昭和三丁目の真空管ラジオ カフェ

昭和30年代の真空管ラジオを紹介。
アンティークなラジオを中心とした、自由でお洒落な、なんちゃってワールド♪

JR京都駅 プチ探訪

2006-08-29 | 昭和三丁目の真空管ラジオ
先週に引き続き、本日急遽、会議のため滋賀県に出張となった。JR京都駅まで新幹線で2時間強。途中下車し、平安遷都1200年記念事業として1997年に現在のガラスの駅ビルが竣工した京都駅に立寄った。

      

 駅ビルは、東西の両側にホテルと伊勢丹が位置し、その間の中央部は、改札口の上にある細長いホテル客室棟をガラスの正面と大屋根で覆った吹き抜けになっている。
巨大な船のように市街地に横たわったボリュームやガラス張りのデザインは、当初から古都の景観を損ねるとして論争が続いている。

      

 とりあえず大階段のあるJR伊勢丹側のエスカレーターに乗ってコンコースを見下ろす。エスカレーターは直線に配置してあり、2回乗り換えて上階に行くのだが、吹き抜けから東西へは渓谷状の階段が地上レベルから屋上まで長く続いており、階段最上部10階から1階改札口を見下ろすと、その距離の遠さと両側にせまる建物とガラスドームの複雑さから、10階建ての建物とは思えないほどの激しい高低差を体感することができる。

      

 伊勢丹側の大階段はただ座るだけの場やデートスポットとして使われるほか、コンサート会場、毎年2月の「JR京都駅ビル大階段駆け上がり大会」などに利用されている。また、非常時の避難経路となることを想定して作られているとのこと。

 昼食は伊勢丹向い大階段を挟んだ南側、京都駅ビル10階の京都拉麺小路にある「宝屋」に入ってみた。

       
ラーメン激戦区、京都で常に高い評価を受けている注目の店、「宝屋」人気の秘密は「最後の一滴まで飲み干せる」と評判の極上コクうま醤油豚骨スープ。
国内産小麦粉を使い、独自で長年にわたり求めつづけた「低温熟成細麺」がスープと見事に融合している。
京都らしい薄切りチャーシューもあっさりとしてまろやかな口当たりで、上品な仕上がりとなっていた。
逆を言えば、第一旭のラーメンのような「強力な、味の押し出し」はなく、『美味しいけれど、強い印象は残らない』ラーメンだった。

 ビルやラーメンの話で終わるのも心苦しいので、当ブログのコンセプト、ラジオにまつわるネタも。この京都駅ではラジオの公開放送収録やFMラジオ主催のライブも行なわれている。
9/17(日)には、京都駅ビル9周年記念 FM802 LIVE FLASH!を室町小路広場では、話題のアーティスト『風味堂』が登場します。

 京都から草津経由で栗東市の事業所に到着し、6時間におよぶ会議・打合せを済ませると19時。
京都駅コンコースで「幕の内弁当 日本の味博覧会」(¥1,000)とビールを買い込み、帰路についた。

       

 東京サミットの時、公式晩餐会の調理を担当された田中博敏総料理長が監修された駅弁。
俵様に型押しした黒米飯と白飯に、おかずは厚焼き玉子、鱒西京焼き、紅鮭昆布巻、焼き穴子、里芋・五三竹など季節野菜の旨煮。
どれも美味しかったが、特に新生姜酢漬け、紀州南高梅の甘塩梅干といった香物が、夏の暑さに疲れた身体と心を癒してくれる。

 航空機であわただしく移動し、地下鉄に揺られて着いた出張先で仕事をした後、帰路の空港ラウンジで飲むビールも格別だが、駅弁に舌鼓をうちながら、ほっと一息つく列車の旅も悪くないなぁ・・・と思うこの頃である。


 しかしこのブログ、いつから食いしん坊!万歳になったんだ!?
 

