昭和三丁目の真空管ラジオ カフェ

昭和30年代の真空管ラジオを紹介。
アンティークなラジオを中心とした、自由でお洒落な、なんちゃってワールド♪

再び始めるBCL―世界のラジオを楽しむ! (三才ムック 税込¥1500)

2008-04-07 | BCL DX 遠距離ラジオ受信
  昨日「再び始めるBCL―世界のラジオを楽しむ!」(三才ムック 税込¥1500)を購入した。BCLとはのBroadcasting Listening / Listenerの略で、放送受信を楽しむ趣味のことだ。
 昨年からBCL入門書籍の発刊が相次ぎ、新聞や雑誌にもBCLの記事掲載と、広く「BCL」という趣味の再発見につながった年だったが、本書は「海外短波ラジオの受信」をメインテーマに、機材、受信テクニック、番組内容をわかりやすく紹介した新刊だ。
        
        ▲『再び始めるBCL―世界のラジオを楽しむ!』(三才ムック 税込¥1500)

 本書は、タイトルのとおり、休眠していたBCLに向けた内容なのですが、現役のラジオ愛好家も満足する内容になっている。まずば巻頭カラーで「BCLの神様」といわれていた、山田耕嗣先生の登場とお姿に、ビックリ!!各国の綺麗な女性アナウンサーに粘着(?)してたハツラツとした若い当時を知ってる者としては何だか時の流れを感じます(^^;)

 まぁそれはさておき、内容は、ざっと以下の通り。
●かつての少年たち、目覚めよ!「いま再びBCL!」
●心に残るアナウンサー10傑
●BCLブームを振り返る「思い出のベリカード」
●人気ナンバーワン局ラジオオーストラリアでの日々
●素晴らしきベリカード集
●海外放送局ペナント大全

【第1章 BCLを再び始めるあなたへ】
 -海外放送を楽しもう!
 -受信のい・ろ・はを復習しよう
 -受信報告書の書き方とコツ
 -ネット時代のBCLの楽しみ方
 -日本で聴ける海外中波局
 -「特殊な放送」を聴こう
 -はじめての海外ラジオに挑戦!

【人気の5機種を徹底解剖 BCLラジオカタログマニアックス】
クーガ2200/スカイセンサー5900/プロシード4800D/プロシード2800/ICF-6800A
 -BCLラジオのレストアに挑戦
 -激レア!!BCLラジオ
 -海外からラジオを入手しよう
 -懐かしの海外放送局ステッカー

【第2章 BCL機材研究】
 -オススメ! 現行受信機+アンテナ
 -ソニーICF-SW7600GR徹底使用レポート
 -中国製BCLを吟味する
 -対決!30年前のBCLvs最新のPLLシンセラジオ

【第3章 オススメ海外放送】
 -日本語編/英語放送編

【豪華付録 BCLラジオ周波数データブック】

 1970年代から80年代にかけて中高校生の間で世界中からのラジオ放送を受信するBCLブームが巻き起こった当時を思い出し、短波ラジオを買って海外放送を聞きはじめた元BCLもいらっしゃるでしょう。お父さんに教えてもらったり、マスコミで見かけたりしてBCLに興味を持ったビギナーもいるかもしれません。BCLという趣味としてではなく、ビジネスや語学のスキルアップのために、聴いている人も多いでしょう。
 ボクのようなBCL世代後期にちょっとかじった人間でも、全体的に懐かしさあふれる内容です。その昔、スカイセンサー5800やクーガ115で毎晩、ワルチング・マチルダを聴いていた頃を思い出します。今でも、あのABCラジオ・オーストラリアのインターバルを聴くと心に染み入るものがあります。当時は、海外放送が聞こえてくるだけで、本当に感動ものだった。
 そして3年ほど前から真空管ラジオとともに窓際に置いたクーガ2200/RF-2200のダイヤルを回す日々を続けている。
        
        ▲夜中にクーガ2200のダイヤルを回し、未知の放送に耳を傾ける
 日本語放送や英語放送、何語か分からない放送局など、昔も今も、空には無数の電波が満ちている。まだ純粋だった元少年の頃の夢を、今に甦らせてくれる密度の濃い、お薦めの一冊だ。

