磯野鱧男Blog [平和・読書日記・創作・etc.]

鱧男の小説などをUP。環境問題に戦争・原発を!環境問題解決に民主主義は不可欠!

24.銭湯

2005年07月01日 | 【作成中】小説・メリー!地蔵盆



二、漢方薬

24.銭湯





 夕食後に風呂屋へ行く。風呂に入ると、湯船に薫くんがいた。
 その横にはジョンさんがいて楽しそうに話していた。

 薫くんは染色体異常だから、色の白さはジョンさんと争う。髪の毛の色は薫くんの方が赤っぽく、ジョンさんは黄色い金髪である。

 薫くんは病院勤めをしているが、アパートに父親が住んでいたので、ちょくちょく帰って来ていた。

「おお、雄ちゃんやないか」
 薫くんは雄二に話しかけてきた。
「ジョンさんと楽しそうに話しているなあー」
「うん、なかなか、おもしろい人や」
 薫くんはジョンさんをそう評した。

 京都大学に近い、この風呂屋ではときどき外国人が来る。別に珍しいことではない。
「広いお風呂は気持ちがいいですね」
 ジョンさんはうれしそうだ。
「そうやねえー」
 雄二もうれしくなった。

 雄二は湯船の近くで体を洗い始めた。

「ジョンさんって外国人やのに、入れ墨入れてないんやね」
 と、薫くんが質問した。
「入れていません。聖書に入れ墨は入れてはいけないと書いてあります」

「聖書って、もしかしたら、ジョンさん、キリスト教徒ですか」
「そうです。カトリック教徒です。アーメン、ラーメン、冷や素麺です」
「あははは。ジョンさんは、おもろい外国人さんやな。ユーモアもわかるんやなあ」

「ぼくが教えてあげたんや」
 雄二は体を洗う手を止め、湯船に入っている二人に得意になって話した。
「いらんこと、教えるんやなー」
 薫くんはあきれていた。

 この風呂屋には黒人が入ってきたこともあったが、まわりの人たちは気にしない。別に何をすることもない。何か、変なことしないかと期待している。しかし、たいてい友達と来ていて、変ったことはしないのでつまらない。

 薫くんとジョンさんの話は力がはいってきた。
「学校の先生が、聖書はキリスト教徒でなくても、読んでおけって教えてくれたよ」
「キリスト教徒でなくとも? それはどうしてですか」
 ジョンさんは不思議そうな顔をしている。
「教養になるそうや」
「そうですか。教養ですか。それもいいものですね」

 雄二は体を洗い終えて、湯船に入る。
「おお、聖書。雄二、読んでいますよ」
「えっ、雄ちゃん、聖書を読んでいるの?」
「読んでいるよ」
「すごいーな!」

「みんなにそう言われるで。でも、振り仮名がふってあるんや」
「そうか、それで読めるんか」
「そうや、そうでなかったら、読めるかいなあー」

「ジョンさん、神父さんですか?」
「いいえ、関係ありません。ただの信者ですが、聖書あげましょうか。また、教会の人から、もらってくればいいのです」

「無料か」
「もちろん」
「それなら、ちょうだいよ。儲かっちゃたな」

「雄ちゃん、聖書読んでいて、どう思う」
「神様の話やな」
「そうです。その通りです」
 首を上下にして楽しそうなジョンさん。

「おおー、香取ちゃん」
 池山の弟が来た。
「うん、お兄ちゃんと来たんか?」
「うん、お兄ちゃんと来た」
「ふーん、よかったなー」
「お兄ちゃんが大好きやもんなー」

「こら、吉坊、こっちこいよ。体洗うたるさかい!」
 と、池山はぶっきらぼうだ。
 アパートにはお風呂がないから、みんな風呂屋に来る。

「それにしても、ジョンさんも、薫くんも長風呂やね」
「気持ちがいいですよ」

「そうや、給料もらったからジュースをおごってあげるよ」
 薫くんは楽しそうに宣言した。
「そう悪いなあー」
 といいつつも、雄二は嬉しい。

「おーい、池山くん、ジュースおごったろうか?」
「うん、ありがとう。薫さん!」

「池山、今来たばかりやから、待っていたら、大変かあー」
「そんことないよ。池山くんは、カラスの行水ナンバーワンだからね。もう体を洗い終わっているしなあー」

「吉坊、こら、深い方に入たら、いかんって言うとるやろ」
「うん、お兄ちゃん」
「でも、わしら、おるから、ええで。深い方はぶくぶくしとるから、楽しいよね……」
 薫くんは優しい人で近所でも有名だった。深いほうの風呂は、泡が出てくるので人気があった。雄二も深い方のお風呂に入るようになっていた。でも小学校にも行っていない吉坊には足がとどかないし危険である。

