ジュゴン掲示板

ジュゴン保護キャンペーンセンター(SDCC)は日本では沖縄にのみ生息しているジュゴンを守るために活動をしています。

【ジュゴン連続学習会 第2回】「ジュゴンの行動と保護~フィリピンと沖縄の調査から~」報告

2013年10月12日 | 行動予定

10月5日(日)、大阪天満橋のドーンセンターで、ジュゴン連続講座の第2回を開催しました。


今回は、海の生き物を守る会とジュゴン保護キャンペーンセンターの共催企画です。
まず、それぞれの会の活動内容について報告しました。


講師は、海の生きものを守る会代表の向井宏さん
今回、沖縄、タイ、フィリピンでの調査結果から、沖縄ジュゴン保護を考えました。


まずは、ジュゴンの生活史から。繁殖期についてはまだよくわかっていないようです。
天敵には、サメなどがいるが、今最大の天敵はヒトだそうです。



これは、八重山も含めたジュゴン捕獲統計(1893年~)。
1917年ごろには、ジュゴンは捕獲統計上、姿を消しています。
沖縄のジュゴンは絶滅したと思われていました・・・。
しかし、辺野古基地建設案が浮上した時にジュゴンは、その姿を現すのです。


左側は、ジュゴンのはみ跡が頻繁に見つかる嘉陽の航空写真。
この嘉陽の浜で、やぐらを建ててジュゴンの調査をされました。
3か月以内に撤去しなければいけません。
許可を得るのに数カ月、300万円を投じて建てられたやぐらですが、
40日間、24時間体制で観測されましたが、とうとうジュゴンは
見えませんでした。

沖縄のジュゴンは、夜に海草を食べにくるので、はみ跡は見つかりますが、
昼間はえさ場に来ないのです。フィリピンなどでは、昼間もえさ場にくるので、
沖縄では、人間の影響が大きいようです。


タイのTrang沖での調査について。
タイでも、ジュゴンは減っていますが、まだ群れが見られます。


ジュゴンは、何をどのくらい食べるか?を調べるために、
100m×100mの枠を設定し、毎日干潮時にすべての食べ跡を調べると食べた量と種がわかります。
ここでは、ジュゴンはウミヒルモだけを食べているようです。
2週間の調査から、ジュゴンの年間摂餌量を推定することができました。


今度は、フィリピン、ミンダナオ島ダバオ湾での調査の様子。
ここでも、やぐらを建てましたが、沖縄とはえらい違いで、交渉に30分、5千円で建ったそうです。
30日間の調査で、ここでもウミヒルモのみを食べること、小潮のときによく
摂餌していることなどがわかりました。


タイとフィリピンの調査から、ウミヒルモの藻場面積に対して、
何頭のジュゴンが棲めるかの計算をしたところ、
藻場に対して、ジュゴンの個体数が多すぎるという結果になりました。


鳥羽水族館のような飼育下では、ジュゴンは一日に体重の1割のアマモを食べますが、
野生のジュゴンは、もっと粗食に耐えているようです。


タイとフィリピンの調査から、ジュゴンにとって、ウミヒルモの藻場が
大切であることが分かりましたが、沖縄はウミヒルモの純群落が少ないのです。
また、ジュゴンはきれいな砂地の藻場でしか採餌しない(砂地にサンゴ礫が
混じった藻場では採食できない)ことから、きれいな砂地の辺野古の藻場の
重要性は、更に明らかだと言えます。


絶滅に瀕している沖縄ジュゴン。
夜間にしか採食できず、摂食量が少なすぎる状態にあるようです。
そんな中、沖縄ジュゴンにとっての、もっとも大きな脅威は埋め立てです。

あまりに数が減ってしまった沖縄ジュゴン。個体群の回復には、フィリピンのジュゴンとの
交流が考えられますが、フィリピンのジュゴンが沖縄に定着したり、
子どもが育つためにも、ジュゴンが生育する環境を残しておかなければいけません。


辺野古・大浦湾は、様々な環境要素が組み合わさった、生物多様性の宝庫です。
この素晴らしい環境を壊さず、しっかり守っていきましょう。


沖縄・タイ・フィリピンでの調査データに基づいた解説をお聞きし、
辺野古の海草藻場の重要性を再認識し、沖縄ジュゴンが永遠に生き続ける海を
守っていきたいと、心新たにしました。


今回の学習会には、三重県の津から元南山大学教授の目崎さんが来られたほか、
東京から「この会に参加するために来ました!」という女性、京都のスワロウカフェの方たちの参加もあり、
新しいつながりが出来ました。
向井さんのお知り合いも来てくださって、終了後の喫茶店での交流会も盛り上がりました。
向井さん、いろんな質問に答えてくださってありがとうございました。


ZAN

10/8に立命館大学へ、出張授業に行って来ました!

2013年10月10日 | 活動報告
立命館大学の池尾さんの「戦争の歴史と現在」という講義に
特別講義として依頼があり『出張授業』をしてきました!



