ポニョ:ババの子供の頃の話はとても興味深いよな。特にババが学校からいなくなって仲の良かった友達が相次いで気が狂ったりして自殺するやろ。そして、彼らがまた、サイババさんのペット犬として生まれ変わるなんてすごい話やぜよ。
ヨシオ:ババのオーラが持つ至福の力やろな。
ポニョ:おいらは、一度、ババが半年もお隠れになられた洞窟に行きたいぜよ。
ヨシオ:俺も一度行こうかな。面白そうや。というわけで今日は、少し趣向を変えてヴィジャヤクマーリさんが聞いたババの子供の頃のお話をしますね。
夜の十時だった。私たちは皆、砂丘の上に座っていた。スワミは私たちに、彼の少年時代について語り始められた。
「私が若い少年だった頃、スッパマという高潔な婦人がいて、私の面倒を見てくれました。彼女は偉大な帰依者でした。彼女は私を溺愛していました。所属していた政党が違っていた為、ヴェンカッパ(私の父)とスッパマの夫の間には誤解が生じていました。二つの家の間に窓がありました。彼女はその窓の下に私を呼んで、彼女が用意した食べ物をこっそりと手渡してくれました。スッパマには子供がいなかったので、彼女の夫はカラマンマと二度目の結婚しました。カラマンマは私を家の中へ入れることを決して許しませんでした。スッパマは、彼女の夫を通して、私が学校へ持って行く軽食を私に手渡しました。私が学校へ行く時に、スッパマが望んだように、夫がそっと私のスクールバッグに軽食を滑り込ませたのです。誰もが私を模範的で行儀が良く、頭の良い子だと褒めました。どの教師も教室に入る時は、私に挨拶し、私の頭を撫でたものです。
先生が問われたどんな質問にも、私がテキパキと答えることが出来たので、多くの生徒が私に嫉妬していました。
私には四人の、とても素晴らしい友達がいました。放課後、私たちは木の下に集まり、シルディババへの礼拝を捧げたものでした。私の友達が望むものは何でも、私のカバンから取り出して与えました。試験の時には、彼ら四人に、答案用紙にどんな質問が出るのかを教えてあげました。またある時には、彼らのうちの一人が試験に来れなかったので、私は彼の筆跡を使って彼の為に答えを書いた事があります。のちに、高校で学ぶ為、私はウラヴァコンダに行かなければなりませんでした。
学校を去るまでの間、私は骨の折れるたくさんの雑用に、精を出さねばなりませんでした。私はたいそう遠くまで水を汲みに行かねばなりませんでした。私の肩は水の入った天秤棒を運んだ為、皮膚がただれていました。私が頑張って働いても、私の兄嫁はこれといった理由も無しに、私を無慈悲に叩きました。」
これを聞いて私たちは皆涙を流しました。ババは続けてこう言いいました。
「ある日、彼女があまりにひどく私を叩くので、私の頬は腫れ上がってしまいました。次の日、彼女の息子は突然重い病気になって亡くなりました。彼らは食事の時間になっても、決して私に何も与えませんでした。
級友の一人が警部補の息子でした。彼は私の事がとても好きでした。彼は私と食べ物を分け合うこと無しには、決して何も食べませんでした。それほど彼は私を愛していました。ある日先生が、ボーイスカウト全員の為の遠足が予定されていると言い、その為に、全ての少年たちは、スカウトの制服を着て参加しなければなりませんでした。私は1パイサも持っていませんでした。みんなが私に言いました。
『サティア、君も遠足に一緒に行こう』
警部補の息子が私のところに来てこう言いました。
『サティア!僕が何もかも用立ててあげよう。心配する事は無いよ。君は身体ひとつで来ればいいから。』
彼は私の制服も作るよう父親を説得しました。彼は必要とされる全てのものを用意しました。私は普通以上に一生懸命働き、8アンナを稼ぎました。どうやって稼いだのでしょうか?私の叔父はマントラを唱えて人々の病気を癒していました。彼は御守り、銅の魔除け、真鍮の飾り板を結んでいました。私は彼の為に銅の板を集めました。私が彼に銅板を一枚得る毎に、私は3パイサをもらいました。これが私が8アンナを稼いだ方法です。
