昭和三丁目の真空管ラジオ カフェ

昭和30年代の真空管ラジオを紹介。
アンティークなラジオを中心とした、自由でお洒落な、なんちゃってワールド♪

東芝ラジオ かなりやDS 5UL-389

2007-09-24 | 東芝 かなりやシリーズ
 東芝かなりやシリーズに興味を持たれた方は必ずと言っていいほど訪問される、ほぼすべての かなりやシリーズの修復を網羅されたホームページがある。今回は、このHPにも紹介されていない、またgoogleの検索でも引っかからない かなりやDSという型番の、大変珍しい機種を入手したのでご紹介する。
        
 東芝かなりやシリーズの機種名は、原則的にAから始まるアルファベット1文字の中波専用機、またはアルファベット+S(Short WaveのS)2文字の中波/短波2バンド機に区別して命名されたが、必ずしも時系列的にAから始まるアルファベット順ではない場合や、型番が重複しているケースや欠番もあることを、このブログですでに何度か述べた。
冒頭で述べた有名なホームページでも、かなりやAS、BS、CSと続き、DSは無く、ES、FSが紹介されているため、てっきりかなりやDSは欠番の機種だと思い込んでいた。
ところが先日、何気にオークションを眺めていると「古い真空管ラジオ/クリーム色」と紹介されている、昭和30年代の真空管ラジオに目が止まった。出品者のコメントには「かなりや」とか「東芝」と一言も書かれていないラジオだったが、妙に引き寄せられるデザインのそのラジオをよくよく見ると裏蓋にかなりやDSの文字が! 
しかしこんな かなりやシリーズは見たことないぞ?! 
        
 レアな かなりやシリーズだと、すぐに1万円を超える。入札金額は、居酒屋1軒またはキャバクラ1セットまでの値段と心に固く誓っているボクとしては、
 「誰の目にも止まるなよ・・・・」
と秘かにオークション終了間際に入札する作戦をとった。

 指名ナシで入ったキャバクラで横についてくれたキャバ嬢が、入店初日の素人、さらにストライクゾーン真ん中寄りの女の子だったとき、キャバクラの匠・お坊茶間氏なら、財布の中身にモノを言わせラストまでの囲い込み指名を行ない、あわよくばアフターに連れ出すこと間違いなし!
一方、ボクにはそんな財力や精力的な強引さは持ち合わせないため、お気に入りのそのキャバ嬢が他の人に指名され席を立たないことを願いつつ、限られた時間の中で、彼女が心を開いてくれるよう、知恵を搾り出し、オフの日にプライベート・デートができる状況を作ることしかできない。
 キャバクラ嬢に例えたが、オークションで手にする真空管ラジオは、女性との出会いに似ている。またラジオを修復する作業は、“出会った女性の閉ざされた心を開く”、あるいは“世間や男性に対して斜に構えた、その心の隙間を埋めて、彼女の幸せな笑顔と豊かな心を取り戻す”ための、『男と女の時間』に似ているのかもしれない。
【注記】 以上、ボクは実際にキャバクラへ足を運ぶことはないので、勝手な妄想です (^。^;)
         
         ▲キャスト(キャバクラ嬢)に囲まれて、ご満悦のお坊茶間氏

 初めて見る かなりやDSは、サイドが楔(くさび)形に絞り込まれたキャビネット、前面の周波数スケール用透明フロントパネルとやや間延びしたスピーカー・グリルのアンバランス感に加え、横スリットの入ったクリーム色のボディと、縦スリットの入ったつまみ周りのベージュのカラー・コンビネーション、キャビネット正面右端にある取って引っ付けたようなバンド切替スイッチなどのイマイチ感が特徴的だ。 ただキャビネット正面下の真ん中に、ゴールドに輝く金属製の「Toshiba」エンブレムが輝いている。
        
 この かなりやDSを見ていると、透けるような白い肌で、美人ではあるが垢抜けない東欧やロシアの女性たちを思い出す。実はかって旧ソ連・T共和国出身の女性と付き合っていた時期がある。
彼女の故郷、K市中心部にある尖塔に金色の星が輝く白いクレムリン(ロシア語では「城塞」を意味する)と街並みのコントラストが、かなりやDSと重なり合う。そんな過去の情景に思いをはせながら、このラジオを修復することを決意した。
        

