かの天才落語家だった故枝雀師匠がよく言っていた言葉に、笑いは緊張と緩和の理論で成り立つ。
緊張とは通常の状態ではない事で、緊張している状態においてそれを普通の状態に緩和させるオチがその後に控えていると認識した時点で笑いが起こると自分なりに解釈している。
すなわち、ずっと緊張した状態が継続しオチが来ることを予測できなければ笑えない。
ライブの公演でもアンコールには一般的にはよく知られた定番の曲が使われ、いざ馴染みのイントロが始まるだけでコンサート中張り詰めていた気持ちも一気に緩和され満足感を得る。
1973年に出たユーライア・ヒープのライブ・アルバムはまさしくそれを実践しているように思えるのだが….
悪魔とか魔法など非日常的なテーマを陰りのあるハモンド・オルガンとこれまた明るいとは言い難い不安を醸し出すようなコーラスにバッキングされた曲が連続するセット・リストにより、観客はコンサート中ずっと緊張を強いられる。
そこで彼らはこの緊張を緩和させるため、コンサートを締めくくりに聴き慣れたロックンロール・メドレーを演奏。
よって気分転換が図れた観客はハッピーな気分になり家路につく。
ヒープのファンにはこのロックンロール・メドレーがチンタラした雰囲気で、ヒープのイメージを壊すという人もいるが、寝ぼけたことを言っちゃいけない。
彼らが目指したのはやっぱり規模の大きいアメリカのマーケットでの成功で、アメリカ受けするようなオリジナルの曲作りやアメリカ人なら誰でも知ってるロックンロール・メドレーをコンサートの締めに演奏するのは必要不可欠だったと思うのだが....
このライブ・アルバムのCDが1989年にアメリカのマーキュリー・レーベルから出た時、オリジナル2枚組LPの収録時間が当時のCD一枚分の許容量を超えていたため已む無くロックンロール・メドレーをカットされた。
90年代になって技術的に収録許容量を増やすことができたため、ロックンロール・メドレーが復活収録されアメリカのヒープ・ファンもさぞかし喜んだのではないかと….
我が家にも当時買った2枚組のLPが存在する。
ベース・ラインとハモンド・オルガンが印象的って言うか、ロックンロール・メドレー結構いいじゃないの。
まあ、ヒープの売りは元々ベースとキーボードに酔っ払っていない時のボーカルぐらいだけど...
あれ? このLPは国内盤じゃないね!
確か、このアルバム近所の小さなレコードショップで買った記憶があるから、輸入盤じゃなかったはずだけどね〜
通りすがりの人:何を寝ぼけた事を!遠い昔の記憶なんてあてになんかなりませんからね。
(先代の三平師匠風に)どうもすいません〜
三平師匠の掴みの客いじり、このお方も天才でした。
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