その8アンナは今では800ルピーに相当します。計画された通りに私たちは皆、制服を着て学校に行きました。ドリルの授業が終わり、昼食の為の休みのベルが鳴りました。私はそこから逃げ去りました。もし私がそこに留まっていれば、警部補の息子は私が遠足に行かないことに対して、同意しないでしょう。しかしその少年は、昼食も食べずに私を待ちつずけていました。私を見ると彼は、彼の元から私が去って行くことに反対しました。私たちは一緒に座って昼食を食べました。』その少年は何と幸運なのだろう。と私たちは思いました。
「その日の夕方6時ごろ、私はポンセンとチャナを買い、お腹が満腹感を感じるまでたくさんの水を飲みました。家に何も持って帰らないと私の兄嫁の家の人たちは私を叱るだろうと思い、私は2アンナ分のバナナを買い、それをお土産として持って帰りました。当時はそれは大金だったのです。数日後、グラハムアッパイ(ババの父)が私に会いに来ました。その時には、私はすっかり痩せ細ってしまっていました。」
これを聞いて私たちは皆泣いてしまいました。
「私の顔立ちの様子から、父はその一家のしている有様のことを推測することが出来ました。彼は近所の人たちのところに行って尋ねました。彼らは皆、父に言いました。『もしあなたが息子を愛しているなら、息子を家に連れて帰りなさい』と。彼はどのように私がその家で扱われているか、直接私から聞き出そうとしました。私は父の質問をうまくはぐらかせました。夜の12時に家の者たちが熟睡している時に、彼は私を起こし家の外に連れ出して、目に涙を浮かべてこう言いました。『なぜお前はそんなに痩せてしまったんだ?ここでの学校での勉強はもう充分だ。お前は明日、私と一緒に帰るのだ』と言って次の日、父は私を連れて帰ろうとしました。
私が13歳の時に『サイババ』になり、家を去ったと知って、私の友人の一人が発狂してしまいました。彼は『ババ、ババ』と叫びながらどこかへ行ってしまいました。別の友人は井戸に身を投げて死んでしまいました。ある友人は苦行僧になりました。
次の日6ヶ月間は、全ての人の目を避けて、私は願望成就の木として知られるようになる木の下にある地下の洞窟に身を隠しました。その洞窟は今もまだあります。しかしそのほとんどは、岩と小石で閉ざされています。その洞窟の中には、今だに、タマンダラム(苦行者たちが飲み水を運ぶための取っ手が付いている水さし)やダンダム(苦行者が持つ杖)文机、インク瓶、バガヴァッドギータの本と、何通かの手紙が見つかるでしょう。そこに行った帰依者で、真の信仰を持つ者はそれらを見た後、帰って来ました。」
これらの事を言われた時、スワミは意味ありげな視線を私に投げかけられていました。
「疑いの心を持つ人々は、洞窟の入り口さえ見つけられず、失望して帰って来るでしょう。」
ババは立ち上がると、時計をご覧になって大きな声で言われた。
「おや!もう12時になったのか。行く用意をしなければ。」と言ってババは走り去って行かれた。
神御自身によって語られたスワミの半生を聞くことが出来た事は、本当に素晴らしい事で、幸運でした。
言い忘れていましたが、スワミが私たちにこれらの事を、1949年に話されたのです。
私の弟ムルティーは冒険好きで、スワミがおっしゃていた洞窟のような秘密の場所に行くのが大好きなのです。
その日の午後、スワミはお手紙を書くのに忙しくしておられました。ムルティーが来て、私に、外に出るように合図をしました。彼は、「僕はその洞窟の場所を知っているので、そこに行くことが出来るし、僕たちはその秘密の洞窟に行って、スワミが手紙を書き終えられる頃には戻って来れる」と私に言いました。
スワミが、「その洞窟にはライオンがいる」とおっしゃっていたので、「そんな危険を冒さない方が良いよ」と私は言って、ムルティーを思い留まらせようとした。しかし彼は私の言うことを聞かなかったのです。
