昭和三丁目の真空管ラジオ カフェ

昭和30年代の真空管ラジオを紹介。
アンティークなラジオを中心とした、自由でお洒落な、なんちゃってワールド♪

バレンタインとSONY MP3対応CDウォークマン D-NE920

2007-02-24 | 昭和三丁目の真空管ラジオ
 毎年2月に入るとヴァレンタインデーに浮かれる世間を横目に、「ケッ・・・そんな女・子どもの戯事に俺を巻き込まないでくれ」と斜に構える“期間限定ハードボイルド店長”の元にバレンタインデーを過ぎた某日、小包が届いた。
 怪しげなその小包を恐るおそる開封したところ、キレイに包装されたチョコレートとおぼしき小箱、ビニール袋に詰められた大量のクッキー、そしてさらに宅急便用封筒に包まれた小箱が出てきた。送り主とメッセージカードの内容はあえて伏せるが、「・・・・期待されないのも悔しいので送ります」と書き添えてあった。

 キレイな包装の中からは、Lindtのチョコレートが現われた。まぁせっかくなので、一口食べてみたらやや酸味がかった力強いカカオの香りとコクのある風味が口の中に広がる。調べてみるとLindtのチョコは、スイスのメーカーで南米アンデス山系の最も小さな国、エクアドルで栽培される「アリーバ」と呼ばれる高級カカオ豆を100%使用した製品とのこと。MEI○Iやロッ○、グ○コといった甘ったるいチョコとは一線を画した大人の味がする訳だ。

          

 一方、豆乳おからクッキーは、ダイエット効果のある豆乳とおからを手間をかけて丁寧に練り込み、玉子も使わないそうだ。
「経理課主任」と「商品開発室スーパーバイザー」の肩書きを並べた名刺を持つ送り主曰く、おからは、食物繊維はもちろん、大豆の良質な蛋白質や鉄分、カルシウム、ビタミンB1・ビタミンB2、ビタミンE、レシチンなどのミネラルと栄養分が豊富。イソフラボンやサポニンなど注目の栄養素も多く含まれている。ダイエットに人気の食物繊維は、体内で水分を吸収して腸で膨らむので、とても満腹感を得やすいのが特徴。
確かに最近、メタポリック症候群予備軍になりつつあるσ(^_^) ですが、何だか治験用マウスの代役になった気分・・・・だ。

          

 そして一番怪しげな宅急便用封筒の包みを開けると、な、な、何とソニーのCDウォークマンが出てきた。パッケージを開けてみると、数あるCDウォークマンの中でもMP3対応高級CDウォークマン D-NE920じゃないっすか・・・!

          

 実は、先輩&友人である音響の匠氏が'50年代のスタンダードJAZZをMP3音源に変換した数百曲入りCDを作り、真空管ラジオに接続して事務所の中でBGMに流している。真空管ラジオから流れる、中域にまとまった、まったりとした音色が妙に心地よい。
 以前、この荷物の送り主と「真空管ラジオに繋ぐMP3対応のポータブルCDプレーヤーがほしいけど、どんな機種がいいんだろう?」といったことを話題にしながら、家電量販店にポータブルCDプレーヤーを一緒に見に行ったのだが、UFOのような真円型のボディ・デザインの製品ばかり並び、乗り気がせずに購入しなかった経緯(いきさつ)があった。
そのことを覚えていたのか、治験用マウスの代役になるバイト代がわりなのか?・・・などと悪態はつかず、ここは素直にお礼を言っておきます♪ ありがとう~!

          
   MP3音源CD【写真左】からのJAZZが流れる、音響の匠氏所有真空管ラジオ

 ウォークマン(WALKMAN)は、ソニーが1979年に発売した携帯型ステレオカセットプレーヤーの名称だが、現在ではメディアの進化により、ソニー製のポータブルデジタルオーディオを含めたオーディオプレーヤーの総称となり、 ①ハードディスク・フラッシュメモリ型ウォークマン(ネットワークウォークマン) ②MDウォークマン ③CDウォークマンなどメディア別に分化し販売されている。CDウォークマンは、当初「ディスクマン(Discman)」と呼ばれており、後に8cmCD専用機として「CDウォークマン」の商標が登場したが、「ディスクマン」と「CDウォークマン」は統合された。

