“さるかに合戦”  臼蔵 と 蜂助・栗坊 の呟き

震災や原発の情報が少なくなりつつあることを感じながら被災地東北から自分達が思っていることを発信していきます。

米中首脳会談 

2015年09月27日 12時00分11秒 | 臼蔵の呟き

政治経済の対立点、紛争を話し合いで解決する。そのことがあらゆる国家関係の基本となりつつあります。紛争を軍事力で解決しようとすれば、さらに紛争を拡大し、長期化させる。それがこの間の歴史的事実であり、その教訓を学び生かさなければなりません。

同時に、アメリカ、中国、ロシアなど核保有国が、政治体制、政治経済思想の違いがあっても、その違いを認めたうえで、外交、話し合いで問題解決を図る。このことはこれらの国家にとってだけでなく世界の国々にとっても重要な政治経済課題です。また、大国と中国、アメリカなどを表現しますが、政治的、経済的に重要度の高い国であっても、政治的軍事的な横暴さを許され、他国から容認されることはないでしょう。その意味では大国などとの表現自体も妥当性がありません。

政治経済の基本思想は、それぞれの国家、国民多数が政治選択を議論し、決定すべき問題です。そのことを他国の政治指導者があれこれ言っても内政干渉にしかなりません。また、政治的弾圧はいかなる政治思想をとろうとも容認されないことは当然のことです。アメリカのように、イラク政権の武力転覆、ベトナム戦争時の傀儡政権樹立などは最も野蛮で、暴力的、非民主的な蛮行でした。アメリカオバマ政権がそのようなアメリカの軍事行動を謝罪し、反省したうえで主張ない限り、正統性を持ちません。

 <東京新聞社説>米中首脳会談 覇権ではなく協調を

 大きな成果はなかったといえる。しかし、不可欠な会談だった。太平洋を挟んだ米国と中国。両大国首脳の対話は、世界の安定にも欠かせない。

 中国の習近平国家主席は国賓として初の米中首脳会談を、「対等な新型大国関係」を米国との間で築く舞台と期待していた。残念ながら、世界をリードする役割と責任を十分発揮できる大国としての印象を、国際社会に与えることはできなかったといえる。

 理由の大きな一つは、米国が「論争がある地域での岩礁埋め立て、軍事化を憂慮している」と強調した南シナ海の問題について、懸念を拭い去ることができなかったからである。

◆国際社会の中国不信

 習主席は「領土主権と合法で正当な海洋権益を維持する権利を持っている」と自国の核心的利益にこだわる姿勢を崩さなかった。だが、中国の一方的な姿勢が沿海諸国に脅威を与えているという見方が、国際社会の共通認識であろう。

 昨年八月のモンゴル国会での演説で、習主席は「二つの百周年の目標達成のためには良好な周辺環境が欠かせない」と述べた。

 「二つの百周年」とは、二〇二一年の共産党創設百周年での「小康社会(いくらかゆとりのある社会)の全面的建設」と、四九年の建国百周年での「中華民族の偉大な復興の夢の実現」である。

 経済大国となったことで自信を深め中華民族のナショナリズムをたぎらせる国内世論を意識して、米国と「対等の大国」を口にするだけでなく、言葉通りに周辺環境の安定を実行してほしい。

 八月には三日連続で人民元を切り下げた後、ドルを売って元を買う市場介入を行い、世界同時株安を招いた。上海株式市場への露骨な政治介入も国際社会の不信感を増した。

 中国は今回の訪米を、「信頼構築と懸念払拭(ふっしょく)の旅」と位置づけていた。

 その目標実現には、国際社会が「世界第二の経済大国」にふさわしいふるまいのできる国と信頼できるような政治、経済両面での実際の行動が不可欠であろう。

◆歩み寄れるところから

 会談では成果もあった。中国発の米企業などへのサイバー攻撃問題では、両政府が意図的に企業秘密を盗まないことや、閣僚級の対話を開き、調査、情報共有していくことで合意した。

 気候変動問題では、中国が二酸化炭素の新たな排出権取引を実施するとともに、発展途上国に対し二百億元(約三千七百九十億円)の金融支援を表明した。

 歩み寄れるところから合意にこぎ着けたことは評価したい。

 一方で、オバマ大統領が「人権と基本的自由への米国の支持は揺るがない」と述べたのに対し、習主席は「中国は社会的な公正と正義を実現させる過程にある」と主張した。

 人権は米国のみならず、日本を含めた先進七カ国(G7)が、最も重視する価値観の一つだ。公正や平等と並ぶ世界共通のものだ。中国との溝はなお深く、埋めるのは容易ではない。

 大統領は記者会見で「現実に立場の違いがあるのは認識している」と認めた。

 差異を認め合うのは、近づくための一歩と考えたい。

 一方で、大統領は「対中輸出は米国の約百万人の雇用を支えている」とも述べた。

 習主席は、IT企業トップらと会談。中国側による米ボーイング社の航空機購入契約は、総額数兆円規模ともいう。中国の市場としての魅力は大きく、経済相互依存は深まる一方だ。

 相互依存の深まりは、広い意味での安全保障の深化となることを忘れてはなるまい。

 衝突を避け、共存の道を進むしかない。

 軍用機の偶発的な衝突を回避するための行動規範を定めたことは、もちろん評価したい。

◆太平洋は分けられぬ

 歩み寄りの歩幅は小さいかもしれないが、対話を重ねることに意味がある。オバマ大統領の任期も残すところ一年余りだが、中国が国際社会の信頼を得られるよう働き掛けを続け、アジアの安定でも、キューバとの復交、イラン核合意に並ぶレガシー(遺産)を残してほしい。

 中国は日本にとっても、大切な隣国だ。

 沖縄県・尖閣諸島などをめぐる対立はあるが、過度の脅威論に走ることなく、過去に培ったあらゆるチャンネルで対話を重ねたい。

 太平洋はむろん、米中両大国だけのものではない。取り囲むすべての国の平和と繁栄の海にせねばならない。覇権をいうのは、もう古いのである。


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