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金融腐敗の原点-児玉誉士夫のダイヤモンド-

2010年11月17日 | 読書日記など
『金融腐敗の原点-児玉誉士夫のダイヤモンド-』
   立石勝規・著/徳間書店1997年

「〈国税局査察部〉児玉誉士夫のダイヤモンド」(1996年刊)の改題。



裏表紙に書かれてあります。下「」引用。

「金融腐敗で突出したのは、一見バブル移行の不良債権処理にからんだ問題のように見える。だが、検察の捜査によって徐々に明らかになってきたのは、そのブラック人脈の構図だ。金融機関の総会屋対策で明らかになった某出版社社長の存在や事件渦中の小池など、戦後日本には連綿と繋がったブラック人脈の流である。日本の経済界が何故かくまで腐敗したかの原点を描く、知られざる児玉金脈の姿。緊急出版!」

「まえがき--蘇る児玉誉士夫の影」 下「」引用。

「児玉誉士夫。「戦後最大の黒幕」と言われた右翼の大物である。田中角栄元首相(故人)が逮捕されたロッキード事件(一九七六年)で、一方の主役でもあった児玉は、脱税(所得税法違反)で東京地検で起訴された。
 被告の身にあった児玉が、入院先の病院で脳梗塞による急性心不全で亡くなったのは一九八四年一月十七日のこと。十三日余がたち、彼は歴史のかなたへ去った人物のはずだった。
 ところが、野村証券、第一勧業銀行事件とともに「児玉の影」が蘇った。」

一流企業のトップも共犯者。下「」引用。

「児玉は政界ばかりでなく、大企業の経営者にも太いパイプを持ち、彼がフィクサーとして調停した株の買い占め、企業の乗っとり、派閥抗争には、超一流会社のトップがしばしば協力者役で登場している。三光汽船によるジャパンライン株買い占め事件(一九七二年-七三年)では、二人が登場した。一人は野村証券会長(当時)の瀬川美能留(故人)、もう一人は、そごう社長、水島広雄(現・会長)であった。児玉は野村証券から顧問料を得ている。」

ダイヤモンド……。下「」引用。

「二○カラットを超えるダイヤは、世界でも数少ない超大型のダイヤモンドである。ダイヤの最大市場とされている日本でも、「せいぜい数個しかないだろう」という。」
 児玉のダイヤを、この目で確かめることができたのは、まさに偶然と幸運が、いくつも重なっての結果だった。」

今も……。下「」引用。

「あれから一年余が過ぎた。野村・一勧事件で児玉誉士夫の名前が新聞に登場した時、こう思った。
 児玉が中国・上海から東京へ運んできた大量のダイヤの放つ「魔力」は、今も日本の「闇の世界」が息づいている。」

謝礼七億円。下「」引用。

「ジャパンライン株買い占め事件(一九七一年-七三年)、昭和石油騒動(一九七三年)、台糖株買い占め事件(一九六四年-七四年)、殖産住宅会長・東郷民安追い出し事件(一九七五年)である。これらを調停した児玉は、密かに約七億円もの謝礼を得ていた。」

「黒幕」……。下「」引用。

「「黒幕」と呼ばれる男たちは、共通する「三つの力」を持っている。人脈、集金力、暴力装置の三つである。」

ダイヤと鳩山。下「」引用。

「そのダイヤは鳩山いちろう(元首相)らによる日本自由党の結成(一九四五年十一月九日)、運営資金として、児玉がすべて提供したと伝えられていた。彼詩人もそう言っている。しかし、一部は手元に残れさていた。ロッキード事件の際、東京国税局査察部の脱税調査で浮かんできたことだ。-略-」

「特別管理A事案」 下「」引用。

「その中でも、厳重な注意が必要な人物は、「特別管理A事業」にリストアップされる。児玉誉士夫は、そこに記載されていた。ただし、当時の書類のファイルでロッカーに保管されていた。
 コンピューターに入力された情報は、査察部にとってかけがえのい財産である。」

金丸脱税事件の調査は、ロッキード事件からの仲間……。

謝礼はダイヤ。「三光汽船によるジャパンライン株買い占め事件」

東郷民安と中曽根康弘。下「」引用。

「東郷と中曽根は旧制静岡高校以来の友人である。二人は陸上競技部で砲丸を投げていた。東郷はやがて中曽根のスポンサーの一人となる。
 七二年三月九日、赤坂の料亭「一条」で開かれた中曽根派代議士の激励会に呼ばれた東郷は、その席で中曽根から政治資作りのため、公開株の上場前購入を依頼される。
 東郷は中曽根の政治資金用として別枠で百万株を用意する。-略-」

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岸と児玉と怪文書。下「」引用。

「今澄(*勇)は児玉から自邸に呼び出され、怪文書を渡される。怪文書にはカネと女性にからんだ「うそでかためられた」スキャンダルが書かれていた。
 七六年四月九日号の「週刊ポスト」での今澄の証言によると、きっかけは社会党代議士だった一九五九年二月、衆院予算委員会でのインドネシア賠償問題のほか、古荘四郎彦頭取(当時)の不正融資が問われた千葉銀行事件(レインボー事件)、第一次FX(次期主力戦闘機)選定疑惑を抱えていた。これらの事件には、いずれも児玉の影が指摘されていた。
 さらに岸には、一年後に日米新安保条約の批准という最重要政治課題を抱えていた。-略-」

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虚像を悪用する「黒幕」。下「」引用。

「「黒幕」や「フィクサー」と呼ばれる男たちの実像に迫るのは、難しい。児玉のような「大物」になれば、作業はいっそう困難になる。
 虚像と実像が微妙にからみあい、境目を見極めるのは至難の業だ。彼らの多くは虚像を利用し、自分の影響力を、実像よりはるかに巨大に見せかけようとする。さらに、時には本人自身が、実像と虚像の区別がつかなくなっているケースもある。二つの像の振り分けは、実にやっかいな作業であり、しばしば迷路に入り込むことになる。
 しかし、境界線を見極めようとする視点が抜け落ちると、虚像に引きずられ、世の中のことすべてが黒幕の謀略によって動かされているような錯覚に陥りやすい。」

黒幕の歴史。下「」引用。

「黒幕は、はるか昔から存在した。-略-中臣鎌足、弓削道鏡、伴善男、大江広元、夢窓疎石、金地院崇伝、岩倉具視-略-」

「特集・黒幕読本」 下「」引用。

「「五氏とは、児玉のほか、「よろず相談所“室町将軍”」三浦義一、「ヴェール脱ぐ」高瀬青山、「空前絶後の黒幕」矢次一夫、「メモで日本を震撼させる」森脇将光である。」

河野一郎。下「」引用。

「五九年一月には、児玉の仲介で岸、大野伴睦、河野一郎、佐藤栄作が帝国ホテルに集まり、「誓約書」を書いている。」

週刊誌で虚像を巨大化。下「」引用。

「これ以降、児玉は週刊文春、月刊現代、週刊朝日、週刊読売、の対談に登場する。結果として、これらの対談は児玉の虚像をさらに巨大にさせている。」

戦中、ラジウムを海外からミカン箱一箱、東京へ送った児玉。

ナベツネ記す。下「」引用。

「河野と親しかった渡辺恒雄も自著の「政治の密室--総理大臣への道」(一九六六年、雪華社)の中で、河野が死ぬ(一九六五年七月八日)少し前、直接聞いた話として、河野は「自動車にのって東京郊外の米屋を一軒ずつまわって」、ダイヤを売っていたと、書いている。-略-」

「M資金」ダイヤモンド。















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