ターボの薩摩ぶらり日記

歳時記を念頭において

棚田のあたり 上

2008年09月21日 | 俳句雑考

ドライブに誘われて、棚田のあたりを散歩した。棚田らしい棚田を見たのは初めての経験だったが、日本全国どこの棚田も石垣によって支えられているのだろうか。
画像は20日、鹿児島市郡山で写す。

   空へ棚田豊の秋なり嫁に来い    博 明

石組みの手伝いは、させないのであろう。

 源流

薩摩半島を代表する川の源流には、秋海棠が咲いていた。

   そのほとり秋海棠の濡れ易し   夜 半

暴れ川の源流と思えなかったのは、秋海棠のせいであろう。

 黒揚羽

曼珠沙華から曼珠沙華へと、黒揚羽がわたり翔けていた。

   黒といふ派手な色あり黒揚羽    淳一郎

曼珠沙華が原因なのか、一句からは喪服美人を連想した。

 蕎麦畑

畑に蕎麦の芽が育っていた。

   種蒔や祖先の恩地無二の畑     桜 子

畝をつくらずに種をばらまいた感じだったが、それで効率よく蕎麦が稔るであれば、たしかに「祖先の恩地」であろう。

 ひともじ

農夫が種蒔をしていた。葱の種を蒔いているのだそうだ。

   ひともじに日のさす畠持ちにけり   樗 屋

ひともじの漢字は一文字で、葱のことだそうだ。女房詞ではネギはキと一音だったからという。