昭和三丁目の真空管ラジオ カフェ

昭和30年代の真空管ラジオを紹介。
アンティークなラジオを中心とした、自由でお洒落な、なんちゃってワールド♪

駅弁、万歳!~桃太郎の祭ずし 編~

2006-09-29 | 昭和三丁目の真空管ラジオ
今日は9月29日、上半期の決算日、多忙な日である。にもかかわらず、滋賀県の事業部へ急遽出張することになり、朝7時前に一旦出社後、夜7時前にオフィスへ帰社する強行軍の出張である。

 ただでさえイライラする期末、現地の窓口担当者から「今日しか関係者の時間が取れないんですよ~」と泣きの連絡が入った。朝7時前に一旦出社後、10時前の新幹線に飛び乗り、夜7時前にオフィスへ帰社する強行軍の出張となった。
最近は経費節減・コスト削減のためでもあるが、宿泊出張は日常業務を圧迫するため、日帰り出張とすることが多い。宿泊出張を終えて出社すると、書類やメールの山と対峙せねばならず、それを捌くだけでも大変な作業である。

 そんな慌しい出張の合い間に、最近見いだした唯一の楽しみは、「駅弁」だ。
駅弁は移動の車中で食べることができるため、時間の節約になる。そして何よりも弁当箱に包まれた『癒し』効果。
たかが駅弁、されど駅弁。この駅弁には私たちの想像を遥かに越えたそれぞれの「人生」があるのだ。また駅弁は地域によってそれぞれ特徴がある。駅弁には、特産物をはじめ、その地域の特色や作り手の思いが一つの箱にぎっしり詰まっている。フタを開けた時に見えてくる様々な背景。一言で魅力が言い表せないのが駅弁の本当の魅力なのかもしれない。

 今回は新幹線の乗換駅である岡山駅で、昼食用に「桃太郎の祭ずし」(950)を購入し、滋賀を目指した。岡山と言えば桃太郎。そんな桃太郎を前面に押し出した駅弁です。

           

容器も桃の形をしています。

          

良質の岡山産のお米を使用し、やや甘口のすし飯の上に、瀬戸内の新鮮な海の幸、山の幸をふんだんに使った郷土色あふれる「ちらしずし」です。中身に乗ってる具は次の通り。

・ままかり酢漬・・・岡山特産のにしん科の小魚。正式名称はさっぱ。北海道以南から東南アジアに分布。特に瀬戸内岡山産のままかりが有名になったのはままかりのえさが豊富なのと速い潮流にもまれ脂がのり、特に美味とされている。
・さわら酢漬・・・瀬戸内を代表する高級魚「さわら」。岡山東部、日生(ひなせ)産の物が有名。
・も貝煮・・・岡山西部笠岡地区の特産品。昔より祭ずしにはなくてはならない貝。正式にはさるぼう貝という。(猿がほっぺたをふくらましたように見えることから)
・しゃこ酢漬、 つなし酢漬、 たこスライス酢漬、 焼き穴子ときざみ穴子煮、 海老煮付

そのほか・・・竹の子煮、椎茸煮、錦糸玉子、菜の花漬、花れんこん、生姜

具の中にお酢でしめた海産物がいろいろ入っており、疲れた心と身体に元気を与えてくれます。ただ駅弁に入っている海老って大概殻が付いてますよね。新幹線の中でいちいち殻を剥くのはめんどくさくないですか?あれどうにかして欲しいと思いません?

おいしん坊、万歳!~博多ッ子 純情 田中麗奈と会っちゃいました♪~

2006-09-17 | 昭和三丁目の真空管ラジオ
 とある雑誌のランキング特集で、「サラリーマンが転勤したい都市」の№1にみごと輝いた福岡市。その理由の一つに「人情が厚い」と挙げられる街、博多へ一泊の旅に出た。

 博多っ子気質という言葉があるが、これは主に山笠の勇壮さにすかして見た博多の男性の野太い、しかしどこか照れたような人の良さ指す。一方、全国の転勤族の面々に「人情が厚い」と言わせるのは、言わずと知れた女性の情のことだろう。
 新幹線のぞみに乗り換えるため降り立った広島駅で買った穴子むすび(¥168)と伊右衛門茶で小腹を満たし、一路、博多へ。

      

