーションを嫌がるのは「電話を切ること・やめること」(摩擦を好まない)は感情的に抑えきれなくなると言う。やがて「人間に期待しない社会」へとつながりコンピュータとの親密なつながりで心地よさを感じるようになる。オンラインの世界「ないよりはマシなものが、いつの間にかより良いもの、さらに何より良いものに変わる。「繋がっているのに孤独」への世界に入り込んでいる。何を失ったら寂しく感じるのか。それを考えれば、何を守るべきなのかが大切なものがわかってくるはず。
  • 「生きていること」「一緒にいること」「感情気配り、常に支えになる愛情は人間でなくてはならない」「本当の静寂と孤独を望んでいるのかもしれない」(人間の会話を取り戻すこと)