なぜ貧困者、生活保護世帯が増加しているかを考えなければなりません。その根本的な原因を明らかにし、その対策を打ちながら、困窮者支援を行わない限り、いたちごっこであり、問題はいつまでも解決しません。
大手企業、多国籍企業は低賃金、非正規労働を政治に求め、そのような労働条件を政治と社会に強要し続けています。現在は残業代を支払わない。企業の社会保険料を支払わない。労働者の解雇の自由と金銭解決を要求して策動しています。その政治的代理人が自民党、公明党の連立政権です。
正規労働を100%とし、非正規労働を禁止させる。また、最低賃金を1000円以上とし、中小零細企業への経営支援を行うことが必要です。大手企業、大手金融機関、多国籍企業に租税回避を止めさせることと、応分の社会的な責任を負担させる政治こそが課題ですし、重要な解決策です。
<信濃毎日社説>困窮者支援 確かな安全網にしたい
生活困窮者自立支援制度が4月から始まった。失業者、多重債務を抱える人、引きこもりの人など、生活に困っている人たちが働いて自立できるよう、自治体が手助けするのが目的だ。
どう運用するかは自治体に任された面が大きい。生活保護の手前での新たな安全網として制度を生かし、深刻化する貧困の改善につなげられるか。自治体と地域の力量が問われる。
都道府県や市など、福祉事務所がある自治体が実施主体となる。困窮者の総合的な相談窓口の設置が義務づけられ、長野県内では県と19市が開設した。支援員が相談者と話し合い、生活の立て直しや就労に向けた計画をつくり、関係機関と連携して援助につなげる。
困窮者は社会から孤立していることが多い。窓口で待つのではなく、積極的に見つけ出していくことが必要になる。地域を知る民生委員や、困窮家庭の支援に取り組んできたNPOなどと幅広く協力していくことが欠かせない。
困窮者が抱える事情は一様ではない。背後で問題が複雑に絡んでいる場合も少なくない。一人一人に丁寧に向き合い、きめ細かく対応していくことが大切だ。それを担える支援員を養成し、十分な態勢を整えることが求められる。
すぐに働くのは難しい人の就労訓練や困窮家庭の子どもの学習支援は任意事業とされ、実施するかどうかは自治体に委ねられた。学習支援を実施するのは4割未満にとどまる。さらに広げたい。
就労訓練には、雇用契約を結ばない形もあり、最低賃金以下の安い労働力として使われる恐れが指摘されている。悪質な業者がつけ込む可能性もある。困窮者が社会とつながるための場を確保する一方で、制度の悪用を防ぐ手だてを講じなければならない。
解雇、病気、離婚、介護離職…。雇用が不安定化する中、ひとたび何かがあると困窮状態に陥り、抜け出せない人が増えている。生活保護の受給者は217万人に達した。それでも、本来受給できる人の2割ほどとされる。生活保護をめぐっては、自治体が申請を拒む「水際対策」が横行し、餓死や自殺も招いてきた。保護費を抑えたい行政が「自立支援」を水際対策の新たな口実にすることも懸念されている。
支援制度を、生活保護を不当に阻む壁にしてはならない。困窮者の助けとなる確かな安全網にできるかは自治体の姿勢にかかる。住民や議会がしっかりと目を注ぎ、取り組みを促していきたい。
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