“さるかに合戦”  臼蔵 と 蜂助・栗坊 の呟き

震災や原発の情報が少なくなりつつあることを感じながら被災地東北から自分達が思っていることを発信していきます。

安倍政権の施政方針と代表質問

2015年02月17日 08時01分50秒 | 臼蔵の呟き

自民党、民主党、維新の党の代償質問が終了し、その中で改革の断行という党首による主張が共通してされました。改革とは、現状の政治経済、司法のどこに問題があり、その問題を解決するために、何を改善すれば、どう良くなるのが論理的に展開されなければなりません。

安倍、自民党極右政権が目指す改革とは、戦後の政治体制を敵視し、その根底にある平和憲法を改悪し、大日本帝国憲法時代の政治経済体制に復帰させることを目指しています。そのことは、第一次安倍政権、この2年間の政権運営と法案提出を見れば明らかです。戦争する国づくりと言っても妥当かもしれません。戦争できるような憲法、軍隊づくり、その戦費の調達、戦争に行く青年づくり、思想的な教育、政党は態勢翼賛体制に流し込む。

では、民主党、維新の党は、改革、既得権益と戦うとしてどのような社会、政治経済、外交を日本社会で目指しているのでしょうか。具体的な提起をせずに改革、改革ということを見れば明らかなように、彼らの目指す社会は安倍、自民党政権の派閥程度の違いしかない社会目標を目指しているからこそ、抽象的なことあの遊びにしかならないような主張にしか聞こえないのではないか。

民主党政権がなぜ国民から批判され、見放されたかが、依然として民主党幹部は理解できない。分かっているのかもしれませんが、そのことを、認めてしまえば、民主党の存在自身を否定することになるので認めることができない。維新の党はウルトラ右翼の橋下市長の言動と行動が一時的に関西で支持された。その一時的なブームによって設立された政党です。しかし、彼らの政治的な本質がウルトラ右翼、非常識さを併せ持つ政治集団として知れ渡ることで、急速に支持率の低下が起きました。これらの政党に共通なことは目指す社会が安倍、自民党とは変わらないという点にあります。

日本社会が苦しむ格差の拡大、貧困化、自殺者の続発、生活保護世帯の慢性化、少子化などはすべて、自民党型政治がもたらした政治経済問題です。これらの問題をどう分析し政治的に解決するかが政治、野党に求められているのだと思います。そのことに答えることこそが国会の場で論戦、法案としてろんぎする必要があります。

<東京新聞社説>代表質問「改革」と叫ぶだけでは

 「改革」と叫ぶだけでは国民の暮らしはよくはなるまい。国会で議論を尽くして真に必要な改革を見極め、関係者を説得して断行する。数の力で押し切る傲慢(ごうまん)さではなく、その粘り強さこそ必要だ。

 改革を競い合うかのようだ。安倍晋三首相の施政方針演説に対する代表質問で、野党党首は口々に「改革」断行を主張した。代表質問の一番手は民主党の岡田克也代表。先月の代表選勝利で再び就任して以来、初の登壇である。

 岡田氏は「生活者」や「働く者」の立場など党の立ち位置や互いに支え合う「共生社会」を目指すと述べ、「民主党は既得権と戦う未来志向の改革政党でなければならない」と強調した。

 維新の党の江田憲司代表も大胆な規制改革を断行し、民間の能力を最大限に発揮させるなどの「新陳代謝」を「利権圧力団体に一切依存しない、全くしがらみのない立場から断行する」と述べた。

 二人の野党党首が「改革」を声高に叫んだのも、首相が先の演説で「改革」を三十六回も繰り返したことと無縁ではなかろう。

 改革自体は否定しない。既得権益を守ったり、民間の活力をそぐ規制を撤廃すべきは当然だ。問題は中身であり、妥当性である。

 首相は施政方針演説で、経済再生、復興、社会保障改革、教育再生、地方創生、女性活躍、外交・安全保障の立て直しを「戦後以来の大改革」と呼び、国民に「力強く踏みだそう」と訴えた。

 しかし、江田氏の指摘のように「戦後の改革」は戦争放棄、国民主権の確立、教育の民主化、農地解放、財閥解体など「国のかたちを根底から変える改革」を指す。

 首相が目指す改革はとても「戦後以来の大改革」とは呼べない。第一次内閣で強い批判を浴びて旗を降ろした「戦後レジームからの脱却」に向けた再挑戦の意図があるのなら見過ごせない。

 首相主導の経済政策は恩恵が広く行き渡らず、格差を拡大していると指摘され、集団的自衛権の行使容認など外交・安保の立て直しは憲法逸脱の危険性がある。

 そうした問題点は国会で徹底議論すべきだ。野党はどこが問題なのかを具体的に指摘し、対案を示すことが望ましい。

 与党側も実績づくりのために功を急ぎ、数の力で押し通すべきではない。首相に必要なことは、野党側の指摘を「この国会に求められていることは、単なる批判の応酬ではない」などと突っぱねず、批判と向き合う真摯(しんし)さである。


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