窓際日記・福島原発

窓際という仕事の雑感

電王戦・三浦弘行九段への処分・第二幕

2016-10-23 10:35:42 | Weblog
どうやら第一幕は三浦反論論文NO.2の提出をもって終了した模様です。<--リンク

事態は大きく動いて、場面は第二幕に移りました。

ポイントは↓の文章です。

・・・ちなみに、私はスマートフォンの提出を拒否した訳ではありません。
そもそも、連盟はスマートフォンのみならずパソコンの提出すら望んでいませんでした。
スマートフォンは、私が日常使用しますし、私の保有するパソコンを調べてもらえば、遠隔操作ソフトなどが導入されていないことは分かってもらえると思っていました。・・・

三浦さん、「自分は白である事」を証明できる、強い自信をお持ちと見えます。

そうして、名誉回復までは頑張る、とそう受け止めております。


他方で現竜王の渡辺さん、

・・・挑戦者が変更になったことについて、渡辺明竜王(32)は12日に更新したブログで「大変な事態になってしまいましたが、引き続き将棋界へのご声援を宜しくお願いします」とのメッセージを発表した。
また、「詳細は各種報道に任せて、ここでは省略します」とも記した。・・・

上記は「渡辺竜王、挑戦者の出場停止処分に「大変な事態になってしまいました」」からの引用です。<--リンク

このメッセージを最初に読んだ時に、違和感を感じたことを覚えています。

びっくりした様子もなく、妙に第三者的なコメントだなあ、と。

そうして、「挑戦者への思いやり、あるいは同業者への信頼というものが全くない人だな」と感じたのでした。

そうして事態が明らかになるにつれて、どうやら渡辺さんが主導的に今回の事態を招いた、まさに張本人であることが分かってきました。

これは見方を変えますれば「竜王戦の挑戦者を渡辺さんの一存で変更させた」ともとられかねない行為であります。


さて、若いころから「天才だ」とか「先生」とか呼ばれて育てば人の感覚は普通ではなくなるのでありましょう。

今回のドタバタ騒ぎ、見させて頂いておりますが、失礼ながら、プロ棋士の方の中にもそのような方が少なからずおられる様であります。

そのような方たちは、「将棋の世界は俺が主役だ」とでも思っておられるのでしょうか。

はたから見ますれば随分と傲慢で横柄な態度を取られることがあります。

そうしてそれは一般の社会通念、社会常識とは相いれない、将棋村特有のものの様に見えてしまうのであります。


COM君の登場で将棋の世界で「絶対強者」ではなくなったプロ棋士の方々。<--リンク

そのような状況の変化に十分に対応しきれていない連盟のありようもまた世間の目に明らかになってしまいました。

羽生さんもプエラ・アルファの伊藤さんも「プロ棋士がソフトに負けても大丈夫。何も変わらない。」とおっしゃっておられましたが、そうではなかった様であります。

状況の変化に適切に対応しきれない場合は、個人であれ、組織であれ消えてゆく定めにあるのは世の常識です。

そういう訳で、これからの推移、大いに注目しております。

PS
それにしても目立つのは連盟の手際の悪さであります。

まず第一に、さっさとスマフォを始めとする電子機器の持ち込みを禁止しておけばよかっただけであります。

自分たちの主張、「プロ棋士の方がソフトより強い」にしばられて、予防的措置を取らなかったのは、連盟の傲慢であり怠慢でありましょう。

第二に、それが出来なくても、渡辺竜王の申し出に対して、客観的に、公平に扱う事はできたはずであります。

しかしながら状況は見事に渡辺竜王に流された様であります。

その結果が、実力行使としての三浦処分ーー>竜王戦挑戦者の交代でした。

第三に、そうまでして竜王戦・第一局を強行したということです。

竜王戦の開催の方が、一人のプロ棋士の名誉よりも大事だった、ということでありますね。

第四に、そうして以上のような状況を将棋ファン、そうして一般の人たちが受け入れると読んだことです。

ことここに至っては、もはや浮世離れした将棋村の非常識としか思えません。

そういう訳で、結局はやらなくてもいい無用の争い、ドタバタ劇をくりひろげるはめに陥ったのでありました。

さてそれで、何のための連盟なのか、誰の為の連盟なのか、理事の皆様方にはよおく考えていただきたいものでありますね。

PS
プロ将棋の世界では「強いことが正しいこと」でありました。

それゆえに上位の者のいう事には下の者は逆らえません。

そういう文化をずうっと続けてきました。

しかしながら時代はプロ棋士をこえた将棋の強さを持つソフトを生み出しました。

そうなりますとソフトにも頼る様になります。


そうして今回の騒動。

上位の者とソフトによる判定が「あやしい」と出たというのが状況証拠の一つでした。

ソフトによる判定は一見客観的で公平なように見えます。

このような状況、一見科学的にみえる説明をされると我々はつい納得してしまいます。

それゆえ「秘密会議」に呼び集められた面々は「納得せざるを得ない状況」に追い込まれました。

どうやら状況はそのようであったと推察されます。


しかしながらその後、このソフトによる判定方法は非常に恣意性が高いものであった事が見えてきました。

客観的であると思っていた判断基準がほとんど一人の分析担当者の主観レベルと同じものであった訳です。

さあそうなりますと「あやしい」というのは棋士の個人的な感覚、主観のみになってしまいます。


そうして今回、連盟が犯したミスは「時間がない」と思い込んだ所(思い込まされた所?)にも原因があります。

それゆえ、その場では「これが正解だ」という案に飛びついてしまいました。

こうして、なるほどプロ棋士は将棋については専門家でありましょうが、こと緊急時の組織運営、トラブル処理についてはほとんど素人同然であるということが明らかになった訳であります。

(教訓:大事な事、秘密の事だから、、、といって召集されると、自分達から率先して孤立し、世間から切り離されます。
そうして、これは洗脳を行う場合と似た状況を作り出します。
それで、仕方なくそうせざるを得ない場合には、判断には十分な時間をかける必要があります。)

(教訓その2:組織内での立場の強い者が行うのは内部告発とは言わない。
そういう者は自分の立場を使って、不正があってもそれを組織内の機能で是正することが可能である。
しかるに今回のケースでは是正しようとして、パワハラの一線、そうして利益誘導の一線を踏み越えてしまっている。
世間のルールを無視して村の論理に従った典型的な例の様にみえます。)


PS
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