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主に読んだ本の感想。日常のできごと。

沖方 丁の天地明察

2011年02月13日 12時12分03秒 | 歴史/時代物


去年の本屋大賞になったこの本、1年おくれて読んでみた。
すごくおもしろかった。 さすが本屋大賞受賞作。

江戸時代の数学者、暦学者、測定者そして本業は江戸城に碁打ち衆として務める渋川春海の生涯にわたる暦改正事業を描く。
将軍の前で碁をうってみせるのが仕事の碁打ち衆だけれど、数学に魅了され、さらに日本独自の暦をつくるという一大イベントをなす。
歴史小説にはほとんで出てこない登場人物に焦点をあてているところも、大変おもしろ。
江戸時代の数学、天文学の驚くべき可能せいも分かり、すごいなーっとおもわず感心する。
しかもこの主人公がかなり女々しく、よく泣くのです。 それも人間味あふれていてよかった。
侍や町家のひととはちがったキャラクターがでていて、新しい歴史小説のような気がした。
ラストまで一気に読めてしまうのだけど、もうもったいなくて途中で区切って読んでいた。
最後はNHKで前にやっていたプロジェクトXをほうふつさせるような壮快感と感動。

これはとってもおすすめ。本屋でハードカバー価格で購入しても後悔なし。

ちなみに今年の本屋大賞ノミネート作品はこちら。

■2011年本屋大賞ノミネート作■ 作品名(五十音順)
『悪の教典』表紙 『悪の教典』
著/貴志祐介(文藝春秋)
『錨を上げよ』表紙 『錨を上げよ』
著/百田尚樹(講談社)
『神様のカルテ2』表紙 『神様のカルテ2』
著/夏川草介(小学館)
『キケン』表紙 『キケン』
著/有川浩(新潮社)
『叫びと祈り』表紙 『叫びと祈り』
著/梓崎優(東京創元社)
『シューマンの指』表紙 『シューマンの指』
著/奥泉光(講談社)
『ストーリー・セラー』表紙 『ストーリー・セラー』
著/有川浩(新潮社)
『謎解きはディナーのあとで』表紙 『謎解きはディナーのあとで』
著/東川篤哉(小学館)
『ふがいない僕は空を見た』表紙 『ふがいない僕は空を見た』
著/窪美澄(新潮社)
『ペンギン・ハイウェイ』表紙 『ペンギン・ハイウェイ』
著/森見登美彦(角川書店)