オバマ大統領が第45代大統領に就任しました。イラク戦争を収束させ、経済的低迷を改善しつつあることを演説で誇っています。当然、資本主義の代表、牙城としてのアメリカ大統領として、政治経済的に大きな変化、進路変更などは限界があります。前共和党ブッシュ政権の新自由主義、市場原理至上主義、テロとの闘いと称する戦争、規制緩和による民営化などでアメリカ社会は弱肉強食社会に大きく変質しました。ウオール街での抗議行動に象徴される1%富裕層と99%貧困問題は、ブッシュ政権8年で一層の悪化をもたらし、その是正を求めるアメリカ国民の抗議行動でもありました。そのために、09年から13年までの一期目はブッシュ政権の負の遺産を改善、修復する作業に費やされたのだと思います
アメリカで憲政史上、黒人大統領の当選、再選はそれぞれ、初めてのことであり、そのこと自身もすごいことでした。人種による社会的差別が公然と行われるアメリカ社会で、政治指導者にオバマ氏を選出することは、そのこと自身を評価できることと思います。
2大政党政治の限界、軍事力に依存する外交、アフガニスタン戦争への増員、金融資本の横暴を正すことが出来ない、TPP交渉、格差是正策が進まないなどのアメリカ政治経済の問題は、依然として引きずっています。歴史から来る限界があり、一大統領だけで問題が改善するような問題でもないと思います。限界があることを前提とした上で、歴史の歯車を少しでも前進させることが必要なのではないかと思います。
<オバマ米大統領の21日の就任演説の要旨。>
【2期目の就任】大統領就任式に集うたびに、我々は合衆国憲法の不朽の力の証人となる。我々は我が国の民主主義の誓いを確認する。この国の結束を可能にしているのは、肌の色でも信仰でも名前の起源でもないことを思い起こす。
【米経済の再生】10年間にわたった戦争は終わりつつあり、経済の復興が始まった。米国の繁栄は中間層の行方にかかっている。一握りの人々だけが豊かさを享受し、多くの人がかろうじて生活しているような状況で、我が国の成功はありえない。
【財政再建と社会保障】医療費と財政赤字を減らすためには厳しい選択が必要だ。だが、米国(の繁栄)を築いてきた高齢者の世代をケアするか、未来を担う世代に投資するかという二者択一には反対する。自由は幸運な人々にだけ、幸福は少数の人々にだけ保証されるものではない。高齢層や低所得層向けの社会保障制度は「ただ乗り」を許すものではなく、人々が国を繁栄させるためのリスクを取れるようにするためのものだ。
【地球温暖化】我々は気候変動という脅威に対応していく。持続可能なエネルギー源を確保する道のりは長く、時には困難をもたらす。しかし、米国がこの流れに逆らうことはできない。先駆者となるべきだ。
【外交と安全保障】我々は軍事力と法の原則の下に米国民を守り、米国の価値観を守る。他の国々との違いを平和的に解決するよう試みる勇気を持ち、これからも世界中のあらゆる地域で強力な同盟の「錨(いかり)」であり続ける。
我々は世界中の民主主義を支援していく。妻や母や娘たちが努力に見合う生活を営めるようになるまで、同性愛の兄弟姉妹が法の下で平等に扱われるようになるまで、米国をチャンスのある国と信じる勤勉な移民たちを受け入れるより良い方策を見つけるまで、我々の旅は終わらない。子どもたちがいつでも安全を感じられるようになるまで、旅は終わらない。
生命や自由、幸福の追求といった言葉や権利、価値観をすべての国民のために実現することが、我々の世代の役目だ。絶対主義を理念と取り違えたり、政治を見せ物にしたり、中傷を合理的な議論であるかのように扱うべきではない。我々の仕事が不完全になるとわかっていても、行動しなければならない。
<米大統領「同盟の要であり続ける」 2期目就任演説>対話外交推進に意欲
昨年11月の米大統領選で再選を果たしたオバマ大統領は21日昼(日本時間22日未明)に臨んだ2期目の就任演説で「1つの国家、1つの国民として共に取り組まなければならない」と結束を呼び掛けた。中間層を重視する姿勢や財政再建などに注力する考えも強調。外交面では「米国は地球のあらゆる同盟関係の要であり続ける」とし、同盟国との連携による対話外交の推進に意欲を示した。
ワシントンにある連邦議会前の特設会場で21日昼前から始まった就任式には全米から約70万人が参加。演説の時間は20分弱だった。
経済に関してオバマ氏は「経済再生は始まった」と1期目の成果を強調すると同時に「良い暮らしをする一握りの少数派が減り続ける一方で、かろうじて生活するような多数派が増えている状態では我が国は成功できない」と指摘。中間層底上げへの取り組みを強める考えを強調した。
財政再建については「現役世代への施策か、次世代への投資か、という二者択一の考え方は拒絶しなければならない」と主張。高齢者や低所得層向け社会保障費の大幅削減を求めている共和党と距離を置く姿勢を打ち出した。
外交政策を巡っては「米国民が今日の世界の要求に単独で応えることができない」と指摘。「他国との相違を平和的に解決していく」としたうえで「米国は今後も地球のあらゆる同盟関係の要であり続ける」と語り、日本を含む同盟国との連携を強めることで、世界の安全保障を維持する考えを鮮明にした。
オバマ政権が2期目早々に直面する連邦債務の上限引き上げを巡る議会との交渉は難航が予想されている。演説では「決定は私たちにかかっている。不完全とは知りながらも行動をする必要がある」と述べ、超党派で確実に懸案に対処していく必要性を訴えた。