こんなにたくさん!300名以上の学生さんにお話ししました。
1995年生まれの学生達、もちろん戦争は知らないし(親の世代も)
少女暴行事件があり、普天間基地閉鎖が日米合意された年に生まれた世代です。



まず最初に池尾講師から、講義内容について説明、そして私たち特別講師の紹介



最初に「ジュゴンと沖縄、そしてSDCCについて」のお話
沖縄ジュゴンが直面する最大の危機は、辺野古への新基地建設問題です!
『基地ではなくジュゴン保護区を』と取り組むSDCCの活動紹介をしました。



続いて「沖縄ジュゴンと基地問題」のお話
沖縄戦から基地の成り立ち、そして現在の状況
今も続く基地負担、オスプレイ配備や、辺野古への埋立申請などについて説明しました。
「県民総意の反対の中、オスプレイが強行配備されること、どう思いますか?
 日本はほんとうに民主国家なのでしょうか?人権を大事にしている国なのでしょうか?」
どうぞ考えてくださいと問いかけました。 



最後に「在日米軍ヘリ事故から見えるもの」のお話
戦後68年間日本に米軍基地があり続けているとはどういうことなのか。
沖縄では米軍ヘリが墜落事故を起こしても、日本は手を出せない
(治外法権、まるで植民地さながら)
日米地位協定とはいったいどんな内容なのかを説明しました。

とても盛りだくさんの内容でしたが(まだまだ伝えたいことはいっぱい)
今、集団的自衛権、9条改憲、軍事力強化などが進められようとしているなか
これからの若い世代の人たちに自分の将来のことだと
しっかり考えてほしいと思いながら話しました。

講義のあと、質問があったり、署名や知事宛ハガキも書いてくれたり
と関心を持ってくれた学生もいたので、よかった、よかった~。

追記
学生食堂にお昼を食べにいく途中に、「ジュゴンの方ですか~」と声をかけるてくれた女子学生が
なんと4月の出張授業を聞いていて、覚えていてくれました!
印象に残っていたってことですよね~嬉しい
それにしても、学食は発芽玄米ご飯とトン汁と御惣菜2品で315円安かった!







【ジュゴン連続学習会 第2回】「ジュゴンの行動と保護~フィリピンと沖縄の調査から~」

2013年10月02日 | イベント案内

(写真 向井宏さん)

辺野古の海は
ジュゴンの大切な生息域
生物多様性の宝庫
たくさんの命が育まれる母なる海
そこに暮らす人びとにとっても宝の海

この3月にそんな辺野古の海に新基地を造るため
埋め立て申請がだされました。
沖縄県知事の判断がせまる重要な局面で
私たち一人一人に何ができるでしょう

ジュゴンからのメッセージ
一緒に考えませんか
今週の土曜日です。
どうぞ下記学習会へご参加ください



(転送・転載歓迎!)
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
       【ジュゴン連続学習会 第2回】
    ジュゴンを守るために ジュゴンを知ろう

「ジュゴンの行動と保護~フィリピンと沖縄の調査から~」
  ー海の生き物を守る会代表 向井宏さんのお話ー
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

チラシはこちら ⇒ http://www.sdcc.jp/plan/dugong131005.pdf

日時: 2013年10月5日(土) 14時~16時(13時半開場)
場所: ドーンセンター・セミナー室
   講師: 向井宏さん 海の生き物を守る会代表
参加費: 大人1000円 高校生以下500円
問合せ先: ジュゴン保護キャンペーンセンター・関西事務所
       TEL/FAX 06-6353-0514 メール info@sdcc.jp
共催:海の生き物を守る会&ジュゴン保護キャンペーンセンター(SDCC)


ジュゴン保護は世界の流れ

絶滅危機の沖縄ジュゴン
環境破壊、生息域の減少
米軍基地建設計画
今、私たちにできることは・・・

★講師プロフィール  向井宏さん
海の生き物を守る会代表。京都大学特任教授、北海道大学名誉教授。
浅海のアマモ場の生物群集の研究から、ジュゴンの研究を始める。
沖縄、タイ、フィリピンで野生のジュゴンを追いかけてきた。
ジュゴン保護のためにするべきことは何かを人々に問いかけている。

海の生き物を守る会は2007年に設立
沿岸の生態系と生物群集の保全・持続的利用のために
これら生態系の調査、研究、啓蒙、資料収集、観察会、調査会
エコツアー、講演およびシンポジウムの開催などの行動を行い
生き物を守る活動に科学的な基礎を提供し、研究者と市民が
一緒に活動できる体制を作ることを目的としています。
雑誌、ガイドブックの出版、メルマガやニュースレターを発行

海の生き物を守る会作成のチラシはこちら

SDCCはIUCN世界自然保護会議で採択された
沖縄ジュゴン保護の勧告を実現するために設立。
新基地建設予定地の辺野古・大浦湾は生物多様性の宝庫
ジュゴンの大切な生息域です。『基地ではなく ジュゴン保護区を』
と取り組んでいます。 

お申し込みは不要です。
みなさまのご参加をお待ちしています。

9/29 オスプレイは来るな!日米共同演習反対!あいば野集会に参加しました

2013年10月01日 | 活動報告


オスプレイは来るな!日米合同軍事演習反対!9・29あいば野集会に参加してきました。
沖縄から山城ヒロジさんが」参加しアピールしました。「ここの自治体の首長は『沖縄の負担軽減のためにオスプレイ訓練を受け入れる』との発言をしたとのこと。そんなことを言うぐらいなら、普天間基地の撤去、オスプレイ配備撤回のため必死になって行動しろ!と言いたい。昨日もオスプレイはなんらかの不調で一機が着陸できず1時間宜野湾上空を旋回して、非常体制の普天間基地にようやく着陸した。必要なのはオスプレイ訓練の全国への拡散ではなく、即時配備撤回です」と熱く訴えられました。



集会には800名の市民や労働組合の人たちが集まりました。



SDCCはハート形の紅型模様のNO オスプレイプラカードで参加しました。



「おちる おちる オスプレイ」のバナー。今日明日、沖縄県民の頭上に落ちても不思議ではありません。オスプレイは即自撤去しかありません。



集会後は自衛隊の駐屯地に向けてデモ行進に出発。



官舎の屋上から自衛隊員がデモ隊を監視しています。



駐屯地のある近江今津はとても静かな町でした。
基地と軍隊は常に住民の生活を壊します。
オスプレイの普天間基地からの即時撤去、低空飛行訓練の全国への拡散の中止をいっそう求めていきたいです。

☆じゅごん