ラジオマニア 2007

2007-09-02 | BCL DX 遠距離ラジオ受信
 このところ超多忙を極める ワタクシ店長は、土日も返上、毎日深夜1時に仕事を終えて帰宅し、朝5時半起床、7時前に出社・・・と、至ってヘビーな日々を過ごしております。
 久々の休日、店員と対面鉄板カウンター式のレストランで早めの夕食を済ませた。この店は、緑の木々に囲まれた郊外にひっそりたたずむ創業30余年のお店だ。
        
 シェフとの間に存在するのは大きな鉄板というステージ。野菜やお肉や魚介類など、様々な演者が料理人というコンダクターによって独特の素晴らしい音や香りを奏でるスタイルは、アメリカ人にも「TEPPANNYAKI」として日本人以上に受け入れられている。
        

 食事の後、何気に立ち寄った郊外型大型書店の雑誌コーナーで『ラジオマニア2007』のタイトルと、表紙を飾るナショナル・クーガ115の写真が目に飛び込み、すぐさま手にとって見た。

        

まさに表紙のコピー通り、「AM+FM+短波ファンなら知っておきたい情報満載!!」の誌面は、読みやすく、楽しめる一冊だ♪

●遠距離受信記事が充実!
・AMラジオ受信実験
・いまから、いまこそ!短波ラジオ
・コミュニティFM75局受信の旅
・ループアンテナの達人に聞く…etc
●知られざるラジオ局の裏側
・有名ワイド番組に密着/放送局機材マニア/現場の声/送信設備を訪問…etc


 特にカラー30ページで構成される、以下の特集はかってのラジオ少年の心をくすぐること間違いなしの充実した内容だ。
●マニア垂涎のコレクション!
・ベリカードコレクション
・クーガを中心に夢のシャックを作ろう
・マニア心をくすぐるラインナップ/受信グッズレポート
・いま中古ラジオがアツい!
・レトロな昭和のラジオ
・嗚呼、憧れの通信型受信機
・実録、BCLラジオをヤフオクで落札


 旧来のラジオファンからは、とかく敬遠されがちな「デジタルラジオ」の世界の魅力も分かりやすく解説した、
●デジタルラジオを楽しむ!

 夕方や夜中にクルクルとダイヤルを回すときに便利な、
●夏改編対応、AM各局番組表
までついて、1冊 ¥1,260!

 「五島産生き鮑の海鮮焼と黒毛和牛ステーキ」2人前で¥33,600をご馳走になったお礼に、店員にもその場で1冊買って、プレゼント差し上げた次第である。

BE-PAL 8月号 寝台列車で懐かしいBCLをもう一度

2007-08-21 | BCL DX 遠距離ラジオ受信
 昨日の『BE-PAL 9月号 ブーム再燃!?夏休みはBCLキャンプ』の記事を読んでいただいた読者の方から、「BE-PAL 8月号でも同じような記事が掲載されてましたよ~♪」とご連絡をいただいた。



 路線数が年々減っているとはいえ、ブルートレインはまだまだ現役の旅列車。
新幹線や飛行機では味わえないスローな時間を過ごせるのは、寝台車ならでは。
そんなスロートラベルと相性抜群の遊びがBCL(Broad-casting Listening /er)だ。


 BCLとは、外国の短波放送などを聞く趣味。
30年ほど前に爆発的なブームを呼び、ソニーやナショナルが次々とBCL用ラジオを発売していた。
当時はインターネットもなく、海外渡航も夢。
子供たちは、机上で世界の放送を聞き、まだ見ぬ世界に思いを馳せた。


 放送局に受信報告書を書き送ると、ベリカード(受信確認証)が返送されてくるのも魅力だった。 
ところでBCLは、国内中波(AM)放送でも楽しめる。
短波と同様に、夜間は電離層の影響で遠くの放送局の放送が聞こえてくる。
寝台列車は一晩かけて各地を走るから、地域毎の放送が確実に聴ける。
ベリカード収集にはうってつけなのだ。


 本来は遠くの放送を受信して楽しむのだが、当時はベリカード欲しさに旅行中に受信報告書を書く少年も多かった。 
ネット時代だからこそ、ご当地の話題が楽しめるラジオの存在は大きい。
この夏はスロー&ローカルな移動を楽しむのはいかがでしょう。



 ボクも出張や旅先には、愛用のバッグに店員から譲り受けたICF-SW7600GRを入れて、出かける。
宿泊先で聞くご当地の方言交じりのラジオ番組や、その地から遠く離れた県外のラジオ局を受信できたときのトキメキは一種独特の趣がある。



