CLASSIC ROCKを聴こう! PLUS

1960年から1980年代のロックを紹介していきます。またPLUSと言うことで、ロック以外の話題も!

ランダムにレコード紹介、その35 Fox

2018年12月22日 | ELTON JOHN
本日はエルトン低迷期だった1981年の作品、Fox。



前作、21 At 33の制作時代に録音されたアウト・テイク5曲を含み、残りはビートルズのホワイト・アルバムやアビー・ロードのエンジニア、ロキシー・ミュージック、プロコル・ハルムや日本のサディスティック・ミカ・バンドなどのプロデュースでおなじみのクリス・トーマスを起用。

各々の曲は丁重に作られているものの、前作のアウト・テイクを含むことによって統一感は損なわれ、またシングル・ヒットするようなキラー・チューンもなかったことからエルトンのアメリカでの販売されたLPとしては当時ワーストを記録した。


(サイド2の一曲目、Carla Etudeはインストのみで、エレガントなエルトンのピアノ演奏とジェームス・ニュートン・ハワードによるシンセとのアンサンブルが聴けて大変満足)

ところで、本作にはElton’s Songというちょっとあちらの方の世界を歌った歌が目を引く。

これは 前作でも楽曲を共作したトム・ロビンソン(2-4-6-8 Motorwayのヒットで有名。そして同じくあちら系の人)とエルトンが再度タッグを組んで制作した歌で、そのセンシティブな歌詞からオン・エヤー禁止となった国があったとのこと。

今でこそLGBTなる言葉が完全ではないものの一定の理解が示される様な世の中となり、テレビでも数多くのそちら系の人がごく普通に出演する時代となった。

エルトンの場合は、少々の事があっても全く動じないほどの人気および才能が既にあったのだが、やっぱり当時このように表立ってこの手の曲をアルバムに収録して積極的にカミング・アウトするのはかなり勇気のいることだったろう。

そして、その当時の行動がその後LGBTに関して徐々ではあるが認め始められたことに繋がったのではないかと…

単なる音楽のレコードだけではなく、そう言った意味においてもこのアルバムの存在価値は十分あったと思える。

ちなみに、このアルバムが発売された80年代の始め頃、私は一体何をしていたかと言うと….

以前勤めていた会社の忘年会の2次か3次会だったか、よっぱらった勢いで4−5名の先輩社員の方々と、もちろん金ヅルの社長も引っ張って高級クラブに突撃した様な記憶がある。

何とそこの臨時でママさんをされていた方が、当時その世界のパイオニアだったカルーセル麻紀さんだった。確か私の横に少しばかり座って二言みこと言葉を交わした様な….

翌日だったか、そのクラブのマネージャーらしき黒服の人が胡蝶蘭の鉢植えを持って、挨拶がてら支払いがまともにできる会社かどうか偵察に来たみたい。

ゲゲッ〜! 請求書の額が想像以上だったのか? 社長さん、顔には出さずとも、心の中では相当怒っていたみたい。

その後、同じクラブに会社であれ個人であれ飲みに行った事はなかった様な。

若き日のカルーセル麻紀さん、とてもFoxyな雰囲気だった様な記憶が微かに....