あかねさんシリーズ002 男が女de女が男 193 マイまわし 神鳥がテレビ画面に写る。 「あのよおー、茜! おまえのその根性には負けるかもしれねえよ。まったく、素人だってえのに、口の汚いことには驚くぜ。いいか! 相撲でも何でも戦ってやる。しかしだ、おい! よく聞けよ、おまえはプロレスの興業を考えたことがあるのか? メインエベントが三分もかからなくって興業が成立するのかねえー」 「神鳥さん、神鳥さんなら、成立すると思います」 「どおいうことだー!」 アナウンサーにくってかかる神鳥。 「あのー、人気があるから、大丈夫だというんです」 「あっ、そういうわけか、お前、いい奴だなあー」 うれしそうな神鳥。 「ところで、茜、まわしって、どこで売っているんだ。おまえ、マイ・まわしを持っているのか? 持っているんだろうなあー。人から借りたまわしなんて、気持ち悪くってつけられないものなあー」 「まわしは、テレビ局のほうで用意してもらいます」 「そうか、よかったぜ。しかし、まわしの締め方もしらないぜ。まったく、日本おなごとして生まれて、恥ずかしいなあー。まったく、茜よ、おまえは面白いやつだなあ。おまえと戦える日を楽しみにしているぜ、ドーム決戦で会おうぜ!」 さわやかな神鳥である。 白い歯がきらりと輝いた。 テレビは、女性の大物俳優の愛人問題に変った。 オカネスキーは、あきれた顔であった。 「お嬢様、お嬢様の世界では男性がまわしを締めるって言われたけど、男のお尻って、かわいいから毛が生えているのよねえ……、わあー、恥かしいわ」 そういえば、オカネスキーは毛深かった。 でも、女性みたいにそれを恥かしがれると、何といっていいかわからず、言葉を失った。
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