 先日も宮崎へ取材旅行に行った際、ボクの住む県のラジオ局(出力20KW)が強力に入感して驚いたのだが、普段から何気に聞いている中継局の周波数で、その中継局(出力は僅か1KW!)の電波が弱いながらもハッキリ聞き聴こえて大いに感動した。
もう少し涼しくなったら、安上がりな青春18切符を片手に、『ローカル線で懐かしいBCLをもう一度』の旅に出てみるのも楽しそうだ。

BE-PAL 9月号 ブーム再燃!?夏休みはBCLキャンプ

2007-08-19 | BCL DX 遠距離ラジオ受信
猛暑の続く日本列島、いかがお過ごしですか?
暑さを逃れて入ったコンビニで、何気にアウトドア・ライフの定番雑誌、BE-PAL9月号を手にして開いたページに飛び込んできたのは・・・


 ランプの灯りの中で取り憑かれたようにスカイセンサー5900のダイヤルを回すオジさんと、
恍惚とした表情でイヤホンに聴き入るもう一人のオジさんの写真に手が止まった。

          インターネット時代にあえて・・・
          レトロ・ホビーにハマる
          夏休みはBCLキャンプ!


写真のページには、ボクらの年代にとって見過ごせないキャッチコピーが躍る

 夏といえばアウトドア!  家でチマチマと真空管ラジオを弄ってる場合じゃないと、
疲れた体にムチ打って家族や彼女と海やキャンプへ出かけた時期も、お盆が過ぎて一段落・・・
ホッと一息ついてらっしゃる世の中年男性には、絶妙なタイミングの記事ですね~。


 BCL(ビーシーエル)とはのBroadcasting Listening の略で、放送受信を楽しむマニアのこと。
このBCLブームが、中高校生の間で巻き起こったのは1970年代から80年代にかけてです。
基本的に海外の「短波放送」を聞く趣味を指すが、国内全国各地のAM民放ラジオ局の受信を楽しみ、その放送局へ受信報告を送ると多彩なデザインのベリカード(Verification Cardの略称:受信確認証)が外国郵便で送られてくることもBCLの大きな魅力の一つでした。


 80年代後半を迎えると、いわゆる「マニア」を「オタク」と称して忌み嫌う社会的現象とともに、中高生のBCLブームは収束し、リスナー層も語学スキルを高めることや最新の国際情報を必要とする「大人の趣味」へと移行しましたが、今月のBE-PALの記事中に、このBCLが最近密かなブームとなっていると書かれています。
それを裏付けるようにオークションではかつてのBCLブームの際に人気だった受信機(BCLラジオ)が高値で落札されています。

 実際、ボクも ちょっとしたキッカケでBCLを再開し、夜毎、その日の気分によって真空管ラジオやスカイセンサー5800などのチューニング・ダイヤルをクルクル回して眠りについている。

 世はデジタル時代。PLCなんて問題もあって、都会はBCLに窮屈になってきた。
 だから、元少年よ、ラジオを抱いて野を目指せ!
 地球を巡る電波の不思議を子に語り、ときにアナログの電波の波に乗ろうじゃないか!!

 BE-PAL 9月号では、キャンプの夜の遊びを絡め、オジさん族に少年への回帰を奨めてくれる、嬉しい記事との出会いであった。

ROK ラジオ沖縄 864kHz

2006-12-28 | BCL DX 遠距離ラジオ受信
 このところ枕元にあるラジオの目覚ましタイマーを、朝4時55分にセットしている。ラジオからは、リコーダーとピアノの演奏による八重山地方の民謡「月ぬ美しゃ」の美しい調べが、若干の雑音まじりに聴こえ、ボクの意識はゆったりとした時間の中で次第に覚醒する。

          

 それは日本の最南端の民放ラジオ放送局であるラジオ沖縄(864kHz)の放送開始のアナウンスだ。地理的条件に加え、同じ周波数にはFBC福井放送や東海ラジオ、信越放送の中継局、韓国KBS江陵局等がオン・エアされており、受信することの難しい放送局とされているが、当地ではICF-SW7600GRに内蔵されたフェライトバー・アンテナの方向さえ適切に合わせれば、番組の内容を十分楽しめる状態で受信できる。

 まだ目の醒めきっていない耳に毎朝聞こえてくるのは、5時10分から始まる「安盛の暁で〜びる」(あんせいのあかつきでーびる)、吉田安盛と盛和子の夫妻コンビによる軽快なお喋りと沖縄民謡だ。「暁デービル」とは「夜明けですよ」の意味であり、'81年から続くトークはすべてウチナーグチ(沖縄方言)、音楽もすべて民謡というスタイルを貫き、沖縄の中高年以上の世代から絶大な支持を得ている番組である。