          
【写真左上からヘッドホン、漢字表示対応スティック・コントローラー、ニッケル水素充電池、乾電池ケース、充電スタンド、ACアダプター】
 D-NE920は、アルミニウム素材の質感を生かした新感覚デザインのコンパクトボディ(幅127.0×高さ136.4×奥行20.8mm 重さ約160g)に漢字表示液晶の使いやすさと機能美を両立させたデザインだ。
高音質を再現するデジタルアンプや細かい音質の設定ができるパラメトリックイコライザの搭載、ハイクオリティーヘッドホンを採用するなど、高音質テクノロジーを結集したハイパフォーマンスモデルだ。
ATRAC3plus/MP3ファイル記録のCD-R/RW再生対応するとともに漢字表示対応スティック・コントローラー(バックライト付き)も付属する。
 また簡単操作のオリジナルCD作成ソフト「SonicStage Ver.2.1」を使い、パソコンでCDを編集し、約490曲の音楽を1枚のCDに集約することも可能であり、真空管ラジオの音源とするだけではなく、様々なシーンで大いに活躍してくれそうだ。
 連続再生時間は、ATRAC3plus再生時なら40時間(付属充電池使用)と60時間(アルカリ乾電池使用)、両方を同時使用すると実に100時間の連続再生が可能となり、通勤や出張に十分使えるだけのパワーがある。

          

 正直に言うとアナログ・オーディオ世代のボクは、PCを介して楽曲の転送という手段を経ないと聴くことのできない、i-podに代表されるデジタル・オーディオの世界はハードルが高く、躊躇していた。
従来のポータブルCDプレーヤーの機能と使いやすさはそのまま残し、ATRAC3plusやMP3形式の再生に対応することで、CD-R・RWに書き込んだ数多くの楽曲を外に持ち出して楽しめるMP3対応CDウォークマンD-NE920を選択してもらい、ちょっと低めのハードルからポータブル・デジタル・オーディオの世界へ一歩踏み出すことに(踏み出さざる得ない・・・?)なりそうだ。

「ただより高いモノは無い」の諺があるため、同じ機種を購入し、3/14のホワイトデーにプレゼントする予定・・・それまでにD-NE920の使用レポートと真空管ラジオへの接続については、追ってご紹介します。

バイクだけどペダルがついている自転車?!

2007-02-16 | 三流オトコの二流品図鑑
 「バイクだけどペダルがついている自転車、買おうと思うの!」 店員の口からいきなり意味不明な言葉を聞かされ、少々たじろいだが、「ははぁ~ん・・・『モペット』のことか」と理解できた。
 モペットとは「自転車」と「バイク」がくっついたような、見た目も“バイクにペダルが付いている”といった感じで、ヨーロッパの街中でよく見かけた乗り物だ。モペットの意味はモーター(MOTOR)とペダル(PEDAL)をあわせた「Moped」。オランダTOMOSやイタリアCiao、フランスVOGUE、PEUGEOTなど日本にも輸入され、オシャレ優先系?の女性に人気らしい。

          

 店員も以前、PEUGEOT製のモペットに乗っていたが、ヨーロッパ製モペットの多くが50cc程度のエンジンを積んでいるのに対し、“自転車にエンジンが付いている”雰囲気のモペットが国内メーカーから発売されている。

          

 '80代の半ば頃にホンダからピープルというモペットが発売されていたが、現在は只一社から発売されているFK310-LAⅡを発見し、一目惚れしたそうだ。

          

 この日本製モペットFK310-LAⅡは、専用自転車フレームに専用に開発された排気量31.7cc小松ゼノアエンジンを取り付け、ペダルをこぐ力を利用してスタートするモペット型のバイクだ。自転車とさほど変わらないように見えてしまうが、道路交通法では原動機付自転車に分類される。

          

 モペットで走る時には、3つの走行形態がある。
▼普通にオートバイ モード
 手元のエンジンレバーを操作して楽々走ります。
▼ペダルを漕ぐ自転車 モード
 エンジンに付いているスイッチを切り替えれば、無公害の自転車として使えます。ガソリンが無くなった時や、静かな街並みをゆっくり走りたい時などには便利です。普通のモペットでの自転車走行は、ギア比や車重などからあくまでも非常手段として考えられているようですが、自転車に近いFK310-LA2ではそれほど苦にはならないとか。
▼エンジン+ペダルのハイブリッド モード
 エンジン走行中にもペダルが使える。電気の力でアシストしてくれる電動自転車とは逆で、小型エンジンのパワーを人力でアシストします。発進時や坂道をのぼる時に力不足を感じたら、一生懸命ペダルを漕ぎます。

