UOBケイヒアンのストラテジスト、ハナ・リー氏によると、中国の銀行が10月に国内企業向け新規融資に消極
的だったのは、不良債権を最小限に抑えるよう迫られていることが一因だ。
中国の商業銀行が抱える不良債権は9月末時点で総額1兆1900億元(約22兆8800億円)で、6月末時点から944億元増加した。これに伴い、平均不良債権比率は6月末の1.5%から1.59%に上昇した。
リー氏は電子メールで、「デフレ圧力の高まりや、製造業者の借り入れ金利が実質ベースで上昇していること
に対処するため、中国人民銀行(中央銀行)は2カ月以内に預金準備率をあと2回、政策金利を1回引き下げる余地があると思う」と指摘している。
「だが、銀行が不良債権に圧迫されていることで、(中銀の追加緩和による)融資促進効果はあまり大きくな
いかもしれない。銀行が融資先として大手企業を選ぶという状況は変わっていない」と言う。
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