昨日は
東京ディズニーランドに行ってきました。
東京ディズニーランドの開園は’83年の4月。
その少し前、当時つきあっていた彼氏は演劇やテレビの舞台設営のバイトをやっていて、そこの事務所から行っていた仕事がありました。なんでも舞台関係ではなく「工事現場に行く土方のようなバイト」だと。集団でバスに乗り、葛西からまだ先の千葉に行って、なんだかロボットがたくさんいる現場なんだと。
そして言ったのが「S、S、千葉にさ、ディズニーランドができるんだぞ」。
「はあ? ディズニーランドぉ? 千葉に?」と、わたし。
「うっそお~~、なんかの勘違いじゃないの?」とまるで本気にしていないわたし。
当時はディズニーランドといえば、アメリカツァーで行くものというのが「常識」でした。
彼が「作っていた」のはit' a small world。「気味が悪い」と言っていました。「かたかたかたかたと無数のロボットが音をたてて動く、気味が悪い、化け物屋敷のようだ」と。
さて開園。
有り体にいえば、「パパのぉ~、お仕事の関係でぇ~、もらったのぉ~」という「タダ券」でした。この「バイトで関わった彼氏」を誘って行ったという展開で、彼は初めて「ロボットがカタカタ動く完成品」をそこで見たわけです。
豊島園だのよみうりランドだのというところを「遊園地」と認識していたわたしたちは「夢とおとぎの世界」というコンセプトを全然理解していませんでした。絶叫マシンが「売り物」の遊園地ばかり見ていたわたしたちにとって、「ふにゃふにゃとした乗り物しかないこの新しい遊園地」がよくわかっていませんでした。
当時はこれが当たり前だったのですが、チケットは「BIG10」。入園料とチケットがセットになったもので、現在のような「パスポート制」ではなく、ひとつひとつのアトラクションにチケットの枚数というものがありました。これで「余ったチケット」を利用するために入った「魅惑のチキルーム」。
「カタカタカタカタと動く無数のロボットがいる部屋に閉じこめられた恐怖感」はすごかったです。
コンセプトに関して「ああ、こういうものなのか」とわかり始めたきっかけはジャングル・クルーズの「船長の語り」とカヌーの「参加型アトラクション」、そしてホーンテッドマンションで「当時の最新技術で演出される世界の凄さ」でした。
この一回で、すっかり行った気になり、そこで終わっていました。
オープン当時に「行った」人たちの感想もわたしと似たようなものだったようで、「夢とおとぎの世界」と言うよりは「出銭ーランド」という言い方がよく使われたように記憶しています。飲食物の持ちこみは禁止で今のように「ファーストフード」は無く、レストランが基本でとにかく高い。チケット制でもあったし「入った途端にやたらに銭が出ていく」ということで。
このときの彼氏とのつき合いも終わり、わたしの環境や人間関係も変化していったのですが、周囲から「ディズニーランドに行こう」というお誘いが増えるようになりました。
「行ったことのある」わたしのレクチャーは、入ったらまず、現在はすでになくなっているmeet the worldに案内すること。ここは大勢でがさっと入れるために待ち時間が無い。無数のロボットと映像によって語られる「日本の歴史を知る」というアトラクションの内容の質の高さと、それを支えるために無数のロボットと映像で「見せる」技術の凄さが満喫できる。そしてそうした技術が支えるテーマパークという主旨が簡単にわかるアトラクションだったからです。そしてそこのすぐ前にあるハンバーガーレストランがパーク内で一番「妥当な価格で食事が取れる所」だったという理由もありました。
そうやって、いろいろな人と行くうちに、わたしは段々と「夢とおとぎの世界」というコンセプトを理解していくようになりました。
アトラクションだけではなく、レビューやショー、パレードを楽しむ。
この要素が加わったのは、友人の「彼氏」がきっかけでした。友人の「彼氏」はアメリカ人。TDLのダンサーとして契約し来日していました。これが’88年から’89年くらいだったかな。