  メーカー :東京芝浦電気(TOSHIBA) かなりやDS 5UL-389

  サイズ   : 高さ(約14cm)×幅(約30cm)×奥行き(約11.5cm)

  受信周波数 : 中波 530KC~1605KC/短波 3.9MC~12MC

  使用真空管 :12BE6(周波数変換)、12BA6(中間周波数増幅)、12AV6(検波&低周波増幅)、30A5(電力増幅)、35W4(整流)

 オークションでは目立たなかったことが幸いしたのか?、入札価格はさほど上がらず、居酒屋1回分弱の金額で簡単に落札できた。
宅急便で届いた かなりやDSは、キャビネットの天板に焦げ後が数箇所あるものの、ツマミやエンブレム等の欠損や酷いダメージは見られない。ただ何十年も放置されていたのだろう・・・それなりに汚れも酷い。同調ダイヤルの糸掛けにも不具合があり、チューニングつまみは、周波数ゲージ半分の位置に来ると「すれ違いの愛」のように空回りする。
        
 裏蓋を取外すと、清掃された様子はなく、キャビネット底部やシャーシ上に配置された真空管やIFT、バリコンには埃が堆積し汚れている。長年放置され、垂直型シャーシの一部に錆が浮いた かなりやDSに、つい感情移入してしまう。
        
 まずはキャビネットから縦型シャーシーを取外そうとしたところ、同調ダイヤルの糸掛けがプーリーと干渉し、途中で引っかかって回らないため、周波数指針を取外す位置に移動できない。ならばシャーシを先に取外そうとしたのだが、シャーシ取付ネジの1つがPHONO端子とボリュームの狭い僅かな隙間にあるため、手持ち工具では回せない。
どうして東芝はこんな意地悪なレイアウト設計をするのだろう・・・(T_T)
苦労は多いほど成就したときの喜びが大きいのも、恋愛に似ている!とは分かっていても、つい慎重になってしまうのは歳を重ねたせいか、欧米化! いや、臆病化?

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8 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
ラジオ (なっちゃん)
2007-09-23 20:18:10
店長さん、はじめまして。いつも楽しく読ませてもらっています。
県外の放送も聴けるようなラジオが欲しいです。修理は出来ないので新しいもので。何か紹介していただけませんか。
返信する
県外の放送も聴けるラジオ (店長)
2007-09-23 20:45:28
なっちゃん様
はじめまして。「昭和三丁目の真空管ラジオカフェ」にお立ち寄りいただきありがとうございます。
国内の中波ラジオ局を聴くと、地元色豊かな番組も多く、結構楽しめますよ♪
私のお薦めラジオは、次の3台です。ポータブルタイプで旅行などにも使う高性能ラジオなら・・・
ソニーICF-SW7600GR(30,000~35,000円)
http://www.ecat.sony.co.jp/audio/radio/products/index.cfm?PD=274
ソニーICF-SW35(実売価格17,000円前後)
http://www.ecat.sony.co.jp/audio/radio/products/index.cfm?PD=272
家でまったり聴くのなら・・・
パナソニックRF-U700(実売価格10,000円前後)
http://tabo.txt-nifty.com/ratelog/2005/07/rfu700am_380e.html
ただいずれにしても窓際で聴いてくださいね。鉄筋マンションだと感度がぜんぜん違います。
このブログにお立ち寄りいただく方は、いい人ばかりなので、ぜひお気軽にコメントください。
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かなりや好き人間です。。 (ぴょんぴょん)
2010-01-02 18:43:22
自分は東芝かなりやシリーズは大変興味を引かれ、昔から東郷神社フリマなどで無理しながら買いあさったものです。最近はやふおくで売られるようになり入手は楽になりましたが、10年位前は、かなりやはどんな種類がでているのかすら調べるすべもなく逆に興味をそそったものです。自分はFMを主に聞き短波やAMにはあまり縁がないのですが、幼少時貧しかったせいかアンティーク製品は当時のアメリカ映画を髣髴させ、他人の家に遊びに行ったときあこがれたものです。しかし、これが昭和50年代ではなく、3,40年代の代物と気づいたのは随分後のことです。。自分は人が大事にしているものはほしがらず、手放したり、汚れてみにくくなったものを磨くのが主で、電気やの頃真空管テレビを修理できるようになったりプラスティック研磨を覚えだした頃から収集に熱が入ったものです。今は不況のせいかあまり買い物はしていません。。東芝かなりやうぐいすは透明部を熱着しているので側ケースごと風呂場でじゃばじゃば水洗いしたり、彫刻刀ではずしてまた付けてうらをまた塗るめんどくささがありますが、それもまたおつです。。デザインが他社よりもいいので許せますね。。。がり音に接点活性剤やCRCをかけたりとよくやったものです。。。最近ブログをはじめたので自分の直したラジオを写真に載せようかと考えています。自分はアンティーク屋でもやろうかと昔は考えましたが、手に入れたら売りたがらないのと嫌いなデザインは買わないので、それはやらないでしょう。。。らじお部屋と検索したらでるかと思いますが、若向けに作っているのとおかねをかけてまで凝ってないのでお気に召さなければあしからず。。。では、新たなかなりや記事やその他もろもろに期待します。。。
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かなりや好き人間 (店長)
2010-01-02 19:06:23
ぴょんぴょん様

