
本日、以前アップしましたレッド・ツェッペリン II の記事に関しまして貴重なコメントいただきましたので、それに関連して補足した記事をアップさせていただきます。
このアルバムの数曲に既存のブルースの曲から歌詞などが引用されたにも拘らず、オリジナルの作者名がクレジットされていなかったことから、後日クレームを受けることになったのですが、ブルース自体がトラッドなど作者不詳の音楽を取り入れている場合もあるので、ブルースをオマージュとして新しいサウンドを作り上げることに関しても同様に寛容であるべきはないかという考えも有ったと書きました。
またレッド・ツェッペリンとしては、例え似通った内容があったとしても、出来上がった曲は新たに創造された全くの別物と言う自負、つまり絶対的な自信があったからこそ、このような表記になったのではないかと思います。なぜなら、このアルバム以外にも同じようなケースがあり、それらは彼ら自身の名前がクレジットされていたからです。
英盤と米盤の楽曲に関するクレジットの表記の違いは、英アトランティックか、ジミー・ペイジやピーター・グラントの意向だったのかはよくわからないのですが、私はレコード会社の英アトランティックが、欧米は訴訟天国であり一作目があまりに売れすぎたのを懸念して、内ジャケットの作者のクレジット記載を意図的に消し、その件をあまり目立たないようにしようとしたリスク管理だったのではないかと推測します。
この手の訴訟ではジョージのマイ・スィート・ロードやジョンのビートルズ時代のカム・トゥゲザーなどが有名で、一旦それに巻き込まれてしまうと、時間やお金の浪費、そして自身の名誉まで傷つけられてしまうので大変です。
ジョンの場合は、カム・トゥゲザーがチャック・ベリーのYOU CANT' CATCH ME に似ていたのことで、その版権を持つモーリス・レヴィからクレームがつけられ、ジョンは訴訟を避けるためモーリスが版権を持つ曲をソロ・アルバムに収録し、その売上からの印税でクレーム話を収めることで決着しようとしました。アルバム”心の壁、人生の橋”のYA YAと言う曲がそれに当たるものでしたが、モーリス・レヴィに言わせると曲の仕上がりがおふざけだったとのことで、ジョンは次作のロックン・ロールに、YA YA の再録とチャック・ベリーのYOU CANT' CATCH MEまで歌わされる羽目となりました。
ゼップ同様、人気があり過ぎれば、何か問題が起こるという有名税みたいなものですね。
さて、作者名のクレジットに関しまして、今回の場合再発が多く、ジャケットやレーベルの表記に関していろいろなバリエーションがありますので、その簡単なまとめとして下記に紹介します。
要約しますと、米盤と日本盤(ワーナー・パイオニア盤)はゼップの申告に従って作者のクレジットを内ジャケットに記載。
英盤は作者のクレジットを内ジャケットに記載せず。
CDが発売されたあたりから、徐々に改定が始まり、昨年のリマスター盤の記載が最終のものとなる?
という感じでしょうか。
米アトランティック盤


内ジャケとレコードのレーベルには、WHOLE LOTTA LOVEはジミー・ペイジ、ジョン・ポール・ジョーンズ、ジョン・ボーナムとロバート・プラントがクレジットされている。
英アトランティック盤


内ジャケには作者のクレジット無し、ただしレコードのレーベルには、WHOLE LOTTA LOVEはジミー・ペイジ、ジョン・ポール・ジョーンズ、ジョン・ボーナムとロバート・プラントがクレジットされている。
日本アトランティック盤(グラモフォン盤)


内ジャケには作者のクレジット無しそして曲のタイトルのカタカナのフリ付き、ただしレコードのレーベルには、WHOLE LOTTA LOVEはジミー・ペイジ、ジョン・ポール・ジョーンズ、ジョン・ボーナムとロバート・プラントがクレジットされている。
日本アトランティック再発盤(ワーナー・パイオニア盤、P-8042とFCPA-1040)



米盤と同様、内ジャケとレコードのレーベルには、WHOLE LOTTA LOVEはジミー・ペイジ、ジョン・ポール・ジョーンズ、ジョン・ボーナムとロバート・プラントがクレジットされている。
1994年のドイツプレスのCD

内ジャケとCDには作者の表記無し、WHOLE LOTTA LOVEのみのクレジットが訂正され、ウィリー・ディクソンが追加されている。他の曲のクレジットはレコード盤と同じ。
2008年のSHM-CD紙ジャケ