          
          沖縄のスーパーアイドル吉田安盛さんと盛和子さんご夫妻

 パーソナリティーを務められているのは沖縄のご高齢な方々の(もちろん若いファンも多い)スーパーアイドル吉田安盛さんと盛和子さんご夫妻。
標準語が出ることもしばしばあるものの、時事ネタをウチナーグチのオブラートに包んで、夫婦漫才さながらの軽妙なトークを聴いていると、しばし世知辛い世の中を忘れさせマチブッタ心のチンダミも合わせてくれるような心地良さを毎朝届けてくれる。ちなみに三男はD-51の吉田安英君。老若男女を虜にする吉田芸能ファミリーの暖かさを味わっているうちに、夜は白みはじめるとともにラジオ沖縄の電波はフェードアウトし、ボクもベットを抜け出し新しい一日が始まる。

          
          '78年~'98年783kHzと現在の864kHzの受信確認証

 ROKラジオ沖縄は、戦後、最盛期三百社を越えた「親子ラジオ組合(簡易有線放送)」が琉球新報社等の協力を得て、復帰前の1960年7月1日 全国43番目、沖縄で2番目の民放AMラジオ放送局としてKSDTのコールサインを使い、1370kHz、出力3kWで放送開始した。'72年5月 本土復帰に伴いコールサインJOXRへ変更、'78年全国一斉周波数変更で783kHzを経て、'98年8月 周波数と出力を変更(783kHz 5kW → 864kHz 10kW)し、現在に至っている。'97年4月からの4年半、CS衛星放送を使った「はいさい!ラジオ506」で全国の聴取者に番組を提供してきたが2001年9月で終了した。

 ラジオ沖縄は「ローカルに徹する」という社是で、地元に密着した番組が数多く楽しめる。当地で受信できる時間帯は深夜のため、聴取可能な自主制作番組は限られるが、土曜22:30~「土曜の夜はスケールアウト」では、スタジオのキャノン松谷氏・前仲美由紀嬢の軽快な生トークに沖縄各地のリスナーが携帯無線で出演し、リアルタイムのレポートを届けてくれる。また毎回スタジオに地元のミュージシャンなどのゲストを招いた楽しいやり取りも魅力だ。

          
          スタジオに生出演中の米嵩 麻美 - MAMiX

 毎週水曜日 午後10時30分より1時間生放送される「yamakoのマイ・スィート・メロディ」では、70~80年代の懐かしいフォークソング、ニューミュージックのリクエストと彼女自身がギターで弾き語りをする。今の流行り歌についていけない店長としては、彼女の魅力的な歌声と一緒に、つい口ずさんでいる。

          
          yamakoのマイ・スィート・メロディ スタジオからギターで弾き語り

 そして今年6月よりポッドキャストによる、番組配信がスタートした。インターネット環境さえ整っていれば、世界中のどこからでも、手軽に次の番組をダウンロードできるようになった。

          
 
GO!GO!ダウンタウン DJ:本村ひろみ
 奇跡の1マイルと言われた沖縄のメインストリートである那覇市の国際通りの見所、遊び場所、歴史などを紹介しています。
平良とみ沖縄タイムなんくるないさ DJ:平良とみ
 映画「なびぃの恋」やTVドラマ「ちゅらさん」でおなじみの平良とみさんが、ラジオレギュラー初登場!ソフトな語り口で、沖縄のことわざや、歳時記などを紹介しています。
ティサージパラダイス! DJ:真栄平 仁
 ラジオ沖縄の人気パーソナリティー真栄平 仁(まえひら ひとし/通称:ヒープー)がつとめる「ティーサージ・パラダイス」のティーサージとは「手ぬぐい」とゆう意味。手が汗まみれになる笑い(?)を沖縄から毎週二回配信されています。
チャットステーションL DJ:玉城美香
 仕事もあと一息のけだるい午後にたくさんの「笑い」を届けて7年。辛口番組として定着、本音トークのオモシロ沖縄が見えてきます。
方言ニュース DJ:小那覇全人、伊狩典子
 ラジオ沖縄で40年以上続いている人気番組「方言ニュース」では、味のある沖縄方言に定評のある小那覇全人(おなは・ぜんじん)と、方言を通して沖縄の平和の心を伝える講演活動も精力的に行っている伊狩典子(いかり・ふみこ)のお二人による沖縄の文化、芸能、社会、政治、経済のニュースを月曜~金曜までの毎日配信されています。

