その昔、終戦後の食糧難時代、小学校の学校給食ではアルマイトの容器に注がれた生暖かい脱脂粉乳が登場。
味も酷く少し冷めると表面に膜が張ってさらに飲み難いことに。残すと先生に叱られるのでこんな時は覚悟を決めて一番最初に一気飲み。
さらにタンパク質を補うためと学校給食に鯨肉も登場し、カチカチのなかなか噛みきれない鯨肉を食した思い出が。
本日はイエスの1978年の9枚目のオリジナル・スタジオ・アルバム、Tormatoでも。みなさんご存知の例のクジラの唄が収録されている。

(イギリス南西部のデボン州にそびえるある山の頂がYes Torと呼ばれていて、これにTomatoをぶつけてTormatoなる造語が生またそうな。)
かって鯨を食用としてではなく鯨油の大量生産のため捕りまくり、石油が安価で大量に世界中に渡り始めると捕鯨は廃れた。そしてその後捕鯨を続けた国々に対しては動物保護団体から捕鯨は悪!って言われ続け現在に至るわけで…
このアルバムが出た当時、鯨油をとった後の不要な部位を単に廃棄するのではなく、自然に感謝して戴けるところは戴くって事で鯨肉カミカミで育った私としては彼らにとって都合の良い価値観を押し付けるなって若気の至りで反発。
てな事でこのアルバムは当時買わずじまいで、CDがリマスターされた90年代にようやく購入することに。
印象としてはパンク・ディスコ・ブームに沸く当時のミュージック・シーンを鑑みてプログレ特有の長尺曲は無くし、少しポップ寄りの聴きやすい作品を収録。
今聴けば、これはこれで悪くない。
そして今や鯨は調査捕鯨の捕獲による高級食品と相成り、そう簡単に食することは出来ない。
いつぞや大阪湾に紛れ込んだ弱った鯨はその死後、うん千万円かけて沖合に運びその死骸を投棄。鯨がもう食べ物だって感覚は無くなった。
ああ時代は変わったんだなって。