幼少時代から私は、木に登ったり、通りをぶらついたり、丘を登ったり、コマを回したり、隠れん坊をしたりする時の、ムルティーの相手だったのでした。私はいつも彼にとっての遊び相手だったのです。という事で、私たちは早速、願望成就の木のある丘を目指して歩き始めました。スワミが言われたように、そこの二つの丘の間に洞窟がありました。それはまるで谷のように見えました。入り口の近くは広く、途中で狭くなっていました。そこには登り降りする階段も何も無かったのです。そこに行くための唯一の方法は、座って、岩の上を滑るようにして降りて行くことでした。そこには掴めるものなど 全く無かったのです。ムルティーは突然、中に飛び降りて、私を彼の方に引きずり下ろしました。私たちの手足は傷だらけになっていた。私たちは少しずつ、前へ向かって進み始めました。洞窟の中は真っ暗でした。そのような暗い場所では、いつ蛇やサソリを踏んでもおかしくなかったのです。
私はムルティーの後について歩きました。そこは薄明かりが差していました。上の方にある岩の亀裂から日が差していたのでした。私たちはスワミがおっしゃっていた、タマンダラム(苦行者たちが飲み水を運ぶための取っ手が付いている水さし)やダンダム(苦行者が持つ杖)文机、インク瓶、バガヴァッドギータの本もなど全てのものを見つけることが出来ました。私たちがそれらをもっと近くに寄りって手に取って見ようと思ったその瞬間に、ライオンの唸り声が聞こえてきたのです。そのライオンの光る二つの目を私たちは見てしまったのです。それらはまるで燃える二つの火の玉のようでした。「もうそれまでだ。」私たちは引き返し、必死で走り始めました。洞窟に入るのは簡単だったけれど、しかし私たちはどのようにそこから出て行けば良いのか分からずに、恐怖で震えてしまいました。岩の上にあがるのに一回ぐらい跳び上がるぐらいでは無理でした。私たちは岩の上に飛び上がれずに、滑り落ち続けました。「もしライオンが私たちを追って来たらどうしよう?」まさにその思いが私たちを焦らせたのです。なんとかして苦労した挙句、私たちは岩の上に跳び上がることに成功しました。どうやって私たちがあんな急勾配の岩を登ることが出来たのか、神のみがご存知です。私たちは肘や膝に多くの傷を作り、そこから血が流れ落ちていました。私たちの服は破れて泥まみれになりました。私たちは走り続けて、急いでマンディールにたどり着いたのです。
私たちが、誰にも見つからないように建物の裏からこっそり入り込もうとしていた時に、門の近くに立っているサイババライオンを見つけました。彼はライオンの神、ナラシンハ神そのもののように見えました。彼はライオンより恐ろしく見えました。彼の目は洞窟で見たライオンの目よりももっと恐ろしく怒っているようでした。私たちは洞窟のライオンから逃げ去ることが出来ても、このライオンの王様から逃げきれることなんて出来るはずはなかったのです。私たちは体力を使い果たしていました。私たちは走る速度を緩めましたが、私たちの心臓は大きく拍動していました。
「おい、君たち。ここへ来なさい。」
スワミは大きな声でムルティーを呼びつけました。彼の大きな声は、そこら中を轟かせるに十分だった。私たちが彼の近くに行くと、ムルティーはそこら中に響き渡るような大きな音を立ててババから平手打ちを頬に受けたのです。私は身体を恐ろしさのあまり身体を震わせていた。次に彼は私の頬に拳を当て、こう言われた。
「君は女性だから、こういう仕打ちを免れたのだ。このまま部屋に入りなさい。」
母が私たちの前に立っていました。彼女は指の関節で私たちの頭を叩いた。ムルティーのおかげで、私は子供の頃から、こうした頭への罰を受けて来たのです。ああ、それは良くない行いをムルティーと付き合って、して来た結果なんだろうとその時に思いました。
