名古屋するめクラブ

~名古屋発くうみるあそぶ~

意味がなければスイングはない  BY 村上春樹

2006年10月23日 00時19分37秒 | 読む
<ウィントン・マルサリスはなぜかくも退屈なのか?>

計33ページの原稿が、この命題を解くために費やされている。


なんですと~?

私の大好きなウィントンを「退屈」とは!

ショック!

でもね、読んでみてなぞが解けました。

村上さんが「退屈」と言っているのは、ウィントンの「ジャズトランペッター」としてのプレイ。

私が愛して止まないのは、彼の「クラシックミュージシャンとしての、バロック期のシンプルでノーブルな音」。

クラシックでキャリアを始めて、同時にジャズミュージシャンとしても名声を得た彼は、たぶん、そのまじめな性格と学者としての知性から、アフリカンアメリカンとしてのアイデンティティを「クラシック」ではなく「ジャズ」という手法で確立したかったのでしょう。

ジャズという形態で自己を確立させるために、苦悩しつつ、さまざまな新しい解釈と手法を使って新しいジャスの「器」を試行錯誤しながら実践していきます。

Marsalis Standard Time, Vol.1
Wynton Marsalis
Columbia

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↑ウィントンの試行錯誤企画
Standard Time企画(現在、Vol.6 まで出てます)

その取り組み方が、いかにも頭でっかちで、「心の叫び」で吹くべきところを「計算して」吹いちゃっているところが、村上さんに「退屈」と言わせてしまう所以なのでしょうか。

ウィントン!

これも愛!

ファン故の愛!

エールです。

人には「心」先行の人もいれば、「頭」先行の人もいるはず。

これからも頑張って、頭使って演奏してください。

私に言われるのも、どうかと思うけどね(笑)。



この本の中でピックアップされた10名の方々。
『シダー・ウォルトン』、『スタン・ゲッツ』、『シューベルト』、『ブルース・スプリングスティーン』、『ブライアン・ウィルソン(ビーチ・ボーイズ)』、『ルドルフ・ゼルキン』、『アルトゥール・ルービンシュタイン』、『スガシカオ』、『プーランク』、『ウィントン・マルサリス』、『ウディー・ガスリー』

今日の1曲:「アン女王の誕生日のためのオード」永遠の源よ(ラルゴ)(ヘンデル) BY バトル&マルサリス

バロック・デュオ
バトル(キャスリーン), 聖ルカ管弦楽団, マルサリス(ウィントン), ヘンデル, ネルソン(ジョン), A・スカルラッティ, プレディエーリ, ストラデルラ
ソニーミュージックエンタテインメント

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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
マルサリス (スミ)
2006-10-24 21:47:55
リンカーンジャズは結構\良かったけど?
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スミさん! ()
2006-10-24 23:47:26
そう!リンカーンジャズみたいなオーケストラはいい、とこの本にも書いてありました。「形式」があるからね。

私もリンカーンジャズは好きだよ!迫力あった!
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