昭和三丁目の真空管ラジオ カフェ

昭和30年代の真空管ラジオを紹介。
アンティークなラジオを中心とした、自由でお洒落な、なんちゃってワールド♪

リーダー電子 テスト オシレーター LSG-11 (2)

2008-05-10 | 昭和三丁目の真空管ラジオ

先日入手したリーダー社の測定器、昭和43年製シグナルジェネレーター(テストオシレーター)LSG-11の動作確認を行なってみた。ほとんど使われた様子はないとは言え、40年前の真空管測定器・・・果たして、うまく作動するか心配である。 
 ちょうど修理中のMT管トランスレス5球スーパーラジオの電源もONにし、市内の民放ラジオ局を受信しながら、その側にLSG-11を置いて、動作チェックを行なってみた。コンセントにACプラグをつなぎ、AF IN-OUTつまみを右に回して電源をON! 
        
 パイロットランプの点灯を確認後、同梱の75ΩケーブルのコネクタをSG-11本体の高周波出力端子に接続し、ケーブル先端のワニ口クリップ(赤)に1kΩの抵抗を介しラジオのANT(アンテナ)端子、また(黒)をGND(アース)へ接続。
 正面パネル右のFREQ RANGEスイッチをBバンド(320~1,000kC)に切替える。
        
 さらにSIGN SELECTスイッチを400または1000に切替え、周波数ダイヤルをラジオ放送の無い中波帯に設定し、真空管ラジオの同調ツマミをその周波数に合わせると、ポー(400Hz) またはピー(1,000Hz)という内部変調音がラジオのスピーカーから聞こえてくる・・・はずだが、何も聞こえない (T_T) 
 試しに受信中のラジオ局と同じ周波数へLSG-11の周波数ダイヤルを合わせるとビート音が聞こえたため、発振回路は作動しているようだ。
        
 そこで知人の仕事場へ持ち込み、75Ωケーブルをデジタル周波数カウンタへ接続してみても、カウンタ数値はまったく動きません。またオシロスコープに接続してみても、微弱な信号は出ているようですが、サインカーブは確認できません・・・。
 “使い方が悪い” のか、“使う人が悪い” のか・・・ (T△T) と思案に暮れていたところ、ラジオ親父様より貴重な資料とともに多々アドバイスを頂戴しました。
    
 RFスライドスイッチをHIGHT側、RF-OUTを右一杯の回しても出力レベルが改善されない、また内部変調がかからない現象は、オイルコンデンサ類の経年劣化による容量抜けが考えられるそうです。内部変調回路の不具合などは考えにくいので、「低周波発信器」のコンデンサ不良による発振動作停止と思います。
T2(インダクター)に直列に入る、C2(0.003)及びC3(0.03)が原因でしょう。(TとCで直列共振回路を形成しています)
 いずれにしてもこの際、すべてのコンデンサを交換したほうが良さそうです。

 LSG-11の内部の状態を点検するため、前面パネルと底面のネジを取外し、ケースから前面パネルごと取出した。
        
 写真のように各種パーツは新品同様、ピカピカに輝いています。ふだん汚れた真空管ラジオばかり見ているボクとしては、まさに感動モノ!! 製造後40年経過した製品とは思えないほどオリジナリティを保った状態です。
        
 各パーツの状態を目視点検していると、高周波出力レベル調整(RF FINE)用の1Kボリューム(回路図VR2)の3つある端子のうち、センター端子がハンダ付けされた状態のままでボリュームから欠落しているのを発見! これじゃあまともな信号出力は出ないはずです。

 本日、LSG-11のオイルコンすべてを交換するための部品買出しに行く予定でしたから、先ほど、すべての交換用部品はとりあえず購入して帰りました。


なんちゃってガーデニング デザイナー@GW

2008-05-05 | 昭和三丁目の真空管ラジオ
今年のGWは、飛び石連休・・・職場も暦どおりの休日のため、旅に出るにはチョッと中途半端。ゴルフでお茶を濁そうと考えていた某日、知人宅の庭作りに立ち会ってきた。今回は イングリッシュ・ガーデンデザイナーになったつもりで、その様子をレポートします。
        
        ▲枕木で作った花台に、ナショナル クーガ115 (RF-1150)が似合う 
 今回の庭造りの主役は、落葉樹でシンボルツリーに人気のある株立ちのヤマボウシ。花は上を向いて樹いっぱいに広がって咲きます。白く見える部分は、実は花ではなく党総苞片媒と呼ばれる4片の苞で、中心にある丸い部分が本当の花なのです。秋にはこんぺいとうの親分の様な可愛らしい、熟すると食べられる軽い甘さの果実を付けます♪
        
