龍の声

龍の声は、天の声

「中村天風語録」

2021-08-25 09:40:09 | 日本

「中村天風語録㉖」


◎観念要素の更改

人生は苦の娑婆(しゃば)だなんて言ってるのは悟りを開けない奴が言っている寝言ですよ。
生きる正しい方法を知って生きたら、人生ぐらい愉快な、人生ぐらい恵まれた、人生ぐらいありがたいものはないんですもの。
結局、心が人生を感じる感じ方で、そのまま極楽にもなり、地獄にもなるわけだ。
そこで、心に極楽を感じせしめて生きようとするには、心のなかを掃除しなければだめなんです。
クリーニングしなきゃだめなんですよ。
それが「観念要素の更改」というんです。


「中村天風語録㉗」

◎日常生活で注意すべきこと

特に注意すべき問題は、
いかに観念要素の更改を現実化すべく、会得した方法だけを熱心に実行していても、平素日常生活を行う際に、やたらと不平不満を口にしていると、捨てるそばからすぐ拾うと同様で、
文字通り九仞(きゅうじん)の功(こう)を
一簣(いっき)に虧(か)く
憾(うら)みを作為することになる。

注)九仞の功を一簣に虧く
…高いところまで築いた山を最後の一杯のかごが足りないために完成しないこと。
長い間の努力も、最後の少しの過失からだめになってしまうことのたとえ。


「中村天風語録㉘」

◎悪習を断ち切る

およそ不平不満を口にするほど恥ずかしいことはない。
それは、自分の心を統御できていないことを宣伝しているようなものである。
その実、不平不満を口にするからこそ、進歩向上があるのだと誤解している人がいるが、このような人は人生の荒海に翻弄されている哀れな漂流者である。
だから価値ある人生を送りたいと願うのなら、この悪い習慣をすぐさま断ち切って、荒波を乗り切るための積極心を作る努力を日々怠らないことである。


「中村天風語録㉙」

◎理屈じゃないんだ

人間の生命エネルギーの
中枢の母がつくる一番大根大もとは、科学的に考えてもいけない、哲学的に考えてもいけない。
あるものはあるのだから、あるものとしてあるとして考えられる考え方が一番いいんだ。
哲学者が考えればこうだ、あなた方ならこうだという考え方をするものだから、ごちゃごちゃになっちゃう。
「あるものはある」
これは科学でもなければ哲学でもない。
「あるものは、ある」
それを理屈なしに考えるのが、考え方としては本当の考え方じゃないか。


「中村天風語録㉚」

◎残心

「残心」という言葉は、真剣抜刀術の用語で、
簡約すれば「終始心構えに油断あるべからず」という、抜刀法術練行(れんぎょう)の際、最初から最後まで、一貫せる心構えを忘るるなかれとの
戒慎の言葉なので、昔の格言に「終りを慎むこと始めの如(ごと)くあるべし」というのと、その意味両々相融通しているのであります。











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