つむじ風

世の中のこと、あれこれ。
見たこと、聞いたこと、思ったこと。

浅草のおんな

2011年02月06日 14時29分50秒 | Review

 最近、本を読む機会がめっきり減ってきた。小説などはここ十数年読んだことが無かったが、ひょんなことから本好きな方から薦められて久々に読むことになった。それがこの「浅草のおんな」である。



 そんな訳だから伊集院 静の他の本も読んだことはないので、比較のしようもないのだが、一言で言えば「面白かった」。言ってしまえば、よそ者の主人公が長い時間を掛けて「浅草の人間」になるまでの話しということになるのだが、どこが「面白かった」のかと言えば、やはり「粋」だろう。

 主人公の志万の私生活は別にして、浅草の風情や三社祭への思い入れ、人々の考え方、暮らしぶりが面白い。時代背景としては別に古くはないのだが、何となく江戸時代から続く時代小説の雰囲気がある。「粋」の総仕上げに主人公に女御輿を担がせて終わることで、心地よい祭の余韻のようなものが残るのを感じるのは私だけだろうか。

コメント
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