そらまめ日記・猫と暮らす会(猫とクラス会)

静岡県浜松市を拠点に、人と猫とが上手に暮らせることを願い
共生をテーマに自分なりの言葉で日々を綴っています

明暗を分けたクロちゃんのこと

2024-04-25 08:35:06 | 天に還った猫たち犬たち
いろんな相談を受けることが多く
そのすべてが満足のいく対応ができるはずもありません。
どこからも資金提供をされたりしているわけではありません。
活動していくための運営費用は寄付でまかなっています。
預かって飼育する場所はスタッフさんの自宅など、
つまり助けられる頭数にも限りがあるのです。

そんな中、いつもギリギリの選択をしています。

ひとかたまりの小さな子猫たちなら、3匹が4匹とか1匹増えても
問題なく段ボールに入れてのお世話ができます。

ただ、TNRの現場で見つけた若い猫達は、その大きさや性格など
トータルして考えていかないといけなくて、すべて家猫修行させるために
保護してあげることができません。

捕獲前に、そして捕獲してからも様子を見つつ判断しています。

昨年10月の末に、とある場所の猫たちの不妊手術の相談を受けました。
まだようやく離乳食かなと言う仔猫も6匹保護しました。
その約4・5か月前産まれの兄弟姉妹が3匹、
ママ猫、パパ猫を手術のために捕獲しました。

当時、生後5か月くらいの兄弟姉妹猫3匹・・・。
この子たちの手術後のことで、悩みました。


相談をされた現場で初めて見かけたクロちゃん

1匹だけ、クロちゃんと呼ばれていた女の子が
慣れるのに時間がかかるだろうと判断し、
術後リリースをすることにしました。



日々寒さも増していく季節です。
苦しい決断でしたが、ママ猫といっしょにお天気のいい日に
元の場所に戻しました。


術後、警戒し続けていたクロちゃん

餌をあげている人たちに、真冬は簡易的な段ボールや発泡スチロール
フリースなどをお願いしました。

春の足音が聞こえる3月10日。
別の用件でこの地域を訪ねたスタッフさんが、
クロちゃんもママも元気でいることを確認してきてくれました。
真冬を乗り切ったことに安堵しました。

ところが4月20日、これまた別件でこの現場から相談を受けたのですが
そのときに、10日ほど前にクロちゃんが車にひかれて亡くなったことを
聞いたのです。

クロちゃんの兄弟姉妹は、それぞれ別の里親さんの元で
次の幸せなステージを歩み出しています。
家猫になることができているのです。

ママ猫は、クロちゃんが亡くなって数日探していたみたいだったとか。
でもふらっとどこかに行ってしまったとのことです。


数年間、何回も出産を繰り返していたママ猫

正しさがいったい何なのかを考えてもどうしようもなく
すべて今さら、そしてある程度わかっていることだったのです。
でも、どうしようもないやりきれなさや申し訳なさを
丁寧に小さく折りたたんで、心の引き出しに重ねていくしかありません。

助ける限界は、その団体によってずいぶん差があると思います。
全部助けることができる脚力を持っているところも全国には
たくさんあると思います。

こんなことがあるたびに、もしもあのとき・・・を
自問自答してしまいます。
十分考えて出した結論だったはずなのに、時の迷路で迷子です。
力もキャパも人員も足りなくて、ごめんとしか言えないでいます。

クロちゃんの魂が安らかであることを祈りつつ
まず、産ませないことをもっともっと伝えていこうと思います。


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 虎二朗くん☆またね、そしてあ... | トップ | やってしまった »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

天に還った猫たち犬たち」カテゴリの最新記事