 小さなエンジンなので、それほどスピードも出ないため20~30km/hくらいでゆっくりと走ります。写真で見る限りこのフレームでもっとスピードが出ると怖いと思う。
当然運転免許も必要で、ヘルメット着用、自賠責の保険もかけなければいけません。メーカー希望小売税込価格¥102,900の国産モペット、電動アシスト自転車や原付スクーターに飽き足らない人にはお薦めかも?
 店員のズッコケ使用レポートを待つことにしている。

          

 ちなみにかめ様の情報から、昭和三丁目の時代には、タイヤメーカーで有名なブリジストンタイヤ(株)が販売したBSモーター駆動による和式モペットがあったとのこと。手軽さなど現代にも通用する無駄の無い造り。年配の方に話をうかがうと、近所のお坊さんや八百屋が仕事が使っていたと聞く。

 今まで紹介した中で、一番味のあるモペットって、これじゃん!! と思う。

オープンテラスとJAZZの流れる空間

2007-02-06 | 昭和三丁目の真空管ラジオ
 CAには勤務規定があって一日に飛ぶ時間・回数の制限がある。店員@ラジオカフェの元職場の友人がフライト後、こちらでスティ&オフとなったときに、近場の隠れ家へ案内する。乗務員たちの滞在するホテルから40分、瀬戸内海ののどかな海岸線を走った先に、その店はひっそりとたたずむ。


          

 東京→広島(1レグ目・乗って来た便) 広島→沖縄(2レグ目)
 沖縄→広島(3レグ目)          広島→東京(4レグ目)

 これは社によって違うが、例えば一日/4回・フライト6時間まで、というように決まっている。今回のように、4レグ目はなく、翌日のDH(デッドヘッド:「便乗」のことを言い、機内で勤務を行わず、乗客と同じ席に座って移動する)の便が夕方になるため、そうなると彼女たちを近場の快適スポットへ案内するアテンド役を仰せつかることになるわけだ。

          

 海岸沿いの国道を車で走ると、小高い場所に位置するカフェが見えてくる。
オープンテラスと高い天井、JAZZが流れる空間だ。全面ガラス張りの窓から見える瀬戸内海を眺めながら、ゆったりとくつろげて自然と会話も弾む。
 店内には建築雑誌や洋雑誌が、白い回転式のマガジンラックにきちんと並べられている。
テーブル席には、カップルや女性友達らしき客が座り、海を見ながら、ピザやコーヒーを食してる。
カウンターでは、地元のおじさんが、まるで自分の定位置の席のごとく、座ってコーヒーを楽しんでいる。

          

 自家焙煎コーヒーの香りと、海からの風がここちいい。
毎日が乗客の快適な旅と安全確保のために緊張と背中あわせのCAである彼女は、カモミールティーのカップを口に運びながら、目の前の景観と日常からかけ離れた時間の流れを堪能している。

「素敵なお店ですね・・・yu-さんとも、このお店にはよくいらっしゃるんですか?」
彼女は店員yu-が当然この店について知っていることを前提に、尋ねてきた。

「ここはボクの隠れ家だから、それは ひ・み・つ!」
その前提を覆すウイットで、切り返す。

                 

 彼女は笑って頷き、クラシックショコラをフォークで一口サイズに切り、
「美味しい~♪」 幸せそうな笑顔で、ボクにも食べてみるよう目で促した。

          

 JBLのスピーカーと棚に並ぶアキュフェーズのオーディオシステムからは、ボクの好みからは少し異なる、しっとりした音でソニー・ロリンズのサックスが流れてくる。
 CDは取扱いは楽なのだが、無味乾燥の音しかしない。それをアンプやスピーカーで調味料を加えた音づくりをしてしまうため、どうもしっくりこないのだ。先日から先輩&友人の事務所で、LPレコードからのピュアなオーディオ・サウンドを聴かせてもらっているため、余計にそう感じてしまう。
 そんなつまらないであろう話を、潮風と窓から差し込む暖かい光が補い、彼女は興味深そうに聞き流してくれた。

          

「あ~・・・・気持ちいい~♪ こう感じる『感覚』って大切ですよね」

 彼女の言葉に、目からウロコが落ちた。

 最近は観念で捉えてしまい考え込むことが多く、五感で捉える『感覚』の大切さを忘れていたことに気付いた。
店を出て、海に向かって思いっきり背伸びをし、大きく深呼吸をした。
ボクの隣で、背の高い彼女もまた、同じ格好で背伸びをしていたことにお互いが同時に気付き、その姿に思わず二人で大笑いした。