https://m.youtube.com/watch?v=EP68ZZda1Ms
ヨシオ:ババのオーラが持つ至福の力やろな。
ポニョ:おいらは、一度、ババが半年もお隠れになられた洞窟に行きたいぜよ。
ヨシオ:俺も一度行こうかな。面白そうや。というわけで今日は、少し趣向を変えてヴィジャヤクマーリさんが聞いたババの子供の頃のお話をしますね。
夜の十時だった。私たちは皆、砂丘の上に座っていた。スワミは私たちに、彼の少年時代について語り始められた。
「私が若い少年だった頃、スッパマという高潔な婦人がいて、私の面倒を見てくれました。彼女は偉大な帰依者でした。彼女は私を溺愛していました。所属していた政党が違っていた為、ヴェンカッパ(私の父)とスッパマの夫の間には誤解が生じていました。二つの家の間に窓がありました。彼女はその窓の下に私を呼んで、彼女が用意した食べ物をこっそりと手渡してくれました。スッパマには子供がいなかったので、彼女の夫はカラマンマと二度目の結婚しました。カラマンマは私を家の中へ入れることを決して許しませんでした。スッパマは、彼女の夫を通して、私が学校へ持って行く軽食を私に手渡しました。私が学校へ行く時に、スッパマが望んだように、夫がそっと私のスクールバッグに軽食を滑り込ませたのです。誰もが私を模範的で行儀が良く、頭の良い子だと褒めました。どの教師も教室に入る時は、私に挨拶し、私の頭を撫でたものです。
先生が問われたどんな質問にも、私がテキパキと答えることが出来たので、多くの生徒が私に嫉妬していました。
私には四人の、とても素晴らしい友達がいました。放課後、私たちは木の下に集まり、シルディババへの礼拝を捧げたものでした。私の友達が望むものは何でも、私のカバンから取り出して与えました。試験の時には、彼ら四人に、答案用紙にどんな質問が出るのかを教えてあげました。またある時には、彼らのうちの一人が試験に来れなかったので、私は彼の筆跡を使って彼の為に答えを書いた事があります。のちに、高校で学ぶ為、私はウラヴァコンダに行かなければなりませんでした。
学校を去るまでの間、私は骨の折れるたくさんの雑用に、精を出さねばなりませんでした。私はたいそう遠くまで水を汲みに行かねばなりませんでした。私の肩は水の入った天秤棒を運んだ為、皮膚がただれていました。私が頑張って働いても、私の兄嫁はこれといった理由も無しに、私を無慈悲に叩きました。」
これを聞いて私たちは皆涙を流しました。ババは続けてこう言いいました。
「ある日、彼女があまりにひどく私を叩くので、私の頬は腫れ上がってしまいました。次の日、彼女の息子は突然重い病気になって亡くなりました。彼らは食事の時間になっても、決して私に何も与えませんでした。
級友の一人が警部補の息子でした。彼は私の事がとても好きでした。彼は私と食べ物を分け合うこと無しには、決して何も食べませんでした。それほど彼は私を愛していました。ある日先生が、ボーイスカウト全員の為の遠足が予定されていると言い、その為に、全ての少年たちは、スカウトの制服を着て参加しなければなりませんでした。私は1パイサも持っていませんでした。みんなが私に言いました。
『サティア、君も遠足に一緒に行こう』
警部補の息子が私のところに来てこう言いました。
『サティア!僕が何もかも用立ててあげよう。心配する事は無いよ。君は身体ひとつで来ればいいから。』
彼は私の制服も作るよう父親を説得しました。彼は必要とされる全てのものを用意しました。私は普通以上に一生懸命働き、8アンナを稼ぎました。どうやって稼いだのでしょうか?私の叔父はマントラを唱えて人々の病気を癒していました。彼は御守り、銅の魔除け、真鍮の飾り板を結んでいました。私は彼の為に銅の板を集めました。私が彼に銅板を一枚得る毎に、私は3パイサをもらいました。これが私が8アンナを稼いだ方法です。