曲の作者のクレジットの記載が一切なし。
2014年リマスターシリーズ



内ジャケには作者の表記無し、WHOLE LOTTA LOVE、LEMON SONGとBRING IT HOME など3曲のクレジットが訂正され、ディクソンとバーネットの名前がそれぞれ追加されている。これが最終の統一形態と思われる。
コメントしていただいた方、ありがとうございました。
このアルバムの数曲に既存のブルースの曲から歌詞などが引用されたにも拘らず、オリジナルの作者名がクレジットされていなかったことから、後日クレームを受けることになったのですが、ブルース自体がトラッドなど作者不詳の音楽を取り入れている場合もあるので、ブルースをオマージュとして新しいサウンドを作り上げることに関しても同様に寛容であるべきはないかという考えも有ったと書きました。
またレッド・ツェッペリンとしては、例え似通った内容があったとしても、出来上がった曲は新たに創造された全くの別物と言う自負、つまり絶対的な自信があったからこそ、このような表記になったのではないかと思います。なぜなら、このアルバム以外にも同じようなケースがあり、それらは彼ら自身の名前がクレジットされていたからです。
英盤と米盤の楽曲に関するクレジットの表記の違いは、英アトランティックか、ジミー・ペイジやピーター・グラントの意向だったのかはよくわからないのですが、私はレコード会社の英アトランティックが、欧米は訴訟天国であり一作目があまりに売れすぎたのを懸念して、内ジャケットの作者のクレジット記載を意図的に消し、その件をあまり目立たないようにしようとしたリスク管理だったのではないかと推測します。
この手の訴訟ではジョージのマイ・スィート・ロードやジョンのビートルズ時代のカム・トゥゲザーなどが有名で、一旦それに巻き込まれてしまうと、時間やお金の浪費、そして自身の名誉まで傷つけられてしまうので大変です。
ジョンの場合は、カム・トゥゲザーがチャック・ベリーのYOU CANT' CATCH ME に似ていたのことで、その版権を持つモーリス・レヴィからクレームがつけられ、ジョンは訴訟を避けるためモーリスが版権を持つ曲をソロ・アルバムに収録し、その売上からの印税でクレーム話を収めることで決着しようとしました。アルバム”心の壁、人生の橋”のYA YAと言う曲がそれに当たるものでしたが、モーリス・レヴィに言わせると曲の仕上がりがおふざけだったとのことで、ジョンは次作のロックン・ロールに、YA YA の再録とチャック・ベリーのYOU CANT' CATCH MEまで歌わされる羽目となりました。
ゼップ同様、人気があり過ぎれば、何か問題が起こるという有名税みたいなものですね。
さて、作者名のクレジットに関しまして、今回の場合再発が多く、ジャケットやレーベルの表記に関していろいろなバリエーションがありますので、その簡単なまとめとして下記に紹介します。
要約しますと、米盤と日本盤(ワーナー・パイオニア盤)はゼップの申告に従って作者のクレジットを内ジャケットに記載。
英盤は作者のクレジットを内ジャケットに記載せず。
CDが発売されたあたりから、徐々に改定が始まり、昨年のリマスター盤の記載が最終のものとなる?
という感じでしょうか。
米アトランティック盤


内ジャケとレコードのレーベルには、WHOLE LOTTA LOVEはジミー・ペイジ、ジョン・ポール・ジョーンズ、ジョン・ボーナムとロバート・プラントがクレジットされている。
英アトランティック盤


内ジャケには作者のクレジット無し、ただしレコードのレーベルには、WHOLE LOTTA LOVEはジミー・ペイジ、ジョン・ポール・ジョーンズ、ジョン・ボーナムとロバート・プラントがクレジットされている。
日本アトランティック盤(グラモフォン盤)


内ジャケには作者のクレジット無しそして曲のタイトルのカタカナのフリ付き、ただしレコードのレーベルには、WHOLE LOTTA LOVEはジミー・ペイジ、ジョン・ポール・ジョーンズ、ジョン・ボーナムとロバート・プラントがクレジットされている。
日本アトランティック再発盤(ワーナー・パイオニア盤、P-8042とFCPA-1040)



米盤と同様、内ジャケとレコードのレーベルには、WHOLE LOTTA LOVEはジミー・ペイジ、ジョン・ポール・ジョーンズ、ジョン・ボーナムとロバート・プラントがクレジットされている。
1994年のドイツプレスのCD

内ジャケとCDには作者の表記無し、WHOLE LOTTA LOVEのみのクレジットが訂正され、ウィリー・ディクソンが追加されている。他の曲のクレジットはレコード盤と同じ。
2008年のSHM-CD紙ジャケ

曲の作者のクレジットの記載が一切なし。
2014年リマスターシリーズ



内ジャケには作者の表記無し、WHOLE LOTTA LOVE、LEMON SONGとBRING IT HOME など3曲のクレジットが訂正され、ディクソンとバーネットの名前がそれぞれ追加されている。これが最終の統一形態と思われる。
コメントしていただいた方、ありがとうございました。
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