停滞感が強まる地球温暖化対策にも再び意欲を示し「この流れにあらがえない。我々は先駆けねばならない」とした。
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アメリカで憲政史上、黒人大統領の当選、再選はそれぞれ、初めてのことであり、そのこと自身もすごいことでした。人種による社会的差別が公然と行われるアメリカ社会で、政治指導者にオバマ氏を選出することは、そのこと自身を評価できることと思います。
2大政党政治の限界、軍事力に依存する外交、アフガニスタン戦争への増員、金融資本の横暴を正すことが出来ない、TPP交渉、格差是正策が進まないなどのアメリカ政治経済の問題は、依然として引きずっています。歴史から来る限界があり、一大統領だけで問題が改善するような問題でもないと思います。限界があることを前提とした上で、歴史の歯車を少しでも前進させることが必要なのではないかと思います。
<オバマ米大統領の21日の就任演説の要旨。>
【2期目の就任】大統領就任式に集うたびに、我々は合衆国憲法の不朽の力の証人となる。我々は我が国の民主主義の誓いを確認する。この国の結束を可能にしているのは、肌の色でも信仰でも名前の起源でもないことを思い起こす。
【米経済の再生】10年間にわたった戦争は終わりつつあり、経済の復興が始まった。米国の繁栄は中間層の行方にかかっている。一握りの人々だけが豊かさを享受し、多くの人がかろうじて生活しているような状況で、我が国の成功はありえない。
【財政再建と社会保障】医療費と財政赤字を減らすためには厳しい選択が必要だ。だが、米国(の繁栄)を築いてきた高齢者の世代をケアするか、未来を担う世代に投資するかという二者択一には反対する。自由は幸運な人々にだけ、幸福は少数の人々にだけ保証されるものではない。高齢層や低所得層向けの社会保障制度は「ただ乗り」を許すものではなく、人々が国を繁栄させるためのリスクを取れるようにするためのものだ。
【地球温暖化】我々は気候変動という脅威に対応していく。持続可能なエネルギー源を確保する道のりは長く、時には困難をもたらす。しかし、米国がこの流れに逆らうことはできない。先駆者となるべきだ。
【外交と安全保障】我々は軍事力と法の原則の下に米国民を守り、米国の価値観を守る。他の国々との違いを平和的に解決するよう試みる勇気を持ち、これからも世界中のあらゆる地域で強力な同盟の「錨(いかり)」であり続ける。
我々は世界中の民主主義を支援していく。妻や母や娘たちが努力に見合う生活を営めるようになるまで、同性愛の兄弟姉妹が法の下で平等に扱われるようになるまで、米国をチャンスのある国と信じる勤勉な移民たちを受け入れるより良い方策を見つけるまで、我々の旅は終わらない。子どもたちがいつでも安全を感じられるようになるまで、旅は終わらない。
生命や自由、幸福の追求といった言葉や権利、価値観をすべての国民のために実現することが、我々の世代の役目だ。絶対主義を理念と取り違えたり、政治を見せ物にしたり、中傷を合理的な議論であるかのように扱うべきではない。我々の仕事が不完全になるとわかっていても、行動しなければならない。
<米大統領「同盟の要であり続ける」 2期目就任演説>対話外交推進に意欲
昨年11月の米大統領選で再選を果たしたオバマ大統領は21日昼(日本時間22日未明)に臨んだ2期目の就任演説で「1つの国家、1つの国民として共に取り組まなければならない」と結束を呼び掛けた。中間層を重視する姿勢や財政再建などに注力する考えも強調。外交面では「米国は地球のあらゆる同盟関係の要であり続ける」とし、同盟国との連携による対話外交の推進に意欲を示した。
ワシントンにある連邦議会前の特設会場で21日昼前から始まった就任式には全米から約70万人が参加。演説の時間は20分弱だった。
経済に関してオバマ氏は「経済再生は始まった」と1期目の成果を強調すると同時に「良い暮らしをする一握りの少数派が減り続ける一方で、かろうじて生活するような多数派が増えている状態では我が国は成功できない」と指摘。中間層底上げへの取り組みを強める考えを強調した。
財政再建については「現役世代への施策か、次世代への投資か、という二者択一の考え方は拒絶しなければならない」と主張。高齢者や低所得層向け社会保障費の大幅削減を求めている共和党と距離を置く姿勢を打ち出した。
外交政策を巡っては「米国民が今日の世界の要求に単独で応えることができない」と指摘。「他国との相違を平和的に解決していく」としたうえで「米国は今後も地球のあらゆる同盟関係の要であり続ける」と語り、日本を含む同盟国との連携を強めることで、世界の安全保障を維持する考えを鮮明にした。
オバマ政権が2期目早々に直面する連邦債務の上限引き上げを巡る議会との交渉は難航が予想されている。演説では「決定は私たちにかかっている。不完全とは知りながらも行動をする必要がある」と述べ、超党派で確実に懸案に対処していく必要性を訴えた。
停滞感が強まる地球温暖化対策にも再び意欲を示し「この流れにあらがえない。我々は先駆けねばならない」とした。

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