その8アンナは今では800ルピーに相当します。計画された通りに私たちは皆、制服を着て学校に行きました。ドリルの授業が終わり、昼食の為の休みのベルが鳴りました。私はそこから逃げ去りました。もし私がそこに留まっていれば、警部補の息子は私が遠足に行かないことに対して、同意しないでしょう。しかしその少年は、昼食も食べずに私を待ちつずけていました。私を見ると彼は、彼の元から私が去って行くことに反対しました。私たちは一緒に座って昼食を食べました。』その少年は何と幸運なのだろう。と私たちは思いました。
「その日の夕方6時ごろ、私はポンセンとチャナを買い、お腹が満腹感を感じるまでたくさんの水を飲みました。家に何も持って帰らないと私の兄嫁の家の人たちは私を叱るだろうと思い、私は2アンナ分のバナナを買い、それをお土産として持って帰りました。当時はそれは大金だったのです。数日後、グラハムアッパイ(ババの父)が私に会いに来ました。その時には、私はすっかり痩せ細ってしまっていました。」
これを聞いて私たちは皆泣いてしまいました。
「私の顔立ちの様子から、父はその一家のしている有様のことを推測することが出来ました。彼は近所の人たちのところに行って尋ねました。彼らは皆、父に言いました。『もしあなたが息子を愛しているなら、息子を家に連れて帰りなさい』と。彼はどのように私がその家で扱われているか、直接私から聞き出そうとしました。私は父の質問をうまくはぐらかせました。夜の12時に家の者たちが熟睡している時に、彼は私を起こし家の外に連れ出して、目に涙を浮かべてこう言いました。『なぜお前はそんなに痩せてしまったんだ?ここでの学校での勉強はもう充分だ。お前は明日、私と一緒に帰るのだ』と言って次の日、父は私を連れて帰ろうとしました。
私が13歳の時に『サイババ』になり、家を去ったと知って、私の友人の一人が発狂してしまいました。彼は『ババ、ババ』と叫びながらどこかへ行ってしまいました。別の友人は井戸に身を投げて死んでしまいました。ある友人は苦行僧になりました。
次の日6ヶ月間は、全ての人の目を避けて、私は願望成就の木として知られるようになる木の下にある地下の洞窟に身を隠しました。その洞窟は今もまだあります。しかしそのほとんどは、岩と小石で閉ざされています。その洞窟の中には、今だに、タマンダラム(苦行者たちが飲み水を運ぶための取っ手が付いている水さし)やダンダム(苦行者が持つ杖)文机、インク瓶、バガヴァッドギータの本と、何通かの手紙が見つかるでしょう。そこに行った帰依者で、真の信仰を持つ者はそれらを見た後、帰って来ました。」
これらの事を言われた時、スワミは意味ありげな視線を私に投げかけられていました。
「疑いの心を持つ人々は、洞窟の入り口さえ見つけられず、失望して帰って来るでしょう。」
ババは立ち上がると、時計をご覧になって大きな声で言われた。
「おや!もう12時になったのか。行く用意をしなければ。」と言ってババは走り去って行かれた。
神御自身によって語られたスワミの半生を聞くことが出来た事は、本当に素晴らしい事で、幸運でした。
言い忘れていましたが、スワミが私たちにこれらの事を、1949年に話されたのです。
私の弟ムルティーは冒険好きで、スワミがおっしゃていた洞窟のような秘密の場所に行くのが大好きなのです。
その日の午後、スワミはお手紙を書くのに忙しくしておられました。ムルティーが来て、私に、外に出るように合図をしました。彼は、「僕はその洞窟の場所を知っているので、そこに行くことが出来るし、僕たちはその秘密の洞窟に行って、スワミが手紙を書き終えられる頃には戻って来れる」と私に言いました。
スワミが、「その洞窟にはライオンがいる」とおっしゃっていたので、「そんな危険を冒さない方が良いよ」と私は言って、ムルティーを思い留まらせようとした。しかし彼は私の言うことを聞かなかったのです。
