あの素敵なアグリジェントのお宿を辞して、車は一路イオニア海に添って北上。
シラクーサという古都に向かいます。途中で撮影したイオニア海。
シラクーサの港の近くに宿を取り、運転の疲れを癒やすため暫し午睡。夕刻徐ろに町を散歩
です。
こちらは新市街の目抜き通り。ここも一方通行が多いです。宿に着く前に一通の標識(写真右)
を見落として逆走。幸い、車の通りが少なくて事なきを得ましたが。日本と違って、こんな低い
場所に看板出さないでよね。てっきり目線より上しか見ない習慣があるものだから・・・(汗汗)
向こうに見える三角錐の建物は教会です。
ホテルから1時間くらい歩いたでしょうか。鬱蒼とした森のなかに。ジャカランタの大木が
綺麗に花を咲かせて。昔いたケニアではこの花が春になると咲きそろい、桜の花の代わり
に皆でお花見をしたものでした。
こちらがギリシャ劇場。ギリシャ時代紀元前3世紀に建設されました。その後ローマ人に
より改築を経て現在に至るでありますが、ご覧の通り現在でも十分に活用されています。
丁度この日はシチリアの人気アーチストの演奏会とかで、実は入場禁止というか、
チケットが売り切れて入場出来ないはずでありましたが・・・
別に演奏は聞くつもりもなかったので、チケット売り場の若い女性になんとか1分でもいい
から見せて欲しいと懇願。変なオヤジだと思ったんでしょうね、にべもなく売り場の窓口
を閉めちゃって(苦笑)
途方に暮れておりましたら、丁度近くにセキュリティ・ポリスが何人か屯していて。そのうち
の一番偉そうなひと(マフィアのボスみたいな方でしたが)に、「実は日本からはるばる
この遺跡を見に来たんだが、まさか今日演奏会があるとは知らず・・・明日日本に帰らねば
ならないし。なんとかちらっとでも見せて貰えませんか」と懇願。びっくりしたのは、このボス、
二言返事で「分かった、5分だけなら入場させてあげる」だって!で、若い可愛い女性を
案内役につけてくれて。彼女イタリア語しか話せませんでしたが、何か一生懸命説明して
くれて。(ボクは今スペイン語を勉強中で、その甲斐あってか、イタリア語は3分の1
くらいは朧気に分かるようになっています)
でも、シチリアの人って親切ですねぇ。まぁまぁ、家の奥様なんぞは大感激。こんなふうに
されるとファンになっちゃいますよね。お陰でただで演奏まで聞いちゃったりして。結局
5分どころか30分近くもいちゃって。ほんと有難うございました。
一番上はこんなふうになっていて。この孔は一体何でしょう。明らかに人があけたもの
と思われますが。案内のお嬢さんにお聞きしたんですけど、残念ながら英語は通ぜず。
で、彼女が案内してくれたのがここ。なんと劇場の一番上に泉が。彼女「Fontana」と
言ってましたので間違いないのですけど、もしかしたらローマ人の作ったものかも、です。
恐らくサイフォンの原理を使って、この丘の上まで水道を通していたのではと想像して
ますが。
この劇場、古代から15千人が収容できたそうです。現代だってこの人数を収容できる劇場
は日本でもないし。如何に、ギリシャ、ローマ時代にこの町が繁栄していたか、これで分かり
ますね。それにしてもマイクのない時代、15千人もの観衆を酔わせた当時の俳優さんやら
歌手の喉ってどんな構造をしてたんでしょう。
いんや~、シチリア人のご親切に感謝、感謝であります。
ー続くー