あかねさんシリーズ002 男が女de女が男 192 武者震いなんてものじゃない! 「あのー、メロウめ!」 スタジオには、アナウンサーがいて、過去のビデオを写している。 喫茶店のマスターがテレビをかけた。 「あら、あれ、お嬢様ですわ」 「あっ、こっちの世界のね」 「そうよ」 茜はぴっしりスーツ姿の自分をみて、違和感があった。 でも、本当は自分じゃないよと思った。 「神鳥、あの下品な女性ね。何が世界格闘技王だよ。笑わせてくれるね。あんなのがチャンプだなんて、まったく呆れるよ。バカらしいたら、ありゃしないね。脳天パーなんだから、あんなのは、世界大バカ選手権ならチャンプでもわかるんだけどね」 足を組む茜。 「そんなことを言ってもいいんですか」 「言っていいんですかって、いいんだよ。何か不都合でもあるのかねえ」 「いいえ、そんなことはありません。でっ、神鳥の挑戦を受けるんですか」 「あっ、売られた喧嘩を買うのが女って、昔からいうだろう」 ギェー! わたし、そんなこと、口が裂けてもいわないわよ。 「でっ、種目は何で、戦うのですか」 「相撲がいいねえ、日本の国技である相撲が。相撲は力ではない、メンタルな格闘技であり、かつ頭脳をつかう格闘技だからね」 「そうですか、日本の大相撲が世界一強いという人たちもいますよね、日本人でなくとも」 「そうだね、あいつは、横綱にも挑戦状を送ったらいいのに。でも、あいつはパーだから、ノリだけで戦うから、こっちの勝ちだけどね。見物だね」 すごく神鳥をバカにしている。よほど自信があるようである。 しかし、この世界に今いる茜は震えている……。 もちろん、武者震いなんてものじゃない!
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