佐藤直曉の「リーダーの人間行動学」 blog

リーダー育成のための人間行動と人間心理の解説、組織行動に関するトピック

リーダー育成120――厄介な組織形態

2009-10-23 09:39:37 | リーダー育成
日本郵政の問題があれこれ取りざたされています。私は門外漢なので何がいいのか悪いのかさっぱりわかりませんが、ちょっと疑問に思っていることがあります。それは、ユーザーインターフェースの問題です。

具体的な郵政の問題を私は知りませんので、基本的な観点から考えてみたいと思います。

人口の多い東京のようなところでは、四分社化して、それぞれ独自に事業を展開してもまったく問題ないでしょう。専門化されて効率はよくなるでしょう。

しかし、地方の特に人口が少ないところは、これは無理です。ものすごく効率が悪くなる。それを株式会社の理論でやれば、撤退するしかありません。

四分社化+株式会社化=地方撤退というのは必然です。

そこで、地方の撤退がいやだ、困るという人たち(直接利害関係のある人はもちろん、顧客のなかにもそういう人はいるでしょう)は、
-四分社化を捨てる
-株式会社化を捨てる

というような意見を出しているのではないでしょうか。

株式会社化を捨てるというのは、特に金融事業にとってはあまりよくないと私は思っています。金融商品がダブルスタンダードで提供されるのは問題が多いと思っているからです。

郵便事業の公社化はありえることだと思います。諸外国ではそういう例がありますから。

細かいことをこれ以上言うと、知識のなさが暴露されてしまいますので、これくらいにしておきます。

ただ、基本的なことでいえば、郵政にかぎらず、人口の少ないところのお店がやっていくには、できるだけ多くの商品を扱うことだと思います。地域のお客さんのニーズを全部解決するくらい間口が広くないとやってはいけないでしょう。また、それがお客さんにとっても有り難いことなのではないでしょうか。

しかし、これを4分社化という形態で行うことは、組織的には非常に難しいことなのです。

かりにそういうことをある地方拠点でやろうとすると、4つの事業が拠点のなかにただ同居しているだけになって、縦割りの弊害がおき、シナジー効果はまったくなし、という危険があります。

それで結論ですが、地方の拠点は代理店契約をして、4事業全部を請け負うような形態にすることを考えたらよいのではないかと、私は思います。

つまり、代理店が主導権をもって、自分が生き抜けるような形を自分で模索する裁量をもてるようにするということです。

自動車でいえば、メーカーと販社のような関係でしょうか。ただし、この場合の販社はメーカー独占ではなく、4社の商品を扱うということです。また、都市部ではメーカーの直轄独占的販社もありうる、ということです。

もちろん、代理店の形態が株式会社がいいのか、公社のようなものがいいのかは、検討の余地がありますが。

このあたりは、専門家がずいぶん研究しているとは思いますが、ユーザーの立場からすればこの方がいいのではないかと考えます。


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2 コメント

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Unknown (はんなり社長)
2009-10-23 17:41:07
>地方の拠点は代理店契約をして
私も全く同じ意見です!
その地域地域にあったサービスなども出てくるでしょうし、
ある程度、代理店同士の競争も生まれますからね。
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Unknown (佐藤直曉)
2009-10-23 19:31:47
はんなり社長様、
コメントありがとうございます。
このあたりのことは、郵政民営化の時点で、
当然議論しておくべきことだったはずです。
竹中さんはそのとき、何やってたんだろう。
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