 世知辛い昨今、沖縄のゆったりした時間の流れに身をまかせ、沖縄の元気を貰うことのできるお薦めの一局である。

琉球放送 RBCiラジオ 738kHz

2006-12-25 | BCL DX 遠距離ラジオ受信
 沖縄県には、先にご紹介したROKラジオ沖縄とRBC琉球放送(JRN系)の民放ラジオ2局が運営されている。当地ではラジオ沖縄に比べ、韓国局と中国局の混信が酷く、ループアンテナでサイドを切れば、混信の中から何とか受信できる状態である。

          
          ループアンテナとICF-SW7600GRを使用しRBC受信中
 RBC琉球放送は、地域密着型の番組を数多く提供しているラジオ沖縄と比べ、聴取可能な深夜の時間帯の自主制作番組は少ないが、平日(月)~(金)まで24:00~01:00の1時間、沖縄色豊な番組の再放送を楽しむことができる。そして番組のみならず、オリオンビールなど『沖縄』ならではのCMが流れると、気分はもうウチナンチュだ。

 スポーツや音楽シーンでも沖縄県出身のアスリート、アーティストの活躍が目を引くこの頃だが、沖縄旅行などをきっかけに沖縄文化に魅き寄せられハマってしまう「沖縄病」を患った知人・友人が何人もいる。

          
        青空、透明な海、ゆったりとした時の流れが人を優しくつつみこむ
 秋田県在住の友人は、毎年沖縄の離島を訪れ、民宿で毎夜繰り広げられる泡盛を囲んだ宴会では三線の演奏を披露し、地元の方々を驚かせている。 彼の説によると沖縄病とは一度沖縄を訪問した人達がよくかかる病気らしい。彼曰く、「『沖縄』とか『琉球』とかの言葉に反応し、沖縄居酒屋へ行き、泡盛を飲み、三線の沖縄音楽を聞き、カチャーシーを踊る。また、庭にゴーヤーを植えたりする場合もある。特効薬は沖縄に移住することで完治するらしいが、大部分の人は移住出来ずに病気が悪化するらしい。この病気にかかると、毎年沖縄に足を運ぶ事になる。(僕もそうなんです・・・。)この病気はかなりの確率で家族の者にも伝染する。沖縄では発症者が少ないらしい。(当然ではあるが・・・)病気の初期では、沖縄本島で満足しているが、だんだん病気が悪化してくると、離島を目指す様になる様だ。特に小さな島を好む傾向が強くなるらしい・・・。八重山地方まで到達してしまうと、もう手が付けられない程重傷である。この頃になると、日常会話でも沖縄の方言を発したりする場合もある。お気を付けください!」ちなみに、沖縄へは11回、八重山は6回の訪問である・・・とのこと。
 熊本で助産師をつとめる女性は三線教室に通おう傍ら、沖縄に三線ライブを観に行くことが、年1回の定例行事となっており、沖縄の人と結婚し定住できることを夢見ている?ようだ。また店長の勤務先の女性社員は、給料・ボーナスのすべてをスキューバーダイビングに充てており、ダイビング機材一式を抱えて沖縄方面の離島へ年に数回潜りに行く。
 沖縄には、ゆったりとした時の流れ、人々の人情、自然、文化など本土にはない『癒しの空間』がきっとあるのだろう。

          
          店長お気に入りのブセナテラス

 24:00から始まる「民謡で今日拝なびら(みんようでちゅううがなびら)」は、放送開始から45年目を迎える沖縄で最長寿の番組。ほぼ半世紀の長きにわたって「ウチナーグチと島うた」で貫き通し、番組のアイデンティティーを支えてきた上原直彦氏と北島角子女史がパーソナリティをつとめる「昔ながらの葉書によるリクエスト」で構成される民謡番組である。

          
          民謡で今日拝なびらON AIR中の原直彦氏と北島角子女史
 リクエスト葉書は読まれるたびに投稿者の名前とともに「○○○枚目」と紹介され、百枚ごとにプレゼントが用意されている。その百番ごとのキリ番にあたる葉書の紹介するときに鳴らされるファンファーレの演出が、妙に面白い。また週末金曜日は、県内の様々な分野で活躍するゲストをスタジオに招き楽しいトークが繰り広げられる。

