S嬢のPC日記

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車椅子マークの駐車スペース

2006年03月26日 | 「障害」に関わること
 パラリンピック関連検索中に発見したもの。新聞社のニュース記事なので、リンク切れを予測して要約で紹介。
車椅子マーク:駐車場に健常者 苦情急増[MSN毎日インタラクティブ] より要約
・車につける「車椅子マーク」、本来必要の無い人が「障害者用駐車スペース」利用のための不正使用が増えている「疑惑」。
・日本で「車椅子マーク」の商標権を持つのは「障害者リハビリテーション協会」。
・車につける「車椅子マーク」は、複数の業者が製造し、昨年は約1万7000枚作られた。1枚数百円で、カー用品店などで売られていて、障害者手帳の提示等の購入資格の制限は無い。「必要であれば誰でも買える」。
・外見では有無が分かりにくい障害もあり、「見た目だけで不正と決めつけるのは危険」(リハビリテーション協会)。
・土曜の午後、スーパーで直撃。「足が痛い」「家族に外見で分からない障害がある」他、「(車椅子マークは)おしゃれで付けてます。ごめんなさーい」、「足の悪いおばあさんがいる。今は乗せてないけど」。

 不正使用うんぬんを言う時に、障害者用駐車スペースに関しては、その必要性の理解に対しての「説明」が必要なのではないか、と思う。

1.障害者用駐車スペースは、どうしてあんなに両側に広くスペースを空けてあるのか
2.障害者用駐車スペースの利用者とは
3.「駐車禁止除外指定車」で解決できないこと
4.「空いている」ときに、対象者以外の人間が使っていいのか
 
 以上のことに関しては、このサイトがわかりやすく説明してくれていると思うので、是非ご一読を、と思う。
駐車大問題 / 車椅子で彷徨えば

 以下、私見。

 「1.」に関して。
 車椅子使用者が運転者の場合は、車の横に車椅子一台分のスペースが必要だからであることが、一般的にどこまで理解されているのかいささか疑問。車椅子使用者が運転者の場合は、運転席のドアの横に車椅子分のスペースがなければ「その位置でドアを開けられない」し、「車に乗ることも車から降りることもできない」。そうしたスペースがとってない通常の駐車スペースは、隣に車が駐車してしまえば「車に乗ることも車から降りることもできない駐車スペース」になるわけであり、駐車スペースとして機能しない。

 「2.」に関して。
 これには、「優先順位」というものがあると思う。
1.障害者用駐車スペースが無くては駐車できない人。
2.単独でその場にいることが困難な障害者が同乗している車。
(単独で数分程度「いられる」障害者の場合は、安全な場所で障害者を車から降ろしてそこで待たせて車を駐車場に停めに行くことができるが、そうでない場合は「両脇スペースがなくてはならない人」という位置づけになる。)
3.「障害者用駐車スペース」利用により、ハンディキャップを軽減するパーセンテージが高い人。
 つまり「優遇」より「必要不可欠」が優先されるべきだと思う。

 「3.」に関して。
 車椅子使用者が運転者の場合は、障害者用駐車スペースで見られるように、運転席の横側に車椅子が横付けできるスペースが必要だということ。車から乗降するときにこれだけのスペースが必要だということは、車道で路駐した場合にも例外ではない。車道での路駐は、気をつけていないと「後ろから来る車に轢かれる」危険があるということ。駐車違反のキップを切られない、なんてことだけで解決できることではないと思う。

 「4.」に関して。
 ひとつの駐車場に一台かせいぜい二台程度しかない駐車スペースがふさがっていれば、それだけで「満車」ということ。
通常の駐車スペースを「利用できる」人は、利用しないで「本来利用する人のために空けておく」のは当然のことだとわたしは思う。
本当に必要な人、そこ以外に駐車できない人が来たときに、そのスペースが「空いている」ということは、「社会がウェルカム状態でいる」ということになり、「該当者以外の車両に占領されている状態」ということは、「社会が拒絶している状態」という意味づけになりかねないと思うのがその理由。

