第2次世界大戦が終結した翌年に発売され大ヒットしたHallicrafters社の入門用短波受信機 S-38シリーズに対抗し、1950年軍用&業務用無線機メーカーNational Radio社から発売された民生用入門短波受信機SW-54(’50-58年製造)を入手したのでご紹介する。
第2次世界大戦を終えた米国では、短波受信機により世界中のラジオ放送やモールス通信をリアルタイムで聞けることが、一般市民にも広く知られるようになった。
’46年に発売されたHallicrafters 社S-38シリーズの爆発的なヒットに影響を受けた National Radio社は、’50年に入門用短波受信機 SW-54(’50-58年)を発売した。
▲National RADIO Co., INC. SW-54 (1950-1958)
Hallicrafters S-38シリーズは、’57年に発売されるS-38EまでのあいだGT管とメタル管を使用していたが、このNational SW-54は ’50年の発売当初から整流管35Z5以外はmT(ミニチュア)管を採用。そのためSW-54の筐体は、高さ(約178mm)×幅(約278mm)×奥行き(約178mm)と非常にコンパクトに収まっている。
20世紀を代表するデザイナーRaymond LoewyによりデザインされたHallicrafters S-38シリーズの秀逸な外観と比較すると、National SW-54の無骨な印象は否めない。
直方体の角を曲面処理されたキャビネットのフロントパネル上部に配置された横行き形状の周波数インジケータ、そして右側にある同調ツマミ(MAIN TUNING)と大型ダイヤル(BAND SPREAD)が印象的なデザインだ。
▲SW-54のボディは、H178mm×W278mm×D178mmと非常にコンパクト
短波帯の受信を主目的とした受信機では、十分な感度や選択度に加え、同調ツマミをごくわずか動かしただけで周波数が大きく変化する特性にどう対応するか、という点も重要になる。
この問題をクリアするため、受信機の受信同調回路に電気的な周波数微調整を行なうバンドスプレッド・バリコン(BAND SPREADダイヤル)を装備することが一般的だ。
SW-54に先駆けて発売されたHallicrafters S-38シリーズのバンドスプレッドは、メイン・バリコンと一体になったバンドスプレッド・バリコンを糸掛けドライブで駆動し、バンドスプレッド・ダイヤルの指針はバンドスプレッド・バリコンのシャフトに直付けされている。そのためフリクションロスは最低限であり、最高にスムースなチューニングが行なえる。
▲キャビネットにBAND SPREADと刻印されているダイヤルだが・・・
いっぽうNational SW-54にバンドスプレッド・バリコンは装着されず、キャビネットにBAND SPREADと刻印されているダイヤルは、100度に分割した目盛が描かれたプラスチック製の円盤を同調ツマミ(MAIN TUNING)のシャフトに直接取り付けただけの代物だ。
そのダイヤル目盛を、わざわざ窓穴に表示させて、「受信機」の雰囲気を演出するアイディアには感心すると同時に、思わず苦笑してしまった・・・ (^^;)
▲同調ツマミのシャフトに円盤を直接取付けただけのBAND SPREADダイヤル
確かに円周差を利用し、簡単に周波数同調の微調整を行なえる機構である。
S–38B の向うを張って天下のNational Radio社が市販したSW–54は、「ビギナーはこれでも大丈夫さ!」 といったアメリカ人らしい "It's OK." 的な割切り方が垣間見れて興味深い。
メーカー : National RADIO Co., INC. SW-54 (1950-1958)
サイズ : 高さ(約178mm)×幅(約278mm)×奥行き(約178mm) 5 .9kg
受信周波数 : 中波 540~1600kC/1.6~4.7MC /4.6~14.5MC /12~30MC
使用真空管 :
12BE6 局部発振・周波数変換
12BA6 中間周波数増幅・BFO
12AV6 検波・初段低周波増幅
50C5 低周波出力
35Z5 整 流
電 源 : 105~130V AC/DC 0.26 A (117V AC)