 その後も24:20~「iネットワーク町から村から琉歌百景」、24:50~「i情報(ニュース)」と続き、沖縄情緒たっぷりの1時間を楽しめる。

 1945年第二次世界大戦で甚大な戦禍を蒙った沖縄県は、領土返還で日本国に復帰するまでのあいだ、米軍直轄、そして軍政府を経て米民政府の統治下におかれた歴史が、ラジオ放送の沿革とも深く関わっている。
 戦後、沖縄における最初の放送局は、5月に出力250wで開局した米軍の野戦放送局WXLHであった。WXLHは戦線とともに太平洋を北上してきた部隊附放送が上陸したものであるが、後にAFRS(American Forces Radio Service)、FEN (Far East Network) を経てAFN(American Forces Network)-OKINAWAとして現在にいたっている。

 その後、新聞、演芸の復活が推奨され、1949年には「時期尚早」の声を受けながら琉球放送局(コールサインAKAR/1400kc 500W)が日本語による短期間の試験放送を実施、翌1950年から本放送を開始した。
 AKAR琉球放送局は、民政局へ移管されるとともに独立放送機関となり、やがてその施設が琉球大学基金財団に譲渡され琉球の声(コールサインKSAR/740kc 3kW)となった後、商業放送局「OBC 沖縄ラジオ社」と形を変えるが、財政難で事業が破綻、その際設立された「RBC琉球放送」が免許と事業を継承した。

          

 「RBC琉球放送」は、’54年10月、地元住民に向けた日本語によるRBC第一放送(コールサインKSAR/740kc 3kW)を開局、翌’55年9月には全日英語によるRBC第二放送(同KSBK/880kc 500W)の二本だてによる放送が開始された。RBC第二放送は、RBCの呼称は使わず、KSBSのコールサインを使い米国式のニュース&ミュージック編成で、地元情報を必要としていたアメリカ人たちに人気があったという。’72年の日本語ラジオRBC第一放送のコールサインはKSAR からJORRに、英語ラジオRBC第二放送はKSBKからJOROに変更され、翌’73年11月に英語ラジオRBC第二放送は廃止された。

          

 その後、740kHz→738 kHzへの周波数変更、10kWへの出力増強等を経て、社内カンパニー化、独立採算制をとるラジオ局は名称を2002年4月に『RBCiラジオ』に変更され、現在に至っている。

          

 琉球放送が受信できない方々も、オキポカ-沖縄ポッドキャスティングにアクセスすると琉球放送の一部番組を聴取できる。沖縄県は、AM、FMともにポッドキャスティングを積極的に取組む放送局が多く、沖縄を愛してやまない『沖縄病』を患った人には嬉しい限りである。

元CAの天然ラジオライフ with ICF-SW7600GR

2006-12-11 | BCL DX 遠距離ラジオ受信
 80年代を迎えると、10kHz直読BCLラジオからPLLシンセサイザ制御による1kHz周波数直読可能な高機能ポータブルラジオへと進化するが、いわゆる「マニア」を「オタク」と称して忌み嫌う社会的現象とともに、中高生のBCLブームは収束し、リスナー層も語学スキルを高めることや最新の国際情報を必要とする「大人の趣味」へと移行し、成熟を迎える。
 このブログの影の店長である誰かさんも、以前の仕事では語学習得とフライトのステイ先での暇つぶし用にワールドバンド・ラジオをキャリーバックに入れ、いつも持ち歩いていたことが発覚した。

          

 正直、短波ラジオなんていう世界は、オタク系のオヤジの趣味だと確信し、メーカー系IT関連部署でデザイン企画に携わっているボク自身の記憶の中から“短波ラジオ・BCL”という忌まわしい過去を封印してきた。
それを「ラジオ」や「短波」なんて言葉に縁も所縁(ゆかり)もありえない元CAの店員から、「短波ラジオを持ち歩いていた」と聞かされたときのショック・・・・その日は、スタバで一息つきながら、カナダ人歌手についての話題になった。

 店員 「このまえカナダのラジオで流れてたんだけど、ダイアナ・クラールが・・・」
 店長 『へ?カナダのラジオ?? ネットラジオ聴いてんの?』
 店員 「ショートウェーブって知らない? 株や競馬を流してるラジオ」
 店長 『知らなくはないけど、何でお前が知ってるの?』
 店員 「へへ・・・ Radio Canadaとかって知らないでしょ♪」