修行・巡礼・苦行?・・・の、一週間

2006-08-27 | 昭和三丁目の真空管ラジオ
ラジオカフェを休業し、先週一週間、「修行・巡礼・・・自分探し?の旅」に出ていました。

19日 横浜へ新幹線で移動
 みなとみらい21にて所用後、ナビオス横浜に宿泊。
ささやかなプライベート・パーティーに参加。

          

20日 横浜市内を気ままに散策
 山下公園、中華街散策後、偶然、目にとまった上海料理レストラン四五六菜館でランチ(二人で1,800)。フジテレビ「料理の鉄人」、テレビ東京「テレビチャンピオン」、日本テレビ「どっちの料理ショー」ほか多くのマスメディアにも登場している有名店だと、後日知った。
 午後からは赤レンガ倉庫、ワールドポーターズ、クイーンズスクエア、ランドマークタワーなど、みなとみらい21エリアを気ままに散策。

          

22日 名古屋へ新幹線で移動
 名古屋に着くなり、雷と大雨のため、JR中央線は運休。
仕方なくタクシーでナゴヤドームの裏手に隣接する技術研修所の宿泊棟に投宿。
部屋は独身寮の一部をあてがっているため、テレビも何もない。翌日のための資料を整理しながら、持参していたラジオ(ICF-SW7600GR)で東海地区の受信状況を確認したが、空調設備が原因と思われる酷い雑音にブロックされ、地元の東海ラジオと中部日本放送しか聞こえない。
ちなみに夕食はコンビに弁当・・・。ガランとした部屋で黙々と食べるコンビニ弁当も、おつな味わいがある。

          

23日 夕方まで同所に終日滞在後、京都へ新幹線で移動 
 京都駅前から徒歩三分、京都タワー向かい側奥通の「藤家旅館」に宿泊。
今回は京都の穴場的宿泊スポット?である、昔ながらの「旅館」を利用した。
家庭的なサービス、駅の近くにもかかわらず閑静な立地が魅力の宿である。

          

 小柱や天井など、ふと目にとまるしつらえは京都の古き良き建築。
それもそのはず旧京都ホテル別館の素材を取入れ、設計されたそうだ。
2階にはマンガの書棚があり、インターネットが自由に使えるスペースもある。

 夕食は宿から徒歩5分、女将さんも利用される「第一旭」たかばし本店という地元のラーメン屋さんに出向いてみた。
どんぶりの表面がチャーシュー、ねぎ、モヤシで覆われた、ボリューム感たっぷりの醤油ベースのラーメンが¥600。 安くて、ホント美味しい!

           

 わずかに秋の気配を感じる夜風に吹かれながら宿に戻ると、清潔なシーツの布団が敷かれており、座椅子に座ってくつろいでいると、「お風呂いかがですか?」と絶妙のタイミングで案内され、心底疲れを癒してくれます。

           

 ぐっすり眠った翌朝、座卓に並べられた朝食は、品数も多く、とても美味しくいただくことができた。

 アットホームな雰囲気、便利なロケーションでお値段も手ごろ、女将さんもとても親切で居心地の良い、感動的な宿でした。
藤家旅館の飼猫、エミリーちゃん(ロシアンブルー)も愛嬌を振りまいてくれます。

 24日 京都駅前から四条通の事業所へタクシーで移動   
     午後から草津へJRで移動後、タクシーで栗東へ移動

      19時出発の新幹線で2時間半かけて帰宅

昭和ラジオ ファーストアルバム あまやどり

2006-08-04 | 昭和三丁目の真空管ラジオ
 昭和ラジオさんから、今年4月にリリースされた彼女のファーストアルバム「あまやどり」をお送りいただいた。
ジャケットには竹久夢二を思わせる「昭和浪漫」の空気を漂わせた、和服姿の女性のイラストが描かれている。
 
              

 CDケースのキャップ(帯)に書かれたコピーに、また「昭和ラジオ」という自ら名乗る彼女のセンスにおのずと期待感も高まる。

 全ての音楽好きに響く過去と未来の進行形
 上質のユーモアと日常のループから生まれる哀楽の11曲、昭和ラジオ、見参。      

 その日の夜、CDはあえて聞かず、ジャケットと歌詞カードをながめていた。
街をブラついているとき、たまたま入ったレコード屋で、何気に手にした名も知らないアーティストのCDを何かに引寄せられるように買って帰った後に、CDを聴くための心の準備時間・・・こんな経験は、誰もが一度や二度はあるはずだ。