ご来店いただき、ありがとうございます。
映画「ALWAYS三丁目の夕日」に見られるように、まだ日本全体が貧しく、だけど明日の希望に燃えていた時代を感じさせてくれる真空管ラジオに魅せられて4年が過ぎました。。。
50年近くも眠りについていた、ホコリまみれのラジオをキレイにし、新たな息吹を灯す作業は格別な時間ですよね。
らじお部屋のブログも拝見しました。
自分は当時を知らない若輩ではありますが、ボチボチ、自分のペースで細く長く楽しんでいますので、ぜひまたお立ち寄りいただければ何よりです。
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Unknown (ぴょんぴょん)
2010-05-05 01:10:45
かなりやDSは羨ましいですね。。。僕は昔から秋葉の内田電気で写真を見ながら実物を見たことがありません。。。所で、3丁目の販売と同じ色のかなりやCSの極美品を今日手に入れたので僕のサイト「らじお部屋」に写真を載せました。かなりやCSの茶色の色違いは知っていましたが、このエメラルド色の緑は写真の写り違いと長い間考えていたので新発見であり、黄緑色バージョンCSと並べて写真を撮ってみました。。。
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かなりやOSを知りたい (ぴょんぴょん)
2010-05-05 13:20:14
つい先だって薄紫のかなりやOSを汚れやプラ欠けや塗装はげの理由からか大変安く手にいれたのですが、汚れは研磨でおち、透明プラやつまみを外して磨き、欠けも3箇所微々たる物でプラ造成に着色剤を濡れ色を計算して精密に練り合わせて、どこを修正したか分からないほど成功したのですが、前面塗装がもともと白なのかベージュなのかレモン色なのか分からず困っています。。。おそらく尿素樹脂の一種なので普通のラジオと違い白カシューかラッカー塗装かもしれませんが、そこをスプレーすれば組み合わせて見事新品みたいな状態なんです。。。大昔このラジオの実物を拝見したそうですが、塗装は何色だったのでしょう??なお、このOSはつまみの根元が同じように割れていたのも同じでしたよ。。。
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らじお部屋 (店長)
2010-05-05 22:21:23
ぴょんぴょん様
ラジオ部屋の数々のラジオ、じっくり拝見しました。
かなりの数の かなりやシリーズを蒐集されましたね。
エメラルドグリーン(ターコイズブルー?)の かなりやCSは私も知りませんでした。。。
アマガエル色(笑)のCSより、ずっとオシャレですね。
自分は かなりやCS、ESはデザイン的にどうもピンとこず、スルーしていましたが、このCSなら飾っていてもいいかも・・・と思います。
かなりやOSの前面塗装は塗装だと思います。
ロットによってオフホワイト、アイボリーなどの微々たる違いがあるのかもしれません。
また塗装は経年変化により変わりますもんね。
ときどきお邪魔し、拝見いたしますので、よろしくお願いいたします。
私のブログはなかなか更新できなくて、ヒンシュクですが、ぜひお立ち寄り下さい。
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Unknown (ぴょんぴょん)
2010-05-05 23:10:23
コメントありがとうございます。おそらく自分はかなりやOSの塗装は薄ベージュ、アイボリーあたりだと思いますが、塗装の状態からして白では無いのかも知れませんね。。。或いは白もあるのかも知れませんが、、、自分はOSは大体高くなるので避けてましたが、またひとつかなりやが増えました。。。自分は(部品揃いや状態の限度もありますが)可哀想なラジオほど直したくなるので近じか直し終えて写真を載せる事でしょう。。。
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