幼少時代から私は、木に登ったり、通りをぶらついたり、丘を登ったり、コマを回したり、隠れん坊をしたりする時の、ムルティーの相手だったのでした。私はいつも彼にとっての遊び相手だったのです。という事で、私たちは早速、願望成就の木のある丘を目指して歩き始めました。スワミが言われたように、そこの二つの丘の間に洞窟がありました。それはまるで谷のように見えました。入り口の近くは広く、途中で狭くなっていました。そこには登り降りする階段も何も無かったのです。そこに行くための唯一の方法は、座って、岩の上を滑るようにして降りて行くことでした。そこには掴めるものなど 全く無かったのです。ムルティーは突然、中に飛び降りて、私を彼の方に引きずり下ろしました。私たちの手足は傷だらけになっていた。私たちは少しずつ、前へ向かって進み始めました。洞窟の中は真っ暗でした。そのような暗い場所では、いつ蛇やサソリを踏んでもおかしくなかったのです。
私はムルティーの後について歩きました。そこは薄明かりが差していました。上の方にある岩の亀裂から日が差していたのでした。私たちはスワミがおっしゃっていた、タマンダラム(苦行者たちが飲み水を運ぶための取っ手が付いている水さし)やダンダム(苦行者が持つ杖)文机、インク瓶、バガヴァッドギータの本もなど全てのものを見つけることが出来ました。私たちがそれらをもっと近くに寄りって手に取って見ようと思ったその瞬間に、ライオンの唸り声が聞こえてきたのです。そのライオンの光る二つの目を私たちは見てしまったのです。それらはまるで燃える二つの火の玉のようでした。「もうそれまでだ。」私たちは引き返し、必死で走り始めました。洞窟に入るのは簡単だったけれど、しかし私たちはどのようにそこから出て行けば良いのか分からずに、恐怖で震えてしまいました。岩の上にあがるのに一回ぐらい跳び上がるぐらいでは無理でした。私たちは岩の上に飛び上がれずに、滑り落ち続けました。「もしライオンが私たちを追って来たらどうしよう?」まさにその思いが私たちを焦らせたのです。なんとかして苦労した挙句、私たちは岩の上に跳び上がることに成功しました。どうやって私たちがあんな急勾配の岩を登ることが出来たのか、神のみがご存知です。私たちは肘や膝に多くの傷を作り、そこから血が流れ落ちていました。私たちの服は破れて泥まみれになりました。私たちは走り続けて、急いでマンディールにたどり着いたのです。
私たちが、誰にも見つからないように建物の裏からこっそり入り込もうとしていた時に、門の近くに立っているサイババライオンを見つけました。彼はライオンの神、ナラシンハ神そのもののように見えました。彼はライオンより恐ろしく見えました。彼の目は洞窟で見たライオンの目よりももっと恐ろしく怒っているようでした。私たちは洞窟のライオンから逃げ去ることが出来ても、このライオンの王様から逃げきれることなんて出来るはずはなかったのです。私たちは体力を使い果たしていました。私たちは走る速度を緩めましたが、私たちの心臓は大きく拍動していました。
「おい、君たち。ここへ来なさい。」
スワミは大きな声でムルティーを呼びつけました。彼の大きな声は、そこら中を轟かせるに十分だった。私たちが彼の近くに行くと、ムルティーはそこら中に響き渡るような大きな音を立ててババから平手打ちを頬に受けたのです。私は身体を恐ろしさのあまり身体を震わせていた。次に彼は私の頬に拳を当て、こう言われた。
「君は女性だから、こういう仕打ちを免れたのだ。このまま部屋に入りなさい。」
母が私たちの前に立っていました。彼女は指の関節で私たちの頭を叩いた。ムルティーのおかげで、私は子供の頃から、こうした頭への罰を受けて来たのです。ああ、それは良くない行いをムルティーと付き合って、して来た結果なんだろうとその時に思いました。
https://m.youtube.com/watch?v=EP68ZZda1Ms