 何でお前さんの口から、Radio Canadaなんて言葉が出て来るんだよぉ~?! 
意外な展開に冷静さを失いそうになるのを抑え、気を取り直して、素知らぬ顔で話を聞いてみるた。

 大学を卒業後、彼女の実家が経営する会社の契約農場であるカナダ・B.C州の農園へ1年間の語学留学していたときのこと。当時、街から車で30分も離れたホームステイ先にネット環境が整備されているはずもない。家事を手伝う傍らMDウォークマンで音楽を聞き飽きた頃、日本を発つ前にホームシックにならないようにと父から渡された短波付ラジオのことを思い出し、スーツケースの底から出し電源を入れたことが始まりだった。

          

 ダイヤルを回すとNHKラジオ・ジャパンの日本語番組がクリアに聞こえたことに驚いたが、NHKが伝える日本のニュースや音楽のほかに、違うチャンネルから聞こえてくるRadio Canada InternationalやVOA、BBCなど各国の英語放送の番組にも耳を傾けていたらしい。ただ雑音やフェージングをともなう短波は、ラジオ・ジャパン専用となり、CBC Radio OneやTow、地元のFMを聴いているうちにテレビの騒々しさより、耳だけで楽しめるラジオの『しなやかさ』にハマったそうである。

          

 日本に帰国後も自分の部屋ではRadio Canadaや現地のインターネット・ラジオを聴いていたが、就職し自宅へ帰れないフライトステイ先でお気入りの番組を聴くため、電気屋さんに「外国の放送が一番よく聴こえるラジオをくださ~い」と注文し届いたのが、彼女の言うところの“銀色ラジオくん”だ。

          

 国内線とは言え、CAには勤務規定があって一日に飛ぶ時間・回数の制限がある。これは社によって違うが、一日/4レグ(便)またはフライト6時間までと決まっており、当日の最終フライト(4レグ目)にあたると、現地へスティとなる。ステイ先では出歩くこともできないため、ホテルの部屋に篭もって翌日の段取を行ないながら聴けるラジオは必需品、適当に地元のAMやFM、時には短波を聴いていたのだと話してくれた。

 現在入手可能なSONYの短波ラジオは、アナログチューニングタイプが2機種、PLLシンセサイザータイプは4機種の合計6機種が発売されている。

          
     ICF-SW11(8,190円)      ICF-SW22(13,650円)   ICF-SW35(20,790円)
          
     ICF-SW7600GR(40,000円)  ICF-SW100S(56,700円)  ICF-SW07(60,790円)

「今度、その外国の放送が一番よく聴こえる銀色ラジオ見せてくれよ~」と頼んだ翌週、彼女が自慢そうに持ってきてくれたラジオは、ICF-SW7600GRだった。
ソニーの現行6機種の中で、価格と性能のバランスに最も優れた機種が7600GRであり、その特長は、安定した同期検波回路と高感度、高信頼設計にある。主な特長・ポイントは以下の通りだ。

●合計100個の周波数を登録可能な100メモリープリセット機能搭載
●登録周波数から感度のよい周波数を自動で探し受信するメモリースキャンチューニング機能採用
●混信の多いときなどに受信感度を調節可能なATTコントローラー装備
●プリセット選局をはじめ、多彩な方法で選局が可能
●2つの異なる時間を設定し、目的の周波数の放送を受信できるタイマー機能
●ワールドクロック機能搭載

*電池持続時間:約15時間(FM時)、約10時間(AM時)
*大きさ:幅190×高さ118.8×奥行35.3mm 質量:約608g(乾電池含む)

          

 ICF-7600GRは、受信性能も初期のPLLタイプ・ワールドバンド・ラジオに見られたイメージ現象の発生は極力抑えら、高感度・高選択度を実現している。またICF-5900やRF-2200で必要だった「チューニングの妙味」は無いものの、UP/DOWNボタンを押すと、AM中波9kHz、短波5kHz、FM50kHzの各ステップで正確な周波数を受信でき、テンキーを用いて周波数を直接入力することも可能だ。微妙なチューニング感覚を趣味として楽しむマニア以外にとって、チューニング作業は省かれたほうが効率的である。

          