        ▲今回の主役 株立ちヤマボウシの花(苞)と秋に実る果実
 知人宅の庭は、既存の風景や植栽に枕木とコニファーを組合わせたスタイル。乱杭の様な形で枕木を建て、間にコニファーをバランス良く植え込んでいき景色を造ってあります。
コニファーと言えば「ゴールドクレスト」を思い浮かべる方が多いと思いますが、コニファーとは「外来種の針葉樹」を指します。写真の手前左に写っている「フィリフェラオーレア」や、その右のクリスマスツリーのような「エメラルドグリーン」、地面を這う「ハイビャクシン」など様々な形、色、大きさ、種類があり・・・「松」も実はコニファーだったりするのです。
        
        ▲写真左から、フィリフィラオーレア、エメラルドグリーン、金糸梅(キンシバイ)
         ベニバナトキワマンサク、株立ちヤマボウシ、アベリア

 まずわずか1畳ほどのスペースに、まず約3mの高さの株立ちの山ボウシを植え、その回りを乱型シャモット煉瓦で縁取りし、下草の植栽を行なう準備をします。
煉瓦で縁取りをするラインに沿って約10cmほど地面を溝状に掘り下げ、溝の底は突き棒で押し固めます。
        
 ベージュ色で不規則な大きさ・形状の乱型シャモット煉瓦を組合せ、曲線の縁取りを行ないます。この組合せによって仕上がりの美しさが決まるため、慎重に煉瓦を選び、モルタルの上に並べます。煉瓦の大小や割れ・欠け、また微妙な色の違いに応じたコンビネーションのチョイスが技のみせどころ。自然な雰囲気を演出するため、煉瓦同士の間にモルタルの目地は入れず、土で隙間を埋めます。
        
 煉瓦は水平を測りながら、丹念に並べます。下の写真は逆方向から撮った様子。いい感じで曲線を描くことができました。濃淡を織り交ぜた緑、樹形の異なった木々に、株立ちヤマボウシの幹、枕木を使った乱杭が見事なアクセントとして絡み、癒し空間を創りあげていきます。
下草を植えるスペースに腐葉土を撒き、土とよく混ぜ合わせます。
        
 今回植えたヤマボウシの手前のスペースに低木(下草)を植込みます。
まず選んだ木は、小枝の先に径3~4cmの純白の4弁の花を数個付ける、落葉の低木シロヤマブキ。氷河時代、朝鮮半島と日本がほぼ陸続きであった時代に日本にも分布した植物の1つであると考えられており、岡山県の石灰岩地などに希に自生する。
        
5月に純白のベルのようなカワイイ花が咲き、庭植え、盆栽、生け花などに用いられる姫ウツギ。ウツギは茎の中が空洞なため、空(うつ)ろな木「空木(うつぎ)」と呼ばれ、旧暦の四月(卯月)に花が咲くことから、空木の花を「卯の花」と呼ぶそうです。
        
 この2種類の低木をバランスよくレイアウトし、さらに ほふく性コニファーであるハイビャクシン「ブルーパシフィック」を煉瓦の縁取りに沿って植込みます。針葉は青味を帯びた緑色で、葉裏は灰白色になるブルーパシフィックは、グランドカバーとして人気があり、円状にまるく地面に這って伸びます。
        
 煉瓦に緑の低木がラップすることにより、自然な一体感が生まれました。これで今回の庭造りはほぼ完成♪
        
 庭という空間をどのようにしていこうと考え、樹木の種類やレイアウト、他の素材や木々草花とのバランスなどなど・・・考えている時も、植え付ける時も楽しく、またこれから成長していく時々を眺めているだけで楽しさもさらに膨らんできそうです。
        
 このお宅の庭は、既存の木々を活かし、枕木、コニファー類、下草をアレンジした『ジャパネスク・ガーデン』です。『ジャパネスク???』・・・ハイ、直訳すれば「日本調の」「日本式の」という意味ですが、日本庭園と趣はまったく異なります。 日本庭園の技法は海外でも高い評価を受けており、
『欧米の人々が日本庭園の技法を取り込み、彼らの身近にある樹木や素材で日本をイメージして作る庭』
をジャパネスク・ガーデンと呼び、逆にそれを日本で再現したわけです。
生活様式が欧米化されても和室でくつろぐ日本人のメンタリティーにピッタリはまるジャパネスク・ガーデン。
        
 5月の木漏れ日の中、トランジスタラジオを庭の片隅に置いて、の~んびりと時に身をゆだねる・・・なんていう “ 時間の過ごし方 ” もお薦めです♪