佐藤直曉の「リーダーの人間行動学」 blog

リーダー育成のための人間行動と人間心理の解説、組織行動に関するトピック

原発再稼働で「失われた10年」の再現は御免だ

2011-09-14 08:52:27 | リーダーの人間行動学

先日も書いたように、鉢呂前大臣の辞任には腑に落ちないところがあります。ただ、辞任は仕方ないだろうなと思います。

本日のダイヤモンドオンラインの記事「メディアに刺された鉢呂前経産相。後任の枝野氏は適任か?|山崎元のマルチスコープ|ダイヤモンド・オンライン」については、1か所を除いてほとんど賛成です。

(TPPについて私は反対です。いま急いで結論を出す必要はないとみます。)

山崎氏の記事のポイントをピックアップしてみました。

・「結論として、辞任は仕方がない」と思ったが、同時に釈然としない思いが確実に残った。

・「死の町」については、その土地に愛着を持っている人たちに対して言葉が強すぎることと、その土地が人間の住める場所として回復できないのではないかというニュアンスを伴う点に於いて適切でなかった面がある。しかし、今回の原発災害の被害の重大性について実感を交えて表現したものとして、意を尽くして説明すれば、決して許容できないというほどのものではないだろう。

・「放射能つけるぞ」という言動は、原発事故の被災地域住民に対する差別につながりかねない言動で、決して公共の場で許されるものではない。

・しかし、『朝日新聞』(9月13日)の後日報道によると、当日(8日、午後11時くらい)は、議員宿舎前で鉢呂氏を数人の記者が囲んで5分程度の取材があったとされる。

・その時点で、記者から抗議は何もなかったし、9日朝の段階でこの件の報道はなかったという。「死の町」発言が問題になり、9日の夕方にあるメディアで「放射能つけてやる」が報じられ、その後、大きく取り上げられることになった。

・その場で抗議も注意もせずに、時間が経ってから大問題だったと記事にするという行為は、通常の人間関係なら「卑怯」と言われかねない。

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・(このケースからして)要職にある政治家は、今後、囲み取材やオフレコの懇談会に応じる必要はないと筆者は考える。政治家の発言は「全て公式発言」でいい。

・情報源も分からず、従って発言の真偽を判断する手掛かりもないような「政局記事」を読んでも、読者は得るものがないから、囲み・オフレコ廃止によって読者の側で失うものは殆ど何もない。その代わり記者会見は、記者クラブのメディア以外にも解放して、頻繁且つ丁寧に行うべきだ。

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・後任の経産大臣は、枝野幸男前官房長官に決まった。しかし、残念ながら、この人事が良いとは思えない。枝野氏は、震災および原発事故処理の不手際を問われて総辞職した前政権の官房長官であったからだ。

・枝野氏には勇ましい改革者のポーズを取りながら、肝心のところで長いものに巻かれることで、改革すべき対象の温存に加担する「二面性」があるのではないか。

・将来のエネルギーについて、原発を「ゼロにしても大丈夫な状況にしないといけない」と答え、「できるだけスピード感を持って新エネルギー開発を進める」と述べている。しかし、新エネルギーが十分開発されるまで原発を稼働させるということであれば、枝野大臣の在任中は現状を維持すると言葉を変えて言っているに等しい。

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以上が要旨ですが、私も同意見です。

参考までに私が先日書いた記事はこちら。

大手マスコミがこの国をほろぼす


今後は枝野氏の原子力政策に対する態度に関心が移るわけです。

私は、この人は原発を再稼働していくと思います。少なくとも稼働する方向にもっていきたいと思っているのでしょう。

安易に再稼働すると、結局は3.11前と同じになってしまう。金融危機のあとの「失われた10年」と同じ道をたどることになると考えます。

私は「やせ我慢」して再稼動は行わずに我慢するべきだと思っています。その方が、新しいエネルギー政策を早く実現できると考えるからです。

それについては、こちらの記事に書いています。

苦しまぎれの知恵とやせ我慢の勇気が日本を変える





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