私の図書館

主に読んだ本の感想。日常のできごと。

宮部みゆきの小暮写真館

2011年03月01日 19時04分55秒 | ファンタジー

ひさしぶりの宮部みゆき作品。傑作とまではいわないが、なかなかおもしろかった。
書き下ろしのこの作品、700ページをこす大作だが4つのエピソードからなるので中篇4作ってかんじ。

舞台は現代なんだけれども昭和のにおいが残る下町(ゴーストタウン)に主人公一家がひっこしてくるところからはじまる。 引越しさきは、小暮写真館。古家と明記されて売りにだされた小暮写真館をそのまま自宅とすることにした花菱一家。父、母、高校生の主人公はなちゃん(男)、と弟のピカちゃんのふつうの一家なのだけれど、幼いときに女の子を亡くしたこの一家はそれぞれにおもいを秘めていて、最後の章で昔の記憶が溶け出していく。
ユーモアも入っていて、心霊写真も入っていて、ほろ苦くもあるはなちゃんの高校3年間を軸に花菱一家やはなちゃんの友達を描いている。 

模倣犯、理由というよりICOとかにちかいかな。 

とうぶん文庫本では発売しないだろうし、文庫本になっても700ページもあるのできっと高いだろうし、ここはひとつ図書館でどうぞ。