 駐車スペースとはちょっと話が飛ぶのですが。
建築設計を仕事とする夫が図面を引いて建てたのが、現在の自邸。バリアフリー住宅として設計され、車椅子使用での居住が可能になる計算で作られています。
家族には現在、車椅子使用者はいないのですが、この図面を見たときに思ったこと。
わたしを含め、家族に今後、どんな事故・事態が起きても、自宅が居住可能な状態であるということは、精神的な衝撃を軽減させるだろうということ。
「社会がウェルカム状態である」ということは、そういうことなんじゃないかな、と思う。

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8 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (にゃおん)
2006-03-26 13:01:44
車椅子スペースに置いてあるカラコン・・・あれは誰がどけるの?長女が足の粉砕骨折で一時期車椅子だったときは私が先に降りてどかしてから停めていた。ご自身が車椅子利用者だったら?チェーンまでつけて一般人を停めさせまいという姿勢は偉い。でも誰がどけるのよ!あれは見る度に腹もたつし哀しい。バリアフリーなんてなんなのよ・・・腹の中で文句言いながらベビーカーを押す。あんな物でさえ大変な思いで押すのよ!
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Unknown (にゃおん)
2006-03-26 13:03:03
ま・間違えた・・・同じの二回も・・・ごめんなさい☆
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Unknown (S嬢)
2006-03-26 13:15:49
重複コメント、消しました、お気になさらず、たまにあること。



カラーコーンはアレが必要になる事態に追い込んだ人が存在したということと、そのことに対して新たに出てくる「困難」に想像力が欠ける、ってことでしょう。



このことに関しては、本文リンクの「駐車場大問題」に出てきます。



>車で柵を押し倒して入ってしまいます。

>もっとも、車を買い換えて以降、車にまだあまり傷がないのでそういう荒技はしたくない。



是非、リンクに飛んでご確認を。

http://stray.littlestar.jp/car/park.htm



車椅子当事者の運転車に同乗したり、車椅子利用者を同乗させたりする機会があれば見えることは多いんだけど、そういう人が「マイノリティ」だからこそ、見えにくいことってあるんだと思う。



免許を取るための学科教習や、免許更新のときに見るビデオなんかに、障害者の運転生活の様子、なんてのが出てくれば変わるかも、とも思うところアリです。



ちなみにわたしは、車椅子利用者の障害者仕様の「外車のオープンカー」を見たことアリです。

黒の磨き上げられたスポーツカー。

改造してあるハンドル部分がものすごくかっこよかったので、お願いして写真を撮らせてもらいました。

今、彼に連絡の手段を持ってないので許可が取れなくてアップができないんだけど、いつか連絡取って是非アップなんぞやってみたい。

その頃には、また別の車に乗ってるかもね、この人。



ああ、確か、この人、ボートの免許も持ってたような…。
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Unknown (にゃおん)
2006-03-26 13:47:43
逞しい方がいらっしゃるんだ!取り敢えずちょっと安心。見える障害も見えない障害の人も我慢しないで排出しちゃえばいいのに。(笑)

白杖の方を押しのけてエレベーターに乗ったクソジジー、あんたみたいな人がご自身が障害をお持ちになったら、行政も廻りも変えられるくらいの文句を言い続けそうだと、私は思う。

文中不適切な部分がありました。失礼しました。
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Unknown (S嬢)
2006-03-26 17:32:34
うちの子どもたちの小学校、つまり学区の小学校では、パラリンピックのメダリストの成田真由美さんと、学区内の頸椎損傷者を数年に二度、子どもたちを相手に「講演」の機会をもっているんですよね。

