龍の声

龍の声は、天の声

「目に見えないけれど大切なもの」

2013-10-21 07:30:49 | 日本

◎山
山には、人間が住む里とは違う神秘的な力が宿っていると考えられてきた。
古代の人々は、岩や石、木々や草の葉までが言葉を話していたと感じていたようである。これは草木にもいのちは宿っているという日本人の感性に由来するものである。
樹木には神様が宿ると信じられ、神様の宿る木々を切る事は固く戒められていた。そうした先祖の心が樹木を育て守り、やがてうっそうとした森となった。
その昔、私たちの祖先は山に入って、シカやイノシシ、木の実や山菜などをとって暮らしていた。山には多くの神々が宿り「山の幸」と言われる神々の愛をいただいていたのである。
だから山に入るときは、山の神様にお供えをし、お許しいただくことを忘れなかった。

◎水
水がなければ生き物は生きていけない。しかも飲み水がなければ人間は生きていけない。日本はおいしい水に恵まれている。
山は私たちに様々な恵みを与えてくれ、天から降った雨水を蓄える。山の木々の豊かさが水を清らかにし、多くの栄養素を与えて、美しい川の流れをつくる。
浄化された水は、山を出ると急な斜面を滝となって流れ落ち、やがて川幅を広げてゆったりとした流れとなって里をうるおす。
里に暮らす私たちは、川から水を引いて、田んぼや畑を作り、そこから得られためぐみは人々を養い、様々な動植物が生きていける環境を保ってきた。
河口近くになると、川幅はより広くなり、海へと流れ込む。山で育まれた美しい川の流れは、海を豊かにしてくれる。山と海は、川によって一つに結ばれる。

◎海
日本を取り囲んでいる豊かな海は沢山のめぐみをもたらしてくれる。
海の彼方には神々の住む美しい国があり、そこから寄せる波が豊かな「海の幸」を運んでくれると信じられてきた。
海の幸をいただく一方で、航海や漁業の安全を守る神様として信仰されているのが「ワタツミ神」や「ツツノオ神」である。人々が海の神様として崇める「ワタツミ神」は、山にも祀られている。それは、古来、海に生きる人々が、海の豊かなめぐみと、山のめぐみとのつながりを感じていたからである。船を操るには絶えず方向を確認する必要があり、目印なる山々は、彼らにとっても大切な存在だったのである





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