ターボの薩摩ぶらり日記

歳時記を念頭において

峠の秋 下

2008年09月09日 | 俳句雑考
 源流

鹿児島市谷山地区を貫く大河の源流に案内してもらった。泉を想像していたが、聚落の水資源としてだろうか、管理されていた。

   源流に色なき風の生れけり    カホル

源流ほどの小さな秋風。

 小豆

農家の庭に小豆が干してあった。

   箕に今日も干す色同じ新小豆    盛 治

昨日も今日も小豆色。

 猪垣

甘藷畑が囲ってあったが、猪垣だそうだ。

   猪垣の袖重ねたり出入口    翔 鶴

厳重に。
 
 狼藉

つぎに囲ってない甘藷畑をみせてもらったが、狼藉の跡は猪によるものらしい。

   狐罠はじきとばして猪逃ぐる   芋 蔓

猪突猛遁。

 茗荷の子 

案内人から農作業中の母親を紹介され、採ったばかりの茗荷の子をいただいた。

   ゆきずりの農婦にもらふ茗荷の子   仲 子

北総に住んでいたとき、茗荷の子をもらったのがきっかけで昵懇の間柄になった農婦とは、別れるときに互いに涙ぐんでしまった。