“さるかに合戦”  臼蔵 と 蜂助・栗坊 の呟き

震災や原発の情報が少なくなりつつあることを感じながら被災地東北から自分達が思っていることを発信していきます。

川内村:酪農家、自力で牧草地除染

2012年10月03日 15時00分00秒 | 臼蔵の呟き

そもそも除染は東京電力と政府の責任で行うべきものです。その除染が、個人的な努力で行われていることが異常なことです。除染は早ければ、早いほど有効ですし、被ばく量も低く抑えることが出来ます。しかし、福島県内、県外の高線量地域での除染がほとんど進んでいません。その最大の理由は、除染物、除染残土の保管場所が決まらないことにあります。除染をしても除染された残土、除染物を持って行く先(保管場所)がありません。
この問題こそ、政府の責任で解決すべき課題です。その問題点が福島第一原発事故後、1年7ヶ月経ってもめどすらたたないのが現状です。政権は、口では「福島の復旧、復興無くして日本の将来はない」と大言壮語を行っていますが、問題可決のめどはまったくたっていません。この間、民主党政権、経済産業省、環境省は何を行ってきたのでしょうか。
民主党政権は、消費税率引き下に血道を上げ、震災復旧、復興は復興庁任せに終始しています。結局は各自治体が財源確保、法令の調整などを行いながら、細々と復旧、復興事業に取り組むことになっています。本当にこの国は、国民の生命、財産を守るつもりがあるのでしょうか。震災被害、原子力事故の災害は災害の中でも規模、ひどさでも最高に難易度のある災害です。その災害対策がまともに起案、実施、調整できないような国に、まともな政治経済運営が出来るはずがありません。結局は、国民、被災者は「政治は信用できない」との不信感だけが残ることになっています。
自治体、個々の県民がこれだけの努力を行っていることに頭が下がります。除染を進めることは地域に住み続ける環境を作ることになります。除染の知識、費用などを政府、自治体、東京電力は全力をあげて支援すべきです。何もしないからこそ、このような個々人の努力、取り組みに応えるために資金面、知識で支えるべきです。

<川内村:酪農家、自力で牧草地除染>
 
東京電力福島第1原発事故で避難指示を受けた30キロ圏で唯一、避難せずに乳牛約60頭の世話を続けている福島県川内村の井出久人さん(60)一家3人が、牧草地約30ヘクタールの除染を自力で進めている。深さ約30センチで土壌を入れ替える作業。
 「乳牛ちゅうのは、1、2日乳さ搾らねえだけで乳房炎(にゅうぼうえん)になって、そのうち死ぬ」と、事故後も家族で現地に残った。昨年6月、井出さんの牛乳から放射性物質は検出されず、出荷を再開。品質も評価され、震災前より高い値がつくようになった。
 村は今年1月「帰村宣言」し、4月には警戒区域も解除された。汗だくで石を拾い集める井出さんは「他人に任せてしまうと自分の力が弱る。今やれることをやれば、来年に希望を持てる」と力強く語った。
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