こういうことって、地道に大きいと思う。

実際の人間として相手を知らなきゃ、想像力を持つことを育てにくいかもしれない、ってね。



保育園で娘と育った子どもたちは、今、もうすぐ中三。

彼らにとって、どんな記憶で娘は残っているんだろうと思う。

転居でこの子たちとは別れてしまったけれど、今の居住地で出会った子どもたちは、成長していく中で、娘のことがどんな位置づけになっていくんだろう。

これはちょっと興味がありますね。



そういうこと、ひとつひとつが、違う立場に立つ人に対しての想像力の芽になっていくんじゃないかと思う。
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Unknown (kagetugu)
2006-05-05 07:08:49
国際シンボルマークを販売しているところでもっと厳しい審査が欲しいですね。

障害者手帳を持参とか・・・

日本は何でも気付いたとき遅いですね・・・

先を見る目はないのでしょうか?

六月から駐車禁止規制が始まりますが、色々穴もありそうです。
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kagetuguさま (S嬢)
2006-05-06 00:11:10
例えば老齢の、外出時に車椅子使用の身内を時々車に乗せる人。

そんな人に対して、スムーズに使えるような状態というのを妨げたくはないと思うんですよね。

ただ、そこで、本当に必要かどうかって人が入ってくるという現実があって。

そのことの解決ってのは、難しいことなんだと思う。



先日、スーパーの駐車場に入れるとき。

ここ、工事で駐車場が一部使用不可になっていて、それもあって駐車場がとても混んでいたのですが。

待っているときに、車椅子マークの駐車スペースに停めていた車に、人が乗り込むのが見えた。

いわゆる、そこは必要とはしていない人だったのですが。



その車が待っている車2台先くらいで、発進して出ていった。

さあて、誘導している人はどうするのか。

前の2台はどうするのか、なんて思いながら見ていました。



そこのスーパー、駐車台数が50台程度のところで車椅子スペースは1台。

目の前で「ごく普通の車」が停めていたわけですから、誰が入ってもおかしくはない風景で。



結果。

誘導の人はそこが空いたのに気づきながら、気づいていない「フリ」をしました。

そして前の2台は、そこに停めず、誘導を待ちました。

要するに、「混雑の状況から見て停めるのは止められないが、そこに向かって誘導はしない」ってことなのかもしれないと思いました。



まあ、「混んでるんだからさ」「来るかもしれない人を待ち続けてもさ」という賛否両論はあるんでしょうけどね。

そしてそんな賛否両論に対してのトラブルを、やんわりと避ける誘導の対応なのかもしれないと思いました。
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車イスマークの誤用? (bluemoon)
2016-03-11 18:49:06
私自身は2年前に左半身の片麻痺になり身体障害者手帳を取得して、これまでに考えたこともなかったいろんなことに気づくようになりました。障害と一生付き合っていくのは不安で仕方ないですが、少しでも前向きになれるようにとマイカーを改造して右手右足だけで運転できるようにしました。いわゆる四つ葉マークのドライバーで、しばらくは近隣のショッピングセンターに行く程度ですが、例にもれず駐車場問題が浮上してきました。
降りてからの移動は車椅子なので入り口近くや車イススペースがある駐車場が必須です。
いろんな書き込みを見た中に障害者は優遇されて健常者の権利が疎外されているという意見がありましたが、それを優遇としか考えられない狭い心の持ち主が可哀想です。優遇じゃなくてささやかな配慮です。むしろ自分中心にしか物事を考えられない行動を許されることの方が優遇でしょう。
おそらくそこを利用する多くの健常者は普通の駐車スペースに停める運転技能が無いから空いている広い障害者スペースにしか止められないんだと思います。中には用意周到に車椅子マークを貼り付けて堂々と停める無知な健常者を見ると軽蔑します。
そもそも一般車両に車イスマークを貼るのはナンセンスで自らを偽善者と証明してるようなものです。皆が皆、悪用とは決めつけられなくても何の効力もないマークを貼る車は信用できない。正々堂々と停めたいなら、パーキングパーミット制度で利用証を交付してもらえばいい。ただし、真の障害者にしか交付されない。

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