「あかん、味をしめたら、他の人が見てないとき、入るに決まっている」
「そうかいな。厳しいお兄ちゃんやなあー」
「弟のこと思っているんや」
 早口な池山だった。

「そうですね、やさしいお兄さんです」
 ジョンさんは笑顔である。
 池山はジョンさんを相手にしないようにしている。
「いい湯ですね」
 と言われても何も言わないし、すぐ上がって行った。

「ほら、雄ちゃん、見てみい、わしらより、池山くんの方が早く上がっただろう。思った通りや。ほな、ぼくも上がるよ。雄ちゃんも、もうええやろ」
「うん」
 と、雄二は軽く返事をする。池山はぼくと来たときは、ぼくにつきあって長風呂なんやなあーと雄二は思った。その時は人が少ないときをねらってきて、深い方の浴槽で泳いだものだ。

 湯船から出るとき、お湯が溢れ出す。タオルで体をふく。そして、体重計にのって、服を着た。池山は弟の服を着せていた。

「雄ちゃんは何がええ」
「フルーツ牛乳」
「わかった。おばちゃん、フルーツ牛乳なあー」
「はい、わかったよ」
「池山くんは」
「ぼくもフルーツ牛乳」
「吉坊は?」
「コーシー牛乳」
「わかった、コーヒー牛乳やろ」
 よく冷えた牛乳はうまい。風呂上がりの一本は体にしみわたるようだ。




↓1日1回クリックお願いいたします。

ありがとうございます。





もくじ[メリー!地蔵盆]


6月30日着・限定(水無月)京都祗園 藤村屋さん

2005年07月01日 | 京・甘味どころ



『京都では一年の半分を過ぎた折り返しの6月30日に「夏越の祓・なごしのはらえ」という厄よけ神事があります。この日にかならず頂く菓子がこの水無月(みなづき)どすねん。

白いういろうを三角に切った上に小豆がべったりのってます。この外郎は氷の代役、小豆は邪気よけにちゅうことどす。
涼を感じる和菓子です。

ご注意下さい!
この商品のご注文受付終了は6月20日まで、お届けは6月30日のみとなります。その他の日はお届け出来ません
この商品は防腐剤など一切使用しておりませんので、賞味期限が製造日を含めて2日しかございません。商品到着日にかならずお召し上がり下さいませ。
またお届けまで2日かかる「北海道、沖縄、青森、秋田、離島」への発送は出来ません。
南東北や九州の一部の地域の方は翌日にお届け出来るものの夕方に着となります事もご注意下さいませ。』


文と写真 京都祇園 藤村屋さん


目次【京・甘味どころ】



文化放送で藤村屋さんが紹介されました(^^)

2005年07月01日 | 読書日記など
アナウンサーさんは、
おみやげにちりめん山椒やその他の商品を買ってかえたが、
みんな評判がよかったと話していた。
どれもこれも、美味いとベタ褒めでした。

こんなに褒めてええんやろかと思わせるほどでした。

僕は浦和レッズのファンですが、
セルジオ越後がはじめは嫌いでした。
レッズの悪口をいうので気分がわるいので、
ラジオ放送を聞きながらテレビを見ていたくらいです。

しかし、セルジオ越後さんはレッズのファンだというのですよ。
びっくりしましたね。
これは、明石家さんまのようにリップサービスだ。
信じてはならぬと思いました。
ファンなら悪口はいうはずがないと思ったのです。

でも、セルジオ越後さんは明石家さんまでもありませんでした。
贔屓のひきたおしは、やはりレッズにも悪いものとなるんでしょうね。
セルジオ越後先生は、レッズがかわいいので辛辣な批評をしていたのだと
実感しました。

褒めるのは簡単やけど、セルジオ越後のようにサッカーの先生は、
サッカーのことをよくご存知なので、きちんと批評してファンの
僕にまで教育をしていく。
あれは偉いね。

藤村屋さんも、
セルジオ越後に放送してもらいたいねと、一ファンとして思いました。
ああ、藤村屋さんはサッカーチームとはちがったか。


お母さんが、「うちは初めから勉強してますんで、これ以上まけられません」
と、凛として宣言しやはったところが、格好よかったです。

アナウンサーは、インタビューしながら
おばんざいとご飯を食べ、ご飯のおかわりをしたみたいです。
本当に美味しかったんやろうなあー。

この番組は、下ネタから五木寛之まで、すごくジャンルが広く
かつディープな番組でした。