この頃は、チケットとして「BIG10」はまだ存在していたものの「¥4,000のパスポートチケット」が主流になり始め、よく使っていました。でもこの頃は平日はまだガラガラで、平日の午後に行けばパレードは楽に満喫できるし、当時主流で土日には1~2時間待ちのスペースマウンテンの「連続乗り」に待ち時間ゼロ状態でした。まるで公園の滑り台のごとく、よく乗ったなあと思います。スペースマウンテンが好きかどうかということよりも、チケット制が残る状態で「これが一番高かった」ので、「定額制によるお得感」を満喫したかったという、実に小市民的理由でした。
20年以上の歴史を持つようになったTDL。現在の感想は、「リピーターが作っていった世界」というものです。提示された「夢とおとぎの世界」というコンセプトは、それを楽しむ人たちによって、どんどん拍車をかけられていったような気がします。販売されている「ミッキーの耳カチューシャ関連」に代表されるような「そこでしか生きないアイテム」群の大量の販売数。ディズニーキャラを様々な形で身につけて歩く人たちによる「TDL内の世界の演出効果」。
残念に思うのは、混雑により誘発されていると思う「サービスの質の低下」です。開園当時のサービスの質は、今とは比較にならないくらい「高かった」と思います。これはもう仕方がないんでしょう、混雑はもう、比較にならないくらい「レベルが違う」のが現実だと思うので。
それにディズニーシーができて混雑が緩和されてから、少し改善されたと思います。なんせ、ゴミ箱付近がきれいになった。数年前は汚らしかったですから。
開園後数年くらいはちょっとしたゴミが道にひとつでも発生しようものなら瞬く間にどこからともなくホウキとちりとりをもった「笑顔の青年」が現れ、リズミカルな動作で「ゴミを消す」。そのこと自体もまるでひとつの「小さなショー」のようでした。
障害者に対する支援も、サービスの質の低下のひとつであるように思います。以前あった障害者支援策で消えたものもありますし、昨日見た光景も、残念なものだった。
ゲストアシスタンスカードという「障害をもつという理由で受けられる支援を依頼できるカード」の提示をして、「待ち時間を行列に並ばずに待つ」という支援を利用した車椅子の子どもがスタッフに促されてアリスのティーパーティーに乗ろうとしていたのですが、入場の案内をしてそこで「やりっ放し」。その車椅子の子どもを押しのけて入場する人たちの波でなかなか入場できずにいました。
そばにいたわたしが人の波を止めて入場を誘導したのですが、スタッフはこれに全く気づかず。
また、人気のバズライトイヤーでは誘導のタイミングの不備で娘の行動ペースにとって「危険な走り乗り」をさせられ、娘のためにゲストアシスタンスカードを使えばよかったかなと、やや後悔させられました。しかし昨日のタイミングの不備は幼児連れでも充分危険ですが、混雑にあおられるスタッフにその自覚は無かったようです。
なんだかんだ言いつつも、わたし自身もリピーターであり続けている一番の理由は、まあ、「遠くないので行きやすいから」ということだと思います。
今年は昨日で2回目。
1回目は学校の平日休みの日に「神奈川県民感謝デー」という地域限定割引チケットが出るのでそれを利用という、まあこれも小市民的理由。
2回目の昨日は\5,500という正規の価格のチケットではなく、\4,950の団体割引です。地域の子ども会の「夏のバス旅行」で、子ども会の財源からの補助もあり、交通費込みで¥3,000という金額です。
ショーやレビューが大好きな娘はTDLがとても好きですが、キャラものは欲しがらない。
幼児期は「密室でカタカタ動くロボット」や、着ぐるみをとても怖がった息子、「あんな混んだとこ行きたくない」と言う時期は長かったのですが、今は「ミッキーの耳のついた帽子」とランド内で使用するポップコーンのバケツを愛用です。
ショー好きの二人なので、パレードを最前列で見るための「一時間待ち」が平気です。
息子はもう恥ずかしがってパレードの「ダンス参加」はしませんが、娘は昨日も楽しそうにキャストと共に踊っていました。