明瞭な意識を持続するための最も適当な訓練法は「何事を行う際にも決して気なしに行わぬこと」である。
毎日、時間と仕事とを特定して「気を込めて物事を行う練習」をする。
たとえば手紙を書く間とか、または読書する間だけは絶対的に真剣になって行う。
あまり興味をもたぬこと、気乗りのせぬことや、気の急くようなこと、大して値打ちのないこと、
または、慣れ切って熟練していることなどを行う際は、特に気を打ち込んで行うように心がけるのである。
ガスの栓を締めたのに、締めたことが不安になり、何度も締め直す人がいる。
鍵をかけたかと不安にかられ、外出先からもどり確かめる人がいる。
自己不確実の人である。
気なしに動作をするから、動作をしたという印象がうすい。
すぐ不安に覆われてしまうのである。
重要な動作をする時には、クンバハカ体勢をとり、「やったぞ!」と、動作の確認をするがよい。
そうすれば動作は確実に脳に印象づけられるから、不安が起こらない。
もし不安が起こっても、動作の確認の記憶で不安を押し切ることができる。
私達は日頃から、気なしに動作をしないで、自らの意思で意識を集中させて動作をすることを
習慣づけてゆかねばならない。