 JR博多駅から地下鉄に乗り換え、福岡の中心地・天神へ。ひさびさの再会の挨拶もそこそこに、地場百貨店の岩田屋やソラリアプラザが取り囲む福岡市・天神2丁目の1等地にオープンする、ファッションビルVIORO(ヴィオロ)へ向かった。
地上8階・地下3階、30歳前後の「大人の女性」をターゲットにしたVIOROは、イタリア語の「花(fiore)」と「真実(vero)」を意味する言葉を合わせた造語。高級ブランドを中心とした靴やバッグ、アクセサリー、カフェなど九州初出店の41店舗を含む、58店舗で開業。東京で話題の「表参道ヒルズ」のテナントも入居している。
 
      

 建築デザインは、商業施設の設計に数々の実績があるジョン・ロウ氏。
デザインキーワードは「温かみとクールさのコントラスト・永続性・透明感」で、「石」と「ガラス」の組み合わせをベースに「暖色系の塗装」と「金属の仕上げ」を随所に取り入れるなど、シンプルでありながらも上質な外観フォルムである。

      

 オープニングセレモニーでは、福岡出身の女優、田中麗奈さんがゲストとしてテープカットに出席し、新たな大型施設の誕生に花を添えた。

 博多の女性を言い表す方言に、「ごりょんさん」という言葉がある。山笠の期間中、一家の主の男が家にはほとんど寄り付かず、仕事もそっちのけで山にのぼせることを公に認められてきた博多の地。ごりょんさんの肩に、一家の切り盛りや山笠の裏仕事がのしかかり、それは博多の祭りのしめくくりである放生会(ほうじょうえ 9/12~18)まで続く。そして女性は着物を新調し、この放生会着もんでお参りしたそうだ。祭りにのぼせたご亭主から、ごりょんさんへのご褒美といったところか。
 傍で彼女を見ていると「田中麗奈がごりょさんで、俺は山笠にうつつを抜かす“博多っ子純情”な生活もいいなぁ・・・」などと、思考回路はトリップしてしまう。

      

 昼食は7Fのフレンチ・レストランBISTRO ET VINS PÉTOROで、980円のリーズナブルなランチコースを試してみた。ちょっぴり下のクラスをセレクトしても十分堪能できる程よい贅沢感が、逆に心地よい。

      

 午後からの仕事の時間調整のため、店内を観察して回ったところ、オープン初日ということもあり、女性客を小洒落た店員さんが迎えるショップの奥には「ちょいワル風」ファッションに身を固めたオジサンたちが控え、微妙な視線を送ってくる。
1969年、イタリアのフィレンツェで生まれた水牛のマークでお馴染みの高級レザーブランド イル ビゾンテ>(IL BISONTE)に立ち寄り、今日の記念に安いキーホルダーを購入してもらった。

 ひと仕事終え、ホテルでシャワーを浴びた後、夕食がてら外出した。
ガイドブックで洒落た話題の店を探す気合も根性もないボクは、いつものようにフロントで「この近くにあるお薦めのお店を教えてください~♪」と尋ねてみた。

      

 ホテルから歩いて五分、博多区役所前にある、店構えも店内もごく普通の居酒屋「男の食彩 あき津゛」は、知る人ぞ知る、他に類のみない貴重な”極附”オリジナル辛子明太子が人気の隠れた有名店でもある。ちなみに、こちらのお店と辛子明太子は、『ラピタ』2004年10月号、『サライ』2004年11月号別冊にて紹介されています。
とりあえずビールで乾杯し、恰幅がよく何気に品のあるご主人にお勧め料理を尋ねたところ、「この時期は秋刀魚や鯖が美味しいですよ」と気さくに対応いただけた。店主の人柄に触れることも、旅の楽しみの一つであろう。

       

 直径30cmの大皿に盛られたごま鯖の刺身は、焼海苔の上に刺身・白ねぎ・ワサビを乗せ、酢味噌をつけて食べる逸品だ。焼酎「夜叉」との相性も抜群!
次に注文したのは秋刀魚を炭火で軽く炙り、刺身にした『炙り秋刀魚』。表面に火を通すことで秋刀魚独特の芳ばしい香りに包まれ、脂の乗った新鮮な秋刀魚の刺身を味わえる。背身と腹身は別々の種類の醤油につけて食べるところにも、お店のこだわりが伝わってくる。
美味しい料理と焼酎に軽く酔い、初秋の夜風が心地よく感じる博多の夜であった。

