“さるかに合戦”  臼蔵 と 蜂助・栗坊 の呟き

震災や原発の情報が少なくなりつつあることを感じながら被災地東北から自分達が思っていることを発信していきます。

足並みそろわぬ原子力安全基準 危険千万

2014年11月26日 05時10分51秒 | 臼蔵の呟き

ロシア、日本の原発事故から教訓を引き出し、自らの国のエネルギー政策を立案する。その上で、地球環境と地域、国民の安全安心をどう確保するかを検討する必要があります。すべての政治課題を経済対策、利益確保の視点からのみ、議論、検討することからくる大きな間違いを防止する必要があります。ロシア、日本における原子力発電所事故は、自らの国の原子力発電所との関係で、他国の問題としてではなく、事故調査内容の検討などを通じて政治、科学技術面から再検討して欲しいものです。

原子力事故が、地域的に限定されず、何百年と言う単位で、地球、海洋を放射能で汚染、癌等の発病、リスクの増加などを考慮すれば地元の景気対策、雇用対策、貿易収支の問題なのだという主張は不正義なのだと考えます。

ドイツがメルケル首相のもとで脱原発、再生可能エネルギーへの転換をすばやく決めて、その政策レベルを上げていることからも学ぶ必要があります。韓国が国民的レベルでの議論と情報開示、福島の視察、事故調査報告の開示などを徹底して欲しいものです。

 <韓国中央日報コラム> 足並みそろわぬ原子力安全基準 危険千万

原子力発電所(原発)の競争力と安全性の確保は、いくら強調しても行き過ぎることはない。安全性なしで競争力ばかり強調すれば、原発の脅威に直面しかねないからだ。韓国は23基の原発を稼動している。全体発電量の30%を占める。

政府は昨年のアラブ首長国連邦連合(UAE)に続き、原発を輸出主力産業に育成するという計画を持っている。このためにも原発の競争力と安全性に特に関心を傾けてくれるようお願いする。一部の世論は、原発中心のエネルギー政策に憂慮を表明している。この点にも耳を傾けるべきだ。ロシアのチェルノブイリ事故や日本の福島事故を見ながら出てきた話だからだ。政府や原子力専門家たちは国内の原発の安全性に問題ないと強調している。しかし一部の国民は、原子力開発を肯定しながら一方では憂慮と不安を抱いている。ゆえに政府や原子力専門家たちは国内原発の安全性の現状を透明に公開しなければならない。国民が一寸の疑惑も持たないようにしなければならない。公正で客観的な安全性を確保しながら、原発の競争力を確保するように願う。

安全性において機関ごとに違う事故・故障基準が適用されており、この調整が求められている。事故・故障に対して電力取引所は原発の不時停止と見る一方、韓国原子力安全技術院は不時停止だけでなく主要機器の故障まで事故・故障基準に含めている。また原発の試験運営中に起きた故障も韓国原子力安全技術院の基準では事故・故障に集計されるが、電力取引所基準では除外されるなど2機関がそれぞれ違う基準を適用している。この点についても両機関が緊密な協力と相互牽制を通じて透明かつ公正に安全性を確保していくことを望む。今後、放射能や人命被害など事故予防に最善を尽くすことを望む。安全性に及ぼす一寸の誤差の発生については、隠さずにあらわにすべきだ。

原子力産業の世界1位は米国だ。米国は2014年現在に保有する原発104基中の70%にあたる73基が20年の追加運転の延長許可を受けた。稼働原発のうち稼働年数30年以上は65基だ。そのうち40年以上稼動している発電所は15基だ。世界的に2014年9月現在で30年以上稼動する164基のうち144基が今も稼働中だ。米国原子力産業の競争力と安全性の確保をベンチマーキングして、韓国の原発競争力と安全性確保に万全を期することを望む。それだけでなく日本が福島原発事故でさ迷っている時にスピード感を持って先に安全性を高め、国際競争力を確保することをお願いしたい。

フィンランドはロシアの天然ガス供給網からエネルギー独立のために原発を採択した。原発2基を追加で建設することにした。アラブ首長国連邦は産油国にもかかわらず原発を導入した。天然資源が豊富なベトナムも原子力を導入することにした。韓国は土地が狭く人口密度の高いエネルギー資源貧困国だ。原子力は必須の代替エネルギーだ。無条件の脱原子力主張よりも、福島原発事故を教訓に発電設備を徹底的に再点検し、安全性を確保して原発競争力を高めていくよう願う。

キム・ヒョギョム 大元(デウォン)大学元総長


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