スピーカ: Permanent Magnet Dynamic Loudspeaker (moving coil)
第2次世界大戦を終えた米国では、短波受信機により世界中のラジオ放送やモールス通信をリアルタイムで聞けることが、一般市民にも広く知られるようになった。
’46年に発売されたHallicrafters 社S-38シリーズの爆発的なヒットに影響を受けた National Radio社は、’50年に入門用短波受信機 SW-54(’50-58年)を発売した。
▲National RADIO Co., INC. SW-54 (1950-1958)
Hallicrafters S-38シリーズは、’57年に発売されるS-38EまでのあいだGT管とメタル管を使用していたが、このNational SW-54は ’50年の発売当初から整流管35Z5以外はmT(ミニチュア)管を採用。そのためSW-54の筐体は、高さ(約178mm)×幅(約278mm)×奥行き(約178mm)と非常にコンパクトに収まっている。
20世紀を代表するデザイナーRaymond LoewyによりデザインされたHallicrafters S-38シリーズの秀逸な外観と比較すると、National SW-54の無骨な印象は否めない。
直方体の角を曲面処理されたキャビネットのフロントパネル上部に配置された横行き形状の周波数インジケータ、そして右側にある同調ツマミ(MAIN TUNING)と大型ダイヤル(BAND SPREAD)が印象的なデザインだ。
▲SW-54のボディは、H178mm×W278mm×D178mmと非常にコンパクト
短波帯の受信を主目的とした受信機では、十分な感度や選択度に加え、同調ツマミをごくわずか動かしただけで周波数が大きく変化する特性にどう対応するか、という点も重要になる。
この問題をクリアするため、受信機の受信同調回路に電気的な周波数微調整を行なうバンドスプレッド・バリコン(BAND SPREADダイヤル)を装備することが一般的だ。
SW-54に先駆けて発売されたHallicrafters S-38シリーズのバンドスプレッドは、メイン・バリコンと一体になったバンドスプレッド・バリコンを糸掛けドライブで駆動し、バンドスプレッド・ダイヤルの指針はバンドスプレッド・バリコンのシャフトに直付けされている。そのためフリクションロスは最低限であり、最高にスムースなチューニングが行なえる。
▲キャビネットにBAND SPREADと刻印されているダイヤルだが・・・
いっぽうNational SW-54にバンドスプレッド・バリコンは装着されず、キャビネットにBAND SPREADと刻印されているダイヤルは、100度に分割した目盛が描かれたプラスチック製の円盤を同調ツマミ(MAIN TUNING)のシャフトに直接取り付けただけの代物だ。
そのダイヤル目盛を、わざわざ窓穴に表示させて、「受信機」の雰囲気を演出するアイディアには感心すると同時に、思わず苦笑してしまった・・・ (^^;)
▲同調ツマミのシャフトに円盤を直接取付けただけのBAND SPREADダイヤル
確かに円周差を利用し、簡単に周波数同調の微調整を行なえる機構である。
S–38B の向うを張って天下のNational Radio社が市販したSW–54は、「ビギナーはこれでも大丈夫さ!」 といったアメリカ人らしい "It's OK." 的な割切り方が垣間見れて興味深い。
メーカー : National RADIO Co., INC. SW-54 (1950-1958)
サイズ : 高さ(約178mm)×幅(約278mm)×奥行き(約178mm) 5 .9kg
受信周波数 : 中波 540~1600kC/1.6~4.7MC /4.6~14.5MC /12~30MC
使用真空管 :
12BE6 局部発振・周波数変換
12BA6 中間周波数増幅・BFO
12AV6 検波・初段低周波増幅
50C5 低周波出力
35Z5 整 流
電 源 : 105~130V AC/DC 0.26 A (117V AC)
スピーカ: Permanent Magnet Dynamic Loudspeaker (moving coil)