東京芝浦電気(TOSHIBA)「かなりやYS」 5ZL-541

2006-09-14 | 東芝 かなりやシリーズ
 昭和28年(1952年)NHK第1・第2や民放ラジオ2局の電波を使った立体(ステレオ)放送の番組が開始されと。それにともない受信回路と出力回路を2組内蔵し、各々のラジオ局から送られた番組音源を同時に受信し、左右のスピーカーで再生する立体放送対応Hi-Fiラジオが注目を集めた。 
          

 当時の立体放送をNHKの例でいえば、第1放送が左側の音声、第2放送は右側の音声をそれぞれ放送し、2つのラジオを並べて置き、番組を聞けばステレオ音声が楽しめるという試みである。
しかしこの方法には、モノラル放送との互換性がとれない(受信機を二台用意しないと、片チャネルしか聞くことができない)ため、実際の立体放送番組はNHK「土曜コンサート」や民放ラジオ2局の協力による実験番組などに限られていた。
また複数の放送局から電波を送出するため、位相特性、周波数特性、信号レベル等の特性差が生じると、正しいステレオイメージが得られにくい等の問題もあり、広く一般には普及しなかったが、1つの筐体(キャビネット)に同調回路と低周波増幅回路(アンプ)を2組実装した専用ラジオも発売され、都市圏の富裕層の音楽愛好家から一定の支持は集めていたようである。

 その一方、mt管を使い、トランスを省略したトランスレス式真空管ラジオが普及するにつれ、従来の小型・標準タイプに加え、高級指向のラジオを求める消費者ニーズも生まれ始め、受信回路、出力回路は1組で実際はステレオ受信対応しないものの、スピーカを左右対象位置に2個搭載した『2スピーカーラジオ』が各社から発売された。
卓上小形のプラスティック・キャビネットに同じ口径のスピーカを2組積むと同じ出力でも2倍大きな音を出せるメリットがあり、「ステレオもどき」の2スピーカ・ラジオが瞬く間に流行したのである。

          

 東芝は、まず昭和34年(1959年)、かなりやシリーズに左右対称位置に2スピーカーを配置した かなりやCSと、キャビネット左側にスピーカーを2個配置した かなりやESの高級機2機種を発売した。
翌年、昭和35年には左右対称位置にデザインされた かなりやHS かなりやRSを、続いて昭和36年に発売された2スピーカータイプかなりやシリーズ5番目の機種が、今回ご紹介するかなりやYSである。
さらに昭和37年、かなりやS、かなりやX、マジックアイ付の かなりやJの2スピーカータイプ3機種を発売。4年間で累計8機種の2スピーカタイプのかなりやシリーズを世に送り出したことになる。
この年以降、かなりやシリーズは昭和39年に1スピーカ・モデルのかなりやKと かなりやLの2機種を出すにとどまり、真空管ラジオの生産を終えている。

          

 メーカー:東京芝浦電気(TOSHIBA)『かなりやYS 5ZL-541 』

 サイズ : 高さ(約15cm)×幅(約43cm)×奥行き(約12cm)

 受信周波数 : 中波 530KC~1605KC/短波 3.9MC~12MC

 使用真空管 :12BE6(周波数変換)、12BD6(中間周波数増幅)、12AV6(検波&低周波増幅)、30A5(電力増幅)、35W4(整流)

 横幅43cmの かなりやYSは、通常の1スピーカータイプのトランスレス式真空管ラジオより10cm長く、感覚的にはかなり横幅が広がったように感じる。ラウンドを効かせたキャビネット、さらには緩やかな曲面処理を施されたフロントパネルとアルミメッシュ製スピーカーグリルが相まったフラッシュ・サーフェイスのデザインにより、大きさの割には全体的に引き締まった印象だ。清掃・研磨後、新品の輝きをとり戻したときの かなりやYSを想像すると、気分も自ずと高まってくる。

          

 宅配便で届いた かなりやYSのプラスチック製キャビネットは、汚れ・黄ばみ、天板の裏蓋の止め部分に2ヶ所3センチほどのひび割れと、天板正面に若干の傷があるものの、パーツの欠品も無く、外観は程々である。
 オークションの出品者の方から、「修理済でMW,SWともよく受信ができています」とコメントされていた通り、裏蓋を取外すと、キャビネット内部は修理が行なわれた際に軽く清掃されているようだ。しかし完全に清掃されていないキャビネットとフロントパネルの隙間に堆積している大量の埃が、40年という長い時を経てきたことを物語っている。真空管のうち、30A5(電力増幅)、35W4(整流)の2本は東芝以外のメーカーの球に交換されている。