 翌日、仕事を終えて帰宅後、シャワーで一日の汗を流し、BOSEサウンドシステム AMS-Dの電源を入れた。AMS-Dのシステム構成は、CD/チューナーのデッキと小型のウーハー、手のひらサイズのフルレンジスピーカーが2個。驚くほどコンパクトにまとまっている。

              
          BOSEサウンドシステム AMS-D

 BOSEの広告ってなんか"ほんとかよ?"っていうぐらい"画期的な音です"みたいなこと書いてあるから、ほんまかいなと思っていつつ、つい買っちゃったわけで…。今時、MDなしで、MD付きのミニコンポの倍ぐらいの値段。
 で、ベースの巨匠?ロン・カーターのアルバムを一番初めに聴いたわけですが、!!!!って。 こりゃちょっとすごいわ。ぶっ飛んじゃうくらい音がいい。聴こえ方が違うんよ。根本的に。 決して大きな音を出しているわけでもないが、音のディテールが際立つ。弦と指のこすれる音、弦とフィンガーボードの当たる音、大げさじゃなく音に質感がある。

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

 アコースティックな演奏やボーカルを再現するには、うってつけのシステムであり、もう5年以上愛用しているこのBOSEサウンドシステム AMS-DのCDトレイに昭和ラジオの「あまやどり」をセットし、PLAYボタンを押した。

               

  しょっぱい水は肌に合わない
  流れにまかせて海原へ出たが
  所詮、川魚
  帰ってきたよ
  所詮、川魚
  帰ってきたよ

 ミキシング処理された1曲目、「川魚」で意表をつかれ戸惑う耳に入ってきたのは、軽快なアコースティック・ギターのイントロで始まる「ファイン」。

  海辺の日差しはきつくないかい
  行きつけのスーパーは見つけたかい
  仕事もそれなりにしているかい
  友達はもうできたかい
  君が街から出て行って
  辛口トークできずにいるよ
  みんな気に掛けてたよ
  She is FINE! FINE!  大丈夫
  やさしい彼ができたって
  She is FINE! FINE!  大丈夫
  僕も頑張るよ

 20代はじめの頃の、友達関係と恋愛感情が微妙に交錯する男女の心の機微を客観視しながら、明るく前向きに描く、昭和ラジオさんの歌声にボクの心の中で懐かしい気持ちが甦ってきた。

 打ち込み全盛の音作りが流行の昨今、「あまやどり」では昭和ラジオさんと彼女の仲間が奏でる肩の力を抜いた自然体のアコースティック・サウンドと”身の丈大の日常”を綴った歌詞、そして何よりも彼女自身の説得力のある魅力的なボーカルで、心を癒してくれるアルバムに仕上がっている。

 とりわけこのCDの後半、「帰りみち」から「ラング・ド・シャ」に続く5曲を聴き終えたボクは、良質な私小説を読んだ後の心地よさに似た気分になっていた。

“自我”と“世間”との間(はざま)で、なんとか折合いをつけようともがく、真っ直ぐで、ひたむきな男の子の成長が「帰りみち」と「知恵」に描かれている。
いっぽう“自己抑制”と“賢さ”で、バランスをとってきたつもりが、いつのまにか“諦め”になりつつある自分と決別し、自分らしさで勝負に出た女心を「焦燥の果て」と「あなた」で描いている。
そして最後のナンバー「ラング・ド・シャ」では、今までの爽やかなアコースティックサウンドと歌詞の奥底に横たわる、へなちょこ男とタフな女にまつわる普遍性を考えさせられた次第です。

 まぁ何やかんや言いながら、昭和ラジオさんの伸びのある力強いボーカルとギターを聞き終え、元気を貰った「あまやどり」。今度、昭和ラジオナイトにこっそり潜入してみよ~っと。