 実際にICF-SW7600GRを使用してみた。コンクリートの建物の中でも窓際で受信すると、中波は内蔵フェライトバーアンテナだけで全国の民放ラジオ局を聴くことも可能なほどの性能だ。
 当地は瀬戸内海沿岸中央域に位置するため、韓国・中国からの強力な電波の混信に悩まされるエリアにあたる。時間さえ選び、ラジオの向きを適切な方向を変え、さらには同期検波回路をONにすると隣接する強力な混信源の電波を排除してくれるため、北海道からラジオ沖縄まで比較的良好に受信できた。その高い性能は、日本全国の民放局制覇も夢ではない予感さえ与えてくれる。
 短波に関しても、内蔵のホイップアンテナでの受信では、苦しいものはあるが、欧米の大出力局などは容易に受信できる。
 音質は大型スピーカーを採用した「AM/FMラジオ」と比較できないものの、違和感のない心地よい音を堪能できる。

 短波ラジオの楽しみ方は、高性能な受信機やアンテナを駆使して、雑音や混信の中から微弱電波の珍局を探しあてるDX’erもいれば、彼女のように肩に力を入れずに海外からのラジオ番組を楽しむスタンスも大人の趣味のあり方だなぁ・・・と妙に共感した次第である。

 「今日は11,710チャンネル(kHzの間違い!:店長注釈・・・笑)で、スペイン語のラジオからタンゴが流れてたのを聴いたよ~♪」
無邪気に話す彼女は、地球の裏側、アルゼンチンからの電波だということをまだ知らない・・・。

ループアンテナを手に入れちゃいました♪

2006-11-03 | BCL DX 遠距離ラジオ受信
中波AM放送の遠距離局を受信する時に受信性能が向上すると言われている、ループアンテナをオークションで安く手に入れることができた。ループアンテナは、エレメント(導線、導体部分)を環状(ループ)に巻き、コンデンサと組み合わせて共振回路を形成することにより、微弱なを受信することができる。

          

 手元に届いたループアンテナのサイズは、高さ約55cm×幅約35cm×奥行き約15cm、白木製の筐体とマッチングボックスのフロントパネル、黒く塗装された木製アームに3mmピッチで丁寧に巻かれた銅線のフォルムとコントラストがとても美しい。
クラシック・ラジオを趣味とする愛好家にとっては、知性とロマンを満たすオブジェとしてのインテリア性も兼ね備えたデザインだ。

          

 バリコンが内蔵されたマッチングボックスには、ハイインピーダンス(ターミナル)出力とワンターンのピックアップコイルによるローインピーダンス(BNC)出力の2系統を備え、ハイインピーダンス端子に外部ワイヤーアンテナを接続するとループアンテナ本体がアンテナカップラーとして作動しさらに高感度な受信が可能となっている。
 またLW-1(230Khz-270Khz) LW-2(270Khz-360Khz) MW-1(360Khz-810Khz) MW-2(710Khz-1700Khz) をパネル左上のスイッチで切替えて、同調ダイヤルはバンド別に周波数がある程度直読できる仕組みとなっている。

          

 ループアンテナの特性として指向性(方向性)があるため、アンテナを回転させて希望の局がもっとも入感する方向を見つける、あるいは混信する強力な電波を減衰させ、目的の電波を浮き上がらせる効果も期待できるとのことだが・・・中波の遠距離受信を楽しんでる方々のHPで紹介されているMIZUHO製ループアンテナ・キットUZ-8DX(¥16,800)はプリアンプが付属しており、都市ノイズの少ない環境では微弱な電波を捉えるには絶大な効果があるとのこと。

 一方、今回手に入れたループアンテナにはプリアンプは内蔵されておらず、外周約1.7mの大型ループコイルとバリコンの共振作用のみで長・中波の微弱な電波を捉えるパッシブ方式であるため、どの程度の効果が上がるか期待と不安が交錯する。

 今回の実験に使ったラジオは、ソニーICF-SW7600GR、AM/SSBに対応し、150kHz~30MHzまでをカバーする。現行のワールドバンドラジオの中では最も高性能な機種であり、世界中のBCL(Broadcasting Listening / Listener :放送受信愛好家)からの評価も極めて高い。
またこのICF-SW7600GRは、店員・ユーがスッチー時代にキャリングバックに詰め込み、フライト後、ホテルの部屋で海外からの英語放送や国内の深夜放送を聴いて時間を過ごしていた愛用のラジオを譲り受けたものである。
ローインピーダンス出力(BNCコネクタ&ケーブル)先端の芯線とシールド線にビニール被覆線の両端をつなぎ、ICF-SW7600GR本体に巻きつけます。