 いつものように内部抵抗値、ブロックコンデンサーの状態、ヒューズの規定値を確認し、電源を入れてみた。

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 平成4年(1992年)3月、「AMラジオのFM化」と期待され、東京のキー局、北海道・名古屋・大阪・福岡の大都市圏の各AMラジオ放送局およびWBS和歌山放送、RSK山陽放送、RCC中国放送、RKK熊本放送からモトローラ方式によるAMステレオ放送が実施されている。しかしAMステレオ対応ラジオが少ないことに加え、NHKが導入を見送ったことも影響し、幅広い普及には至っていない。

          
          ソニーSRF-A300、SRF-AX51V、パイオニアFD-3

 ただカーオーディオには、AMステレオ対応のCDチューナーが多く存在するので、いつものお気に入りCDやFM番組を聞いてばかりのアナタ! 一度、AMバンドに切替えてみてください。臨場感溢れるプロ野球中継が聞けるかも知れませんよ!!・・・・ん?、音楽好きには、プロ野球中継なんてウルサイだけだって??

結局、AMステレオ放送って意味ないってことじゃん?!

おいしん坊、万歳!~マドロスの街、そして神戸♪編~

2006-09-11 | 昭和三丁目の真空管ラジオ
今日は朝7時過ぎの新幹線に乗って、ロマンチックな街、お洒落な街、港町の異国情緒・・・・マドロス(今どき使わない死語!)の街、港・神戸に日帰り出張の旅に出た。

 新神戸に着くと「神戸休暇へ。~」などと、ぬるいキャッチコピーのJR観光ポスターが駅コンコースのあちらこちらに貼られており、「俺、し・ご・と にきたんですけど・・・」と、アマノジャッキーな台詞を吐き捨てながら、三宮行き地下鉄に歩き始めた。

      

 観光ポスターに毒づいてもしょうがない。眠気を覚まして今日の会議の議案進行の作戦を練るために、本格的ネルドリップコーヒーをリーズナブルに味わえる上島珈琲店 地下鉄三宮駅店で一息つくことにした。ちなみに、あのUCCコーヒーの発祥地は、ここ神戸であることはよく知られている。

      

「失われつつある日本の喫茶文化を大切にした、懐かしく温かで、しかしかつて何処にもなかった大人のための珈琲店」がコンセプトという店内は、日本のモダニズムの父と言われる工業デザイナー柳 宗理氏デザインの食器や椅子などを取り入れ、レトロさの中に斬新さを併せ持つ空間であり、イラついた気分を落ち着かせてくれる。

      

 三宮・花時計前駅から同市長田区の新長田駅までを結ぶ神戸市営地下鉄・海岸線に乗り、出張先の事業所のある和田岬駅に降り立った。愛称「夢かもめ」とよばれるこの路線は、日本で3番目の鉄輪式リニアモーター4両編成のミニ地下鉄。平日は路線沿線に勤める人の通勤、また途中にある御崎公園駅は神戸ウイングスタジアムの最寄駅でもあり、サッカーの試合開催時には賑わう。

      

 和田岬駅前にある活州居酒屋の海鮮丼(並¥480)は、安い!旨い!!
酢飯の甘みと酸味の具合も良く、魚介類たちの邪魔をしません。天ぷらも衣薄目でカラッとしてて美味しい。定食・一品(居酒屋メニューを随時)がやたらに多くて迷ってしまいますが、そこはグッとこらえてとりあえず海鮮丼を食してみてください。プラス100円で具だくさんの豚汁も付きますよ~♪

 七転八倒しながらも、打合せ、会議も無事終了し、ほっと一息つく、帰りの新幹線の楽しみは駅弁!! 正直、まさか自分がこんなにも駅弁に嵌まるとは思いもしなかったのだが、今日一日頑張った自分へのご褒美だ。

       

 淡路屋の、あぶり牛飯(1,000円 )、中華飲茶弁当(1,100円 )、牛めし(1,000円 )などを狙ってたのだが、新幹線の出発時間に追われ、選ぶ時間もなく、神戸食館弁当(1,100円 )を購入した。神戸の街並みをぐるり散策・・・そんなイメージで、ご飯のまわりに10種類のおかず、神戸らしさを詰め込んだ幕の内弁当は、それなりに神戸のビジネス旅情(?)を味わえる駅弁であった。