そもそも除染は東京電力と政府の責任で行うべきものです。その除染が、個人的な努力で行われていることが異常なことです。除染は早ければ、早いほど有効ですし、被ばく量も低く抑えることが出来ます。しかし、福島県内、県外の高線量地域での除染がほとんど進んでいません。その最大の理由は、除染物、除染残土の保管場所が決まらないことにあります。除染をしても除染された残土、除染物を持って行く先(保管場所)がありません。
この問題こそ、政府の責任で解決すべき課題です。その問題点が福島第一原発事故後、1年7ヶ月経ってもめどすらたたないのが現状です。政権は、口では「福島の復旧、復興無くして日本の将来はない」と大言壮語を行っていますが、問題可決のめどはまったくたっていません。この間、民主党政権、経済産業省、環境省は何を行ってきたのでしょうか。
民主党政権は、消費税率引き下に血道を上げ、震災復旧、復興は復興庁任せに終始しています。結局は各自治体が財源確保、法令の調整などを行いながら、細々と復旧、復興事業に取り組むことになっています。本当にこの国は、国民の生命、財産を守るつもりがあるのでしょうか。震災被害、原子力事故の災害は災害の中でも規模、ひどさでも最高に難易度のある災害です。その災害対策がまともに起案、実施、調整できないような国に、まともな政治経済運営が出来るはずがありません。結局は、国民、被災者は「政治は信用できない」との不信感だけが残ることになっています。
自治体、個々の県民がこれだけの努力を行っていることに頭が下がります。除染を進めることは地域に住み続ける環境を作ることになります。除染の知識、費用などを政府、自治体、東京電力は全力をあげて支援すべきです。何もしないからこそ、このような個々人の努力、取り組みに応えるために資金面、知識で支えるべきです。
<川内村:酪農家、自力で牧草地除染>
東京電力福島第1原発事故で避難指示を受けた30キロ圏で唯一、避難せずに乳牛約60頭の世話を続けている福島県川内村の井出久人さん(60)一家3人が、牧草地約30ヘクタールの除染を自力で進めている。深さ約30センチで土壌を入れ替える作業。
「乳牛ちゅうのは、1、2日乳さ搾らねえだけで乳房炎(にゅうぼうえん)になって、そのうち死ぬ」と、事故後も家族で現地に残った。昨年6月、井出さんの牛乳から放射性物質は検出されず、出荷を再開。品質も評価され、震災前より高い値がつくようになった。
村は今年1月「帰村宣言」し、4月には警戒区域も解除された。汗だくで石を拾い集める井出さんは「他人に任せてしまうと自分の力が弱る。今やれることをやれば、来年に希望を持てる」と力強く語った。
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