「ピーターパン症候群」=根拠の乏しい夢物語のような数字で国民の歓心を買おうという稚拙な言動なら、まさに「ピーターパン症候群」であろう。
「選挙から遠い時期に特定秘密保護法や安保法を強硬に成立させ、支持率が下がると新たな経済政策を持ち出して目先を変える。こんな国民をばかにした話はない。」
「GDPのために武器(防衛装備品)や原発を世界に売りまくり、生産性向上だといっては残業代ゼロや正社員を減らして非正規労働を増やす。国民の共感や信頼を得ずして着実な経済成長など望むべくもないのである。」
そうです、私安倍は国民をばかにしているのです。私こそが最高責任者なのです。私の言うことに民は、従えばよいのです。――――
<東京新聞社説>GDP600兆円 ピーターパン症候群か。
第三次安倍改造内閣が掲げた「新たな三本の矢」は、実現可能性に疑問がわくものばかりだ。中でも「GDP(名目)六百兆円」は目標というよりも夢物語に近い。それで何を目指そうというのか。
財界首脳ですら「あり得ない数字だ」と指摘したほどである。非現実的な数字でも打ち上げれば何とかなるとでも思っているのだろうか。まるで六月に金融界で話題となった「ピーターパン発言」を想起させるのである。
黒田東彦日銀総裁が国際会議で「ピーターパン物語に『飛べるかどうか疑った瞬間に飛べなくなってしまう』という言葉がある」と発言し、物価も上がると信じることが大事だと解釈された件だ。六百兆円も信じろということか。
身体は大人なのに子どもじみた言動をする人を「ピーターパン症候群」と呼ぶ学説が一時期流行したが、根拠の乏しい夢物語のような数字で国民の歓心を買おうという稚拙な言動なら、まさに「ピーターパン症候群」であろう。
首相は唐突に「アベノミクスは第二ステージに入った」とも宣言した。しかし、ちょっと待ってほしい。次の段階に進むというなら第一ステージは所期の目標を達成したのか。八月の消費者物価指数はとうとうマイナスに落ち込んだ。設備投資の先行指標である機械受注は三カ月連続で前月割れだ。
さまざまな指標が経済の停滞を示している。第一ステージの総括もなしに、いきなり次のステージだというのは、アベノミクスの失敗から目をそらさせるつもりか。もっと言えば、選挙から遠い時期に特定秘密保護法や安保法を強硬に成立させ、支持率が下がると新たな経済政策を持ち出して目先を変える。こんな国民をばかにした話はない。
なぜ物価上昇目標は達成できないのか。なぜ二〇一四年度のマイナス成長に続き、本年度四~六月期、さらに七~九月期もマイナス成長が濃厚なのか。アベノミクスの破綻は確定的なのに、それを認めずに新たな三本の矢といわれて誰が信じられるだろうか。
望外の名目成長率3%が続いていけば二〇年度に六百兆円に近い数字にはなる。しかし、現実はゼロかマイナス成長だ。
GDPのために武器(防衛装備品)や原発を世界に売りまくり、生産性向上だといっては残業代ゼロや正社員を減らして非正規労働を増やす。国民の共感や信頼を得ずして着実な経済成長など望むべくもないのである。
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