総理がコジキでコジキがソーリィー 078 父のことを思うと、まるで、わたしは犯罪者 「そうよ、行政よね、行政がするべきなのに、行政は何というか、わかっているわね。“怠け者に血税を投入できない”だったら、議員に給与を与えないでほしいわね」 笑う冴子。きつい冗談である。知事がきいたら、どう思うことだろうか? 冴子の母は、どちらも傲慢でしかないと、いつも思って見ている。 だけど、人を社会を豊かにするのは冴子と考えている。 「われわれの血税であって、あいつらの血税ではないのよ。くやしかったら、公務員をやめてほしいわあー。稼いでみたらいいのよ。あのチョンマゲのない無能な旗本たちも……。公務員でなくたって日本のことは思えるのよ」 「ええ、冴子さんのように」 「あなたも、わたしのようになってほしいわ。自立した女になってほしい」 「わかってます。地盤、看板、鞄なんていう、因習を父から受け継ぐつもりはありません」 「そんなバカな女にはならないで欲しいわ。地盤、看板、鞄、それに何がついているか、わかっていれば、まともな政治家になれないということがわかるでしょうにね。もし、やる気があるなら、違ったところから、出馬して一般の人と同じように努力するのよ。そうでないと本物にはなれないわよ」 「そうだと思います」 「わたしは、近ごろ、こんなに人と話すことはなかったわ。もっと、要点だけに絞ったことだけを話すのよ。あなたと話していて楽しいのよ。でっ、行政といったら、ホームレスの問題の場合、どこかしら」 「都道府県や市町村の公共団体のようですが……」 「そうよね、国会では問題にさえしないのよね。異常としかいいようがないわ」 「ええ、国レベルの問題であると私も思います」 「でも、あなたは、あなたの父とは関係がないわよ。気にすることはないわよ」 「ありがとうございます」 「そんなことでお礼を言わないでよ。わたしも知事の娘なんて言われたら、ゾッとするわよ。まだ、美能部知事の娘と言われるならいいけど、あの人は娘さんはいなかったと思うわよ。でも、現職中に結婚されたのよね……」 「それはあまりよく知りませんが……」 「いいのよ、別に……。知事の娘といっても、わたしは別の人格、あなたも総理とは別の人格なのよね」 「そう言ってくださるのが、うれしいです。父のことを思うと、まるで